CBREが特別レポート「シティ・ロジスティクス ~都市型倉庫の新時代~」を発表 eコマースの影響により、都心型倉庫のニーズが高まるラストマイル配送の効率化 都市型倉庫の活用がカギ
CBRE(日本本社:東京都千代田区丸の内)は本日、物流マーケットに関する特別レポート「シティ・ロジスティクス~都市型倉庫の新時代~」を発表しました。当レポートは、ますます高まる都市部への物流サービス(シティ・ロジスティクス)に対応する、「都市型倉庫(シティ・ウェアハウス)」の有用性を考察しています。さらに、首都圏における事例を取り上げ、その実態を検証しています。
- 配送サービスを維持することが困難になってきています。このことは、輸送運賃の上昇を伴って多くの産業に影響を与えています。
- 要因としては、eコマースやコンビニエンスストアのような小規模店舗が増えたことによって、配送が小口化・多頻度化し、輸送効率が低下したこと、トラックドライバー不足が挙げられます。
- これに対する解決方法のひとつとして、最終配送先付近に中間配送拠点を設置することで、配送サービス全体の効率性を高めることが検討されています。これら中間配送拠点は、都市部に設置する必要があるため家賃が高額になりがちな一方、小さい面積で目的を果たすことができるため、支払い賃料の総額は抑えることができます。
- 都市部に立地し、小区画で利用可能な倉庫のことを「都市型倉庫(シティ・ウェアハウス」と呼ぶことができるでしょう。いわゆるラストマイル配送の拠点となるような倉庫です。そして、こういった都市型倉庫を活用した物流ネットワーク「シティ・ロジスティクス」の重要性が今後一層高まるとみています。
- 実際に首都圏のテナントニーズを分析すると、都心部では小規模な倉庫に対するニーズが高いことが確認できます。埼玉県・千葉県・神奈川県では1,000坪以上の倉庫を希望する割合が最も多く、半数近く(46%)を占めるのに対し、東京都では1,000坪以下の倉庫を希望する割合が8割以上(83%)に達しました。
- 一方、東京23区の1,000坪未満の空室は減少の一途をたどっています。また、それらの1,000坪未満の空室には施設の老朽化が目立ちます。2018年Q2時点の1,000坪未満の空室のうち、築40年以上と推定されるものが件数ベースで40%以上を占めました。
- 大型物件が区画を小割りにして貸し出す場合、追加の建築コストや契約管理でより負荷がかかることは考慮しなければいけません。しかし、小規模ニーズを取り込むことで高い稼働率を維持することが期待できるため、賃料競争力も高まると考えられます。
- 都市型倉庫に対するニーズは、東京都心のみならず全国の中核都市に共通するものと考えられます。物流業界では配送サービス全体の効率性を高めることが喫緊の課題です。都市型倉庫はその解決策のひとつとなると同時に、新たなビジネスチャンスとなり得るでしょう。
■宅配便取扱個数の推移
■配送の小口化・多頻度化
詳しい解説は、弊社ホームページの「シティ・ロジスティクス」レポートを下記リンクよりご覧ください。
https://www.cbre.co.jp/ja-jp/research-reports/japan-research-archives
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