【重版出来】『構築された仏教思想　ゴータマ・ブッダ　縁起という「苦の生滅システム」の源泉』が重版　様々な人物によって構築された仏教思想の多様性が学べる好評シリーズ

仏教の開祖・ゴータマ・ブッダ。その唯一無二の「存在」の実像と、思想的核心である縁起説に迫ります。

株式会社佼成出版社

2024年10月2日 18時00分

株式会社佼成出版社（本社：東京都杉並区、代表取締役：中沢純一）は、『構築された仏教思想　ゴータマ・ブッダ　縁起という「苦の生滅システム」の源泉』（https://books.kosei-shuppan.co.jp/book/b274428.html）を増刷し、第３刷を発行しました。

問題意識で解き明かす仏教

すべての仏教の始まりに位置する、ゴータマ・ブッダ。彼は王家の身分を捨て出家し、修行ののち悟りの境地へ到達。80歳でその生涯を終えました。仏弟子達によって形成された教団は教えを説き続けましたが、それでも開祖のブッダは唯一ともいうべき存在です。ですが、その偉大な人物「ブッダ」は本当に「ゴータマ・ブッダ」をさしているのでしょうか？

著者はそんな“問題意識”を根底に、初期の仏教教団における「ブッダ」の語が指し示す対象や、一般に理解されている「ゴータマ・ブッダは縁起を説いた」という中の「縁起」の定義を、経典の精読によって再考しました。

論理的考察が魅力

この本の魅力は、先行研究を踏まえながら、多数の初期経典を読み込んで提示される緻密な論証にあります。論述を一つ一つ積み上げていくように著すことで、初学者でも理解できるようなつくりになっています。

ゴータマ・ブッダの教えは後世に多くの流れ（部派、学派、宗派）を生み出しました。現代にまで伝わる限られた仏教文献から、通説では見落とされてきた「ブッダ」や「ブッダの教え」の真の姿を明らかにする、知的ロマンの旅。

【目次】

まえがき

第一章　ブッダとゴータマ・ブッダ(釈尊)
1　ブッダ──普通名詞と固有名詞
2　ブッダの宗教性
3　唯一のブッダ──ゴータマ・ブッダの〈誕生〉
4　初期経典に見られるブッダとは?
5　ブッダの死によって仏教が始まった
第二章　最初期の仏教とその時代背景
1　仏教が興った時代と六人の沙門
2　仏教とジャイナ教の類似性
第三章　最初期の仏教の思想的特色
1　『スッタニパータ』に見られる「無常」
2　『スッタニパータ』に見られる「無我」
3　『スッタニパータ』に見られる「涅槃」
4　仏教の基本的立場──「正しく自覚して行う」
5　仏教の基本的立場──「執着を乗り越える」
6　仏教の基本的立場──「現世において体得する」
第四章　根本思想としての縁起説
1　ゴータマ・ブッダの悟りと縁起説の伝承
2　十二支縁起の各支の意味
3　ゴータマ・ブッダの悟りと縁起――諸説を眺めて
第五章　各支縁起説の展開
1　『スッタニパータ』「争闘」──縁起説の萌芽
2　『スッタニパータ』「二種の観察」──縁起説の源流
3　三支縁起説
4　五支縁起説
5　十支縁起説
6　十二支縁起説
第六章　ゴータマ・ブッダと縁起説
1　各種縁起説の成立と展開
2　ゴータマ・ブッダと縁起説
3　縁起と涅槃の語義
4　「縁起」の意味
あとがき

【著者プロフィル】

並川孝儀（なみかわたかよし）

1947年、京都府生まれ。佛教大学大学院文学研究科仏教学専攻博士課程満期退学。
博士(文学・佛教大学)。専攻は原始仏教・アビダルマ(部派)仏教。現在、佛教大学名誉教授。
おもな著書に『ゴータマ・ブッダ考』『インド仏教教団　　正量部の研究』(大蔵出版)、『「スッタニパータ」――仏教最古の世界』(岩波書店)等がある。

【書籍情報】

『構築された仏教思想　ゴータマ・ブッダ　縁起という「苦の生滅システム」の源泉』

著者：並川孝儀

発行：佼成出版社

定価：1,540円（税込）

仕様：B6／128ページ

〈紙書籍版〉https://books.kosei-shuppan.co.jp/book/b274428.html

〈電子書籍版〉https://chieumi.com/products/ks0107

「構築された仏教思想」シリーズ紹介

・『龍樹　あるように見えても「空」という』

　著：石飛道子　1,540円（税込）　2010年9月

・『親鸞　救済原理としての絶対他力』