インターステラテクノロジズのロケットZERO、姿勢制御用ジンバルの性能取得試験を実施
宇宙輸送機器メーカーとして福島県初進出、福島支社で初の重要試験
低価格で便利な宇宙輸送サービスを通じて宇宙の総合インフラ会社を目指すインターステラテクノロジズ株式会社(本社:北海道広尾郡⼤樹町、代表取締役社⻑:稲川貴⼤、以下インターステラテクノロジズ)は、ロケットの姿勢を制御する「ジンバル機構」の性能取得試験(以下本試験)を2022年12月6日、福島支社にて行いましたのでお知らせいたします。本試験は福島支社で初めての重要試験となりました。福島県では原発事故からの産業回復を目指す国家プロジェクトが進んでおり、インターステラテクノロジズは宇宙輸送機器メーカーとしては初めて同県に進出しました。日本はロケット打上げ方向となる東と南が太平洋に開かれた世界有数の好立地にあり、製造業の強固なサプライチェーンも有するという、世界でも数少ない宇宙産業に適した国です。インターステラテクノロジズは国内にロケット製造のサプライチェーンを構築し、宇宙産業を日本の次のものづくり産業とするため、今後も事業に邁進してまいります。
- 自社設計によりスピーディーで低コストな開発を実現
ジンバル機構は、伸縮することでエンジンの噴射の向きを制御するアクチュエータ―2基と、エンジン部を支えるジンバルジョイントなどで構成されています。開発期間は約1年で、2022年6月から部品単体での試験を進めてきました。本試験では各部品を組み合わせたジンバル機構全体として、設計通りの速度や精度、制御が達成できているかを確かめました。
インターステラテクノロジズのジンバル機構は、計3回の宇宙到達実績のある観測ロケット「MOMO」の経験やノウハウを生かして自社開発しており、スピーディーで低コスト、ZEROに最適化した設計を実現しています。アクチュエータ―には油圧式ではなく、最新技術である電動モーター式を採用している点も特徴で、部品の簡素化と制御機能の強化を図っています。
- 試験概要
試験目的 :設計通りの性能を発揮できているかを確認すること
場 所 :インターステラテクノロジズ福島支社(福島県南相馬市産業創造センター)
試験日時 :2022年12月6日
試験結果 :規定の性能通り出力できることを確認した
- 急成長する宇宙市場、課題は宇宙輸送
一方、急拡大するニーズに対し、衛星を運ぶための唯一の手段となるロケットは、国内の打上げ回数が年数回と世界シェアの約2%(*2)にとどまっており、国内の衛星打上げ需要は海外に流出しているのが現状です。さらに、ウクライナ戦争の影響で世界の宇宙輸送の約2割を占めていたロシアのロケットを日本や欧米諸国は使えなくなるなど、宇宙輸送能力不足が宇宙利用拡大の世界的なボトルネックとなっています。
経済安全保障の観点からも各国とも宇宙輸送の強化が急務となっており、日本では2022年5月に宇宙開発戦略本部で発行された「宇宙基本計画工程表改訂の重点事項」において「民間の小型ロケットの事業化を促進するなどにより、我が国の宇宙輸送能力を抜本的に強化する」と明記されたほか、2022年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針2022)」でもその能力を強化する方針が示されています。
*1 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 *2 Space Launch Reportより試算
- 原発事故の産業回復、宇宙が重点分野に
- 部品製造に福島県浜通り地域の企業が参画
インターステラテクノロジズは設計から製造、試験まで自社で一気通貫しているのが特徴です。福島・東京支社ではジンバル機構のほかに、人工衛星を収納するフェアリング部、ロケットの頭脳に当たるアビオニクス(電子機器)の開発・製造を行っています。
宇宙産業は世界的に”官から民へ”の流れが進んでいます。インターステラテクノロジズは宇宙産業を日本の次の成長産業とすることを目指しており、部品製造にはもともと製造業に強みのある福島県浜通り地域の企業7社にも参画いただくなど、メイド・イン・ジャパンでのロケット開発・製造に取り組んでいます。
- インターステラテクノロジズ株式会社 会社概要
所在地 : 北海道広尾郡大樹町字芽武149番地7
代表者 : 代表取締役社長 稲川 貴大
事業内容 : ロケットの開発・製造・打上げサービス
https://www.istellartech.com/
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