物流業界では先進的な、完全循環型リサイクルによるユニフォームのトライアル運用を開始
サステナブルな社会の実現に向け佐川急便×ミズノ×帝人フロンティアが連携



佐川急便株式会社(本社:京都市南区、代表取締役社長 笹森 公彰、以下「佐川急便」)と、ミズノ株式会社(本社:大阪市住之江区、代表取締役社長 水野 明人、以下「ミズノ」)および、帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長執行役員 平田 恭成、以下「帝人フロンティア」)は、サステナブルな社会の実現に向け、佐川急便の使用済みユニフォームを新たなユニフォームへと循環させる「資源循環スキーム」(以下:本スキーム)のトライアル運用を開始しました。この取り組みは、佐川急便の「環境理念・環境方針」に基づく3R(リデュース・リユース・リサイクル)活動の長年の取り組みと、ミズノが有する製品設計や広域認定事業者※1としてのノウハウ、および帝人フロンティアが長年培ってきたポリエステルリサイクルや素材開発の技術力、資源循環の取り組みの知見を活用し、後の本格展開に向けた実証段階として位置づけています。
※1 環境大臣の認定を受けて、廃棄物となった自社製品の回収や適性処理を広域的に行うことのできる製造事業者等
<3社で取り組む循環型リサイクルのイメージ図>

1背景
(1) 佐川急便では、ペットボトルを使用した再生ポリエステルを原料とした環境配慮型ユニフォームの導入を進めてきました。また、使用済みユニフォームについても、製鉄所でのリサイクル燃料への活用など、可能な限り廃棄物の削減と資源の有効利用に努めてきました。さらに環境負荷軽減を図るべく、循環型リサイクル素材を使用したユニフォームの検討を進めています。
(2) ミズノは、2008年に広域認定制度を取得しました。これまで、ワークビジネス事業において数多くの納入先の使用済みユニフォームを回収しマテリアルリサイクルによって再利用化するなど、リサイクルに関するノウハウや高機能でリサイクルしやすい製品設計技術の蓄積をしてきました。今後は循環型社会の構築に貢献するため回収した使用済みユニフォームのケミカルリサイクルによる再資源化を目指しています。
(3) 帝人フロンティアは、1995年からリサイクルポリエステル繊維「ECOPET」の販売を開始し、その後もさまざまな新しいケミカルリサイクル技術を開発するなど、長年にわたりポリエステルのリサイクル技術の知見を積み上げてきました。さらに、実社会で衣料品を資源として循環させるために、使用済みポリエステル繊維製品を回収し、ケミカルリサイクルによってポリエステル繊維に戻し、再び繊維製品とするという仕組み作りも進めています。
このような背景から、3社が協力し、物流業界では先進的となる、ユニフォームにおける完全循環型リサイクルの運用を行うことが、 サステナブルな社会の実現に向けた第一歩になると考えています。
2.今般開始するユニフォームのトライアル運用について
(1)佐川急便は、ユニフォームを環境に配慮した仕様に変更するとともに、使用済みポロシャツユニフォームの安定的供給の検討を実施します。また、着用状況や着心地、機能性などについてのフィードバックも実施します。
(2)ミズノは、長年供給してきた佐川急便のポロシャツユニフォームの副資材も含め、リサイクルしやすいよう100%ポリエステル製とし、リサイクル素材を使用した製品設計、機能性のアップデートを行うとともに、使用済みポロシャツユニフォームの回収の効率化を図っていきます。
(3)帝人フロンティアは、佐川急便の使用済みユニフォーム向けにリサイクル素材を提供し、回収された使用済みユニフォームをケミカルリサイクルによって、リサイクルポリエステル原料へと再資源化します。さらに効率の良い繊維to繊維システム構築の検討と、リサイクル素材を使用した高機能素材の開発を行います。
本スキームは、実効性や品質、安全性などを確認する実証フェーズとして運用し、物流現場での着用試験や運用面の検証を進めていきます。
*繊維業界の国際的な社会背景
欧州各国では2020年以降、アパレルの売れ残り商品の廃棄が禁止され、再利用やリサイクル、または寄付することが法的に義務付けられるなど、すでに海外では繊維産業を循環型に変革させる方針が進んでいます※2。
一方、2022年の日本国内で年間に廃棄される衣類の量は約48.5万トン※3と依然多く、現在は経済産業省が中心となり、繊維製品の再資源化の仕組み作りを急いでいる状況です。
※2 出典:「令和4年度循環型ファッションの推進方策に関する調査業務」(環境省https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/)
※3 出典:「令和4年度ファッションと環境に関する調査業務」(環境省https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/goodpractice/case26.pdf)
これからも佐川急便は、循環型社会の実現に向けた先進的な取り組みを推進し、社会とともに歩んでまいります。
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