『劇場等演出空間の運用および安全に関するガイドラインver.4 [2024]』PDFを無料公開

公演制作を安全に進めるため、関係者全員で共有してほしい1冊

芸団協

劇場等演出空間の運用および安全に関するガイドラインver.4 [2024]

劇場等演出空間運用基準協議会(以下、基準協)では、舞台の技術者や公演制作者などの14団体が集まり、公演制作を安全に進めるためのガイドラインを発行しています。近年の関係法令の改正や新たな法律の施行に対応した『劇場等演出空間の運用および安全に関するガイドラインver.4 [2024]』を、公式サイトにてPDFを無料公開しました。

https://kijunkyo.jp/

公演制作を安全に進めるために、関係者が集い2007年から研究・改訂を重ねている『劇場等演出空間の運用および安全に関するガイドライン』。分野横断で取り組んできた成果が、文化庁「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン」(2022)でも参照されています。今回の改訂版では、2018年以降の関係法令の改正や新たな法律の施行をふまえ、ver.3(2017年発行)の内容を一から見直し、より分かりやすい説明と表現を目指しました。

多様な専門分野の人々が関わる劇場等演出空間では、意思疎通の希薄化や指揮命令系統の不明確さなどが生じやすいため、本ガイドラインは、初版より、安全衛生を確保するための共通認識として、以下の3つの点を明らかにすることを主目的としています。

• 制作現場の安全衛生の確保を図る管理体制を明確にすること。

• 制作作業に参加する様々な分野の人々が、安全に関し共通の意識を持つこと。

• 上記の下に各人がおこなうべき共通事項を明らかにし、安全に作業するための技術と意識の向上を図ること。

第1章では制作現場の安全衛生を図る管理体制を明確化し、ver.4では、全体像を把握しやすいように、新たに要点をまとめました。第2章では各部門共通の注意事項と企画、公演準備、搬入・仕込み、舞台稽古、公演、解体・搬出、それぞれの工程でのポイントを整理しています。

「安全衛生管理体制の整備」の要点
公演制作における安全衛生管理体制の基本

特に危険度の高い高所作業については、着用が義務付けられるようになったフルハーネス型の墜落制止用器具や、脚立の使用法など、イラストを用いて説明。また、公演中のアクシデントや地震などの自然災害・火災・感染症拡大などの緊急時に、公演の再開/中止を判断するにはどのような手順と備えが必要か、なども表やチャートにまとめました。

フルハーネス型の墜落制止用器具の一例
脚立作業の三点支持

近年の働き方改革関連法の施行やフリーランス新法の成立もふまえ、契約・発注のポイントも掲載。照明、音響、舞台、映像の技術スタッフ、制作者、施設管理者など、関係者全員で共有してほしい1冊です。全編をPDFで無料公開していますので、ぜひ公式サイトからご覧ください。

印刷版(定価:1,650円・税込)のご注文も公式サイトより承っております。

基準協では、本ガイドラインの他に、教育機関や研修での教材として活用いただいている『舞台技術の共通基礎—公演に携わるすべての人々に』を発行しています。劇場・ホールの歴史や、舞台機構、照明、音響、映像それぞれの機器の説明、制作過程についての基礎をまとめたもので、上記ガイドラインからの掲載もあるため、ver.4の内容をふまえ、今年度中の改訂・出版を予定しています。

■WEBサイト

https://kijunkyo.jp/

■目次

はじめに

目的・適用範囲・対象

1章 劇場等演出空間における安全衛生管理体制

1-1 安全衛生管理体制の整備

1 安全な公演制作環境の実現に向けて

2 労働安全衛生法に定められる安全衛生管理体制

3 劇場等演出空間における安全衛生管理体制

4 劇場等演出空間における安全衛生の取り組み

5 危機管理体制の整備

6 ハラスメント防止の取り組み

1-1「安全衛生管理体制の整備」の要点

公演制作における安全衛生管理体制の基本

1-2 劇場等演出空間の安全衛生管理における各職能の役割と責任

A 制作業務/B 公演監督業務/C デザイン業務/D プロダクション・マネジメント/E 舞台監督業務/F 技術監督業務/G 公演舞台技術業務(舞台、照明、音響、映像、電気、配信・収録)/H 施設管理業務/I 舞台技術管理統括業務/J 舞台技術管理業務

2章 劇場等演出空間における安全衛生管理

2-1 安全作業のための共通注意事項

1 作業現場の基本

2 舞台機構を使用する作業

3 高所作業

4 危険回避に必要な配慮

5 その他の留意事項

2-2 公演制作過程における安全作業の取り組み

1 企画

2 公演準備

3 搬入・仕込み 劇場入り~出演者が入るまで

4 舞台稽古 出演者入り以降

5 公演

6 解体・搬出 公演終了~劇場退館まで

 

2-3 危機管理

1 留意すべき事項

2 施設の緊急時対応フローチャート例

2-4 劇場等演出空間の舞台技術設備管理

1 点検および修繕計画

2 管理運営業務

2-5 電気設備指針の概要

 

3章 関連法規・資格

参考資料

劇場等演出空間運用基準協議会[基準協] 構成団体

一般社団法人日本演出者協会

公益社団法人日本照明家協会*

全国舞台テレビ照明事業協同組合*

公益社団法人日本舞台音響家協会*

日本舞台音響事業協同組合

一般社団法人日本舞台監督協会*

舞台運営事業協同組合連合会*

公益社団法人劇場演出空間技術協会*

NPO法人日本舞台技術安全協会

公益社団法人全国公立文化施設協会

劇場、音楽堂等連絡協議会*

公共劇場舞台技術者連絡会*

公益社団法人日本芸能実演家団体協議会*

公益社団法人日本演劇興行協会

*事務局団体

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会社概要

URL
https://www.geidankyo.or.jp/index.html
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都新宿区西新宿6-12-30 芸能花伝舎2F
電話番号
03-5909-3060
代表者名
野村 萬
上場
未上場
資本金
-
設立
1965年12月