八王子市におけるSIB を活用した大腸がん検診・精密検査受診率向上事業の最終評価および総括レポート公表

2017 年5 月に開始された、八王子市（市長：石森孝志）大腸がん検診・精密検査受診率向上事業におけるソーシャル・インパクト・ボンド（以下、SIB）導入モデルが、2019年8月に終了しました。事業の終了を受け、一般財団法人社会変革推進財団（理事長：大野修一、所在地：東京都港区、以下SIIF）は、経済産業省とケイスリー株式会社が共同でまとめた総括レポート作成の支援に携わりました。

本事業では、３つの成果指標（大腸がん検診受診率、大腸がん精密検査受診率、追加早期がん発見者数）をもとに事業の評価が行われました。成果指標のうち、SIB導入以前と比べて大腸がん検診受診率は大きく向上し目標を上回りました。また、大腸がん精密検査受診率及び追加早期がん発見者数は目標に到達しなかったものの、前者は基準値を上回り、サービス内容に一定の成果があったことが確認されました。なお、八王子市が評価結果に応じた委託料を支払うことにより、資金提供者に償還が行われました。

今後は、日本初のSIB事業である本件を通じて得られた、事業設計に係る示唆を活かし、他の地方自治体などの行政機関とも協働をして、社会課題の解決に向けたSIBの推進に一層努めて参ります。 

詳細は、八王子市が公表した「ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)導入モデル事業の最終報告書を公開」(下記)をご参照ください。
https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kurashi/hoken/kennsinn/p023983.html

八王子市SIBについて
[名          称]          八王子市 大腸がん検診・精密検査受診率向上事業
[契約金額（支払上限額）]   9,762,000 円
[事業者]                株式会社キャンサースキャン
[出資者]                株式会社デジサーチアンドアドバタイジング、株式会社みずほ 銀行、
                           個人投資家、一般財団法人社会変革推進財団 (SIIF)
 
SIB とは

• 地方公共団体等が、民間事業者に委託等して実施させる事業のうち、その事業により解決を目指す「行政課題」に対応した「成果指標」が設定され、地方公共団体等が当該行政課題の解決のためにその事業を民間事業者に委託等した際に支払う額等が、当該成果指標の改善状況に連動する事業のことを、成果連動型民間委託契約方式（PFS：Pay For Success）としています。
• その PFS の一類型として、SIB があります。PFS による事業を受託した民間事業者が、当該事業に係る資金調達を金融機関等の資金提供者から行い、その返済等を成果に連動した地方公共団体からの支払額等に応じて行うものです。

添付資料

• 八王子市における大腸がん検診・精密検査受診率向上事業 最終評価結果を踏まえた事業総括
   

社会変革推進財団（SIIF）について        https://siif.or.jp/
社会課題の解決と多様な価値創造が自律的・持続的に起こる社会を目指し、自助・公助・共助の枠組みを超えた社会的・経済的資源循環のエコシステムの実現を目指します。ソーシャル・インパクト・ボンドをはじめとするインパクト投資のモデル開発や実践、普及のための環境整備、調査研究・政策提言に取り組んでいます。
SIIFは日本財団から助成を受けこれらの活動を行っています。