アクリス×ARTnews JAPANアート展最終章「After us : 受け継ぐということ」開催。持続可能な世界をテーマに、アート・プロデューサー山下有佳子氏がキュレーション
1922年、起業家精神にあふれた女性、アリス・クリームラー=ショッホが地元の女性たちのために作ったエプロンからスタートしたアクリス。以来、アクリスは「Women with Purpose(目的を持つ女性たち)」を称え、現在も創業の地、ザンクト・ガレンに本拠地を構え、100年にわたり服作りを続けています。アリスの孫でもある現クリエイティブ ディレクター アルベルト・クリームラーは、アートや建築物から多くのインスピレーションを得ており、数々のアーティストや建築家とコラボレーションをしたコレクションを発表しています。
アクリスは、ファブリックを再利用したり、ホースヘアなどアニマルフレンドリーな素材を取り入れたりするなど、持続可能な取り組みが創業当時より受け継がれています。また、厳選された最高級の素材で作られた、タイムレスモダンなスタイルの洋服やバッグは、一過性の流行に左右されないコレクションピースとして、長く愛用されています。
こうしたアクリスの哲学を起点とし、本展でキュレーターを務める山下有佳子氏が最終章に掲げたのは「受け継ぐ」というテーマ。4人のアーティストによる現代アート作品の数々から、未来へ受け継ぐメッセージをぜひ感じてみてください。
山下有佳子氏によるコメント
現代では持続可能性やエコロジーの問題が盛んに議論されています。その背景には、人間社会の「繁栄」を優先させたことに伴う環境破壊への反省と、持続可能な社会の実現のために新たな「豊かさ」の指標が必要であるという問題意識があるでしょう。
しかし、この議論の中で最良とされる方法もまた、決して「普遍的に正しいもの」であるとは言えません。なぜなら、かつてガリレオの地動説が異説であったように、こうした問題に対する最良性/正しさというものは、時代や認識する世界のスケールやレイヤーによって変化するからです。
ですから、私たちに今できることは、少しでも持続可能な世界を構築するための方法を探究し続けることであり、その過程や選択について、私たちの後に続く全ての存在(動物や植物、菌類、あるいは未知なる存在)のために、彼らが十分に学び、思考するための「証拠(Proof)」を遺していくことではないでしょうか。
本展では、4名の作家、佐々木類、シャイフル・アウリア・ガリバルディ、渡邊慎二郎、渡辺志桜里を紹介します。
1922年に家庭用ミシン1台から始まったアクリスもまた、「目的を持つ女性のためのものづくり」という伝統と意志を受け継ぎながらも、持続可能な社会のあり方について、ファッションという観点から新しい挑戦を続け、未来へと遺すもの、あるいはその方法について模索しています。
本展がアクリスの取り組みとアーティストの作品たちを通して、今を見つめ、これからの私たちの生き方について思索するきっかけとなれば幸いです。
――アート・プロデューサー 山下有佳子
展示作品について
佐々木類
内部にライトを付したフレームに収められたガラス作品。存在の記録や保存が可能な素材としてガラスを用い、空間と身体の相互関係の中から生まれる空間における“微かな親しみ”を探求しています。植物の持つ意味や用法は土地によって異なるため、同作はそうした文化と植物とのつながりをも保存しているのです。
シャイフル・アウリア・ガリバルディ
菌類が形成する独特の構造を参照した風景ドローイングや、人間の皮膚をクローズアップし、そこで生じている空気や水の動きを捉えた映像作品。科学と構築された美的宇宙との関係を見つめる活動を展開しています。
渡邊慎二郎
サウンドを通して植物との対話の可能性を試みるインスタレーション作品と、植物と移動する人々が集う電車内を捉えた映像作品を展示。植物との新しい対話方法を提示することで、生物あるいは無生物との共生の仕方を再考する彼の作品は、世界をより広く、深く理解していくための一助となるはずです。
渡辺志桜里
絶滅危惧種のある鳥の骨から、科学捜査などで用いられる復顔法により元の生き物の再現を試みた作品《RED》。自然概念の曖昧さと復顔法における不確かさの重なりを手探りし、当たり前のように思っているものごとに対して多様な角度から解釈することの必要性と、そこから拡がる新しい可能性について問いかけます。
Photo: Kaori Nishida
山下有佳子(アート・プロデューサー)
1988年、 京都で茶道具商を営む家庭に生まれる。 慶應義塾大学卒業後、ロンドンのサザビー ズ・インスティチュート・オブ・アートにてアー ト・ビジネス修士課程を修了。サザビーズロンドン中国陶磁器部門でのインターンを経て、サザビーズジャパンにて現代美術を担当。主にオークションの出品作品集め、及び営業に関わり、ヨーロッパのオークションにおける戦後日本美術の取り扱い拡大に携わる。2017年から2022年までアートギャラリー「THE CLUB」マネージングディレクター。2022年より「Art Collaboration Kyoto」プログラムディレクターを務め、京都市成長戦略推進アドバイザー(アート市場活性化担当)就任。京都芸術大学の客員教授も務める。
『ARTnews JAPAN』は、1902年に米国で誕生した世界最古のアートメディア『ARTnews』の日本版として、2022年1月に創刊。オンラインメディアでは、US版の翻訳記事やアート市場のインサイトやオークション速報など、アート×経済の最新動向を伝えるほか、ジェンダーや気候変動などの社会課題に対するアートを通じた発信、文化とアートをつなぐ最新事例の紹介など、日本独自企画を制作し、発信しています。
概要
アートエキシビション by Akris × ARTnews JAPAN
Reimagining the Values Vol. 3
「After us : 受け継ぐということ」
会場:Akris Salon(アクリス サロン)
東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテルプラザ1階
会期:2023年12月22日(金)~2024年1月31日(水)
時間:11:00〜17:00
入場料:無料
休業日:12月26日(火)、12月30日(土)~1月3日(水)
※会場にてアクリス公式LINEに友だち追加いただいた方全員に、オリジナルキーチャームのギフトをご用意しています。すでに友だち登録いただいている方も対象です。数に限りがありますので、なくなり次第終了となります。お一人様一点限り。
※内容は予告なく変更されることがあります。
Akris Salonについて
創業100周年を記念し、2023年1月、東京 日比谷 帝国ホテルプラザ1階に期間限定でオープンしたポップアップスペース「Akris Salon(アクリス サロン)」では、約1年間、アクリスのブランドのアイコンをテーマにしたエキシビションやアート展など、100周年を祝う、さまざまなイベントを開催しています。
Akrisについて
アクリスは、1922年にスイスのザンクト・ガレンで創業した国際的なファッションブランド。クリエイティブ ディレクターのアルベルト・クリームラーが創り出す洗練されたエフォートレスなコレクションは、ビジネスをはじめ社会のあらゆる分野で活躍する「Women with Purpose - 目的を持つ女性」を魅了し続けています。
創業から3世代にわたり家族経営を続け、その革新的で良質なダブルフェイス生地、新境地を開いたザンクト・ガレン エンブロイダリー、先駆的なフォトプリント技術で名声を博しました。アルベルト・クリームラーは、2004年からパリコレクションでコレクションを発表し、高い評価を得ています。また、アクセサリーコレクションも充実。希少なモンゴル産のホースヘアを使ったAiバッグやコレクターズアイテムとして人気の高い芸術的なフォトプリントのスカーフなどがあります。
アクリスのコレクションは、世界の主要都市にあるブティックのほか、全世界300以上の拠点で販売されており、アンジェリーナ・ジョリー、ニコール・キッドマン、ミシェル・オバマ、モナコ公国のシャルレーヌ王妃など世界の舞台で活躍するセレブリティから愛されています。
オンラインサイト:https://jp.akris.com/
Facebook:www.facebook.com/AkrisJapan
Instagram:www.instagram.com/akrisofficial/
YouTube:www.youtube.com/user/AkrisOfficialChannel
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