日本企業に内定した理系外国人留学生へのヒアリング調査「専門スキルや資格を取得し、自分が成長できる日本で働きながら住み続けたい」＠2023年度内定者交流会

～企業側は、成長意欲の高い外国人材が活躍できる体制づくりがポイントに～

株式会社オリジネーター

2023年11月16日 08時00分

理系外国人留学生の人材紹介を強みとする株式会社オリジネーター（所在地：東京都渋谷区、代表取締役：長谷部裕樹）は、当社の就職サポートを通じて内定を獲得した外国人留学生の2023年度内定者交流会を10月に開催し、日本企業に内定した外国人留学生へ、日本企業を選んだ理由などについてヒアリング調査を行いました。

【開催概要】2023年度内定者交流会

開催日：2023年10月21日（土）

参加者：約40名、11ヵ国

　①内定を獲得した外国人留学生

　②日本の企業で働いている外国人社員

　③これから就職活動を始める外国人留学生

内定先企業の例：

自動車部品メーカー、半導体メーカー、ポンプメーカー、建材・設備機器メーカー、生活用品メーカー、情報通信、商社など

＜ヒアリング調査の対象者：日本企業に内定した2024年3月卒業予定の外国人留学生4名＞

【インドネシア・女性】

日本国内での最終学歴：東京大学・大学院　専攻分野：総合文化研究科言語情報科学

内定企業の業種：情報通信

【マレーシア・女性】

日本国内での最終学歴：千葉大学・大学院　専攻分野：電気・電子

内定企業の業種：製造業

【中国・男性A】

日本国内での最終学歴：東京外語大学・大学院　専攻分野：総合国際学研究科国際日本専攻（電気・電子）

内定企業の業種：製造業

【中国・男性B】

日本国内での最終学歴：埼玉工業大学　　専攻分野：電気・電子

内定企業の業種：製造業

＜日本企業に内定した理系外国人留学生へのヒアリング調査＞ポイント

●日本のアニメや漫画など日本の文化に触れたことがきっかけで、留学・就職

●日本で働きたい理由は「興味のある仕事がある」「日本人同士の距離感が良い」

●就活は、日本人学生と同じスケジュールで早期に開始

●日本の就活は選考プロセスが複雑で長い。外国人を受入れている企業の情報が知りたい！

●入社の決め手は「仕事内容」「人事担当者の人柄」

●専門スキルや資格を取得し、自分が成長できる日本で働きながら住み続けたい

●日本のアニメや漫画など日本の文化に触れたことがきっかけで、留学・就職

Q. 日本で働こうと思った理由は何ですか？

【インドネシア・女性】

子どもの頃から日本のアニメや漫画、ゲームにたくさん触れてきて好きになり、それがきっかけで日本語を勉強しました。その分野の仕事に就きたいと考えた時に、日本にはアニメや漫画、ゲームに関連する企業が多いので、日本で働きたいと思いました。

【中国・男性B】

小学生の時から、日本のアニメ、漫画、小説、映画、テレビなどをいろいろ見て成長してきました。日本人と同じような文化に影響されて育ったので、人生の重要な要素の一つとして日本に来ました。

日本に来て生活することも、日本で仕事をして社会人として生活することも、私にとって人生の大切な目的です。

●日本で働きたい理由は「興味のある仕事がある」「日本人同士の距離感が良い」

Q. 日本以外（母国やその他の国）で働くことも検討しましたか？

【インドネシア・女性】

日本で自分の興味のある分野で働けなかったら、母国のインドネシアに帰ると決めていました。日本で働くことが目的ではなく、自分の興味のあるアニメや漫画、ゲームなどの分野で働きたいと考えています。

【中国・男性A】

他の国での就職活動は一切しませんでした。

給料や仕事の環境だけを見れば、日本より良い国もあると思います。しかし、これから生活する上で、仕事だけではない、生活環境や社会環境が大事だと思っています。日本の「人と人との距離感」が私にとっては心地良いもので、日本で生活をしたいという気持ちがとても強く、最初から日本での就職を決めていました。

●就職活動は、日本人学生と同じスケジュールで早期に開始

Q. いつ頃から就職活動を始めましたか？

【インドネシア・女性】

今年2月（大学院１年生の終わり）からです。

【中国・男性A】

昨年5月に日本に来て、昨年の夏休み（大学院1年生の夏休み）から日本企業の説明会に参加するなど、就職活動を開始しました。

【マレーシア・女性】

大学院1年生の5月、6月くらいからインターン先をどこにするか、いろいろ見はじめました。

【中国・男性B】

大学3年の前期くらいからです。

●日本の就職活動は、選考プロセスが複雑で長い

Q. 日本の就職活動で、疑問に思ったことはありましたか？

【インドネシア・女性】

就職活動を始めなければいけない時期が、早すぎると感じました。選考プロセスも、インドネシアでは1ヵ月で終わりますが、日本ではSPIや書類選考、面接などで内定までに3ヵ月もかかるので驚きました。

●外国人を受入れている企業の情報が知りたい！

Q. 日本の就職活動で、役に立ったサポート（情報）は何ですか？

【インドネシア・女性】

エントリーシートなどの書類の書き方がインドネシアと違い、ガクチカ（学生時代に力を入れたこと）や趣味などを書く必要があったので、どのように書けばいいのか『リュウカツ』にサポートしてもらいました。面接の練習もしてもらい、練習がなかったら上手くいかなかったと思います。

大学にサポートしてくれる場があるのは知っていましたが、大学で紹介してもらえる仕事に興味があるものはなかったので、利用しませんでした。

【中国・男性A】

一般的な大手の就職情報サイトも利用しましたが、どの企業が外国人を受け入れているのか分かりません。

そういう意味では、外国人留学生向けの『リュウカツ』では、整理された欲しい情報をいろいろサポートしていただき、助かりました。

【マレーシア・女性】

日本人の友達や先輩に相談し、話を聞きました。エントリーシートをチェックしてくれたのが一番ありがたかったです。大学のキャリアセンターは利用しませんでした。大学院生は自分で就職活動をやっていると思います。

【中国・男性B】

大学の就職課がやっている講座があり、毎週聴講していました。就職活動を始めてからは、アドバイスをいただける先生との面談に予約して通っていました。

『リュウカツ』の担当の方には、面接で実際に出る応用問題対策など、面接の準備をたくさんしていただき助かりました。

●入社の決め手は「仕事内容」「人事担当者の人柄」

Q. 内定をもらった企業に入社しようと思った決め手は？

【インドネシア・女性】

『リュウカツ』主催の説明会で話を聞いて、インターンをして自分の興味のある仕事ができると思ったからです。

【マレーシア・女性】

取り扱っている商品が身近な日用品なので、いろいろなところで目にすることができ、働いている実感を得られると思ったからです。

【中国・男性B】

仕事内容が、私の専門と合っていたからです。

また、人事担当の方が優しくて雰囲気も良かったので、この会社に入りたいと思いました。

●日本の文化や新しい人間関係を楽しみたい！一方で、日本人の仕事のペースや働き方には不安も

Q. 日本で働くにあたり、楽しみにしていること・不安なことは？

【中国・男性A】

私は日本の文化、社会環境が好きなので、日本で過ごせる毎日が楽しみです。

【インドネシア・女性】

アニメという自分の好きな分野、自分の働きたい場所で働くことを想像するだけで、楽しみがいっぱいです。

同僚は日本人なので、日本人と仕事のペースや働き方が合わせられるか、追いつけるかが不安です。

【中国・男性B】

自分の専門能力を生かして日本で生活していくのが一番の目的なので、日本の文化や新しい人間関係を楽しみたいです。海外出張や海外駐在のチャンスもあるので、楽しみにしています。

●専門スキルや資格を取得し、長く日本で働きたい

Q. どのようなキャリアプランを考えていますか？

【中国・男性A】

20代が終わる前には、仕事の「いろは」を覚えたいです。30代の個人的な目標としては、日本に帰化したいと思っています。また、私の仕事は資格が必要になってくるので、資格を取りたいと思います。

【インドネシア・女性】

最初はいろいろ学んで、最終的に自分に合う仕事を専門にし、上を目指そうと思っています。

できれば日本で、定年退職まで長く働きたいと思います。

【中国・男性B】

今のところ、帰国するプランは考えていません。

少なくとも10年20年くらいは日本で働いていきたいと考えています。

●自分が成長できる日本で、働きながら住み続けたい

Q. 日本に住み続けたいと思う、一番の理由は何ですか？

【インドネシア・女性】

日本に3年間くらい住んでいますが、日本にいる方が、自分が成長できると感じます。安定した生活をしながら、チャレンジもできるということが、日本にいることを決めた理由です。

【中国・男性A】

日本の文化が好き、ということが一番の理由です。日本に留学し、自分自身で日本の社会環境を体感し、実感しました。一人ひとりを個として認めて尊重し合う、日本のそういう環境でなら、私もリラックスして働けるだろうと思いました。

【中国・男性B】

日本の「人と人との距離感」が、私にとっては気持ち良いので、住み続けたいと思っています。

また、私は日本のコンテンツが大好きで、日本でしか観れないコンテンツがあり、それも理由の一つです。

【外国人採用・活躍支援の現場から】

株式会社オリジネーター　取締役専務執行役員　工藤尚美

今回のヒアリング調査からもわかる通り、日本への留学や就職を目指す外国人留学生は、理系・文系問わず、日本のアニメや漫画など日本の文化に触れ、日本に興味を持ったのがきっかけという人が多いようです。

就職活動に関しては、日本人学生と同じスケジュールで早期に動く外国人留学生が多く、優秀な外国人材は売り手市場が続いています。日本での就職を希望する外国人留学生は、「給料」や「雇用の安定」はもちろんのこと、働き方や人間関係などの「職場環境」を重視する傾向にあり、これも日本人学生と同じです。

日本企業に内定した理系外国人留学生の話を聞くと、「専門スキルや資格を取得し、長く日本で働きたい」「自分が成長できる日本で、働きながら住み続けたい」といった前向きなコメントが多かったのが印象的です。外国人を受け入れる企業側は、日本人とは異なるバックグラウンドを持ちながらも、日本の文化や生活環境が好きで日本で長く働きたいと思っている“成長意欲の高い外国人材”を活躍させる体制づくりがカギと言えます。