自動車製造業の調達変革を支援するA1A、シリーズBラウンドで約10億円の資金調達を実施
地政学リスク下の収益を守り、AIによる調達コスト競争力への支援を加速
調達データプラットフォーム「UPCYCLE」を提供するA1A株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:松原 脩平、以下「A1A」)は、シリーズBラウンドにおいて、JAFCOをリード投資家とし、i-nest capital、イグニション・ポイント ベンチャーパートナーズ、みずほキャピタルを引受先とする第三者割当増資、およびデットファイナンスを合わせ、総額約10億円の資金調達を実施しました。
調達資金は、コストダウンを組織的に実現する機能の開発強化および組織拡大に充当します。2028年に完成車メーカー、大手部品メーカーを中心に120社導入・現組織の約4倍規模への成長を目指します。

製造業を取り巻く「二重のコスト圧力」と調達の属人性がもたらすリスク
現在、日本の製造業は外側と内側の両面からかつてないコスト上昇圧力にさらされています。外側からは、トランプ政権による関税政策や地政学リスクの高まり、原油・輸送コストの高騰、そして円安の長期化による原材料・部品の調達コスト増が重なっています。また、30年続いたデフレからの脱却に伴う賃上げ圧力、さらに2026年1月に施行された中小受託取引適正化法(取適法)による受注側の価格転嫁促進が、コスト構造を直撃しています。
製造業においては売上の約6〜7割が調達コストと言われています。仮に、売上高が1兆円の企業であれば調達コストは約6,000億円にのぼるとされ、わずか1%の価格変化が60億円の利益増減につながります。「誰から買うのか」「いくらで買うのか」を決める調達部門の役割は、今まさに日本企業の競争力を左右するものとなっています。
一方、調達部門の実務には長年「属人性」という根本的な課題が存在しています。見積書や図面情報、サプライヤーとのやり取り、コストダウンのノウハウが調達を担当する個人に分散し、これまでは組織として活用される仕組みになっていませんでした。この状態が続けば、調達の成果は担当者個人のスキル・経験に依存し続け、再現性・全体最適が阻害されるリスクがあります。コスト環境が厳しくなるほど、この課題は企業にとって致命的になります。
調達における課題を解消する「UPCYCLE」
A1Aは、これらの課題を解決するため、自動車製造業向け調達データプラットフォーム「UPCYCLE」を2024年7月にリリースしました。UPCYCLEは、これまで組織的に集約・活用できていなかった見積書・図面情報、サプライヤーとのやり取りや、コストダウンアイデアなどの暗黙知を構造化データとして一元化。さらに、量産前後の調達実務をフロー化することで、データが自然に蓄積・活用される仕組みを提供してきました。
これまで完成車メーカーや大手部品メーカーなどに導入されています。今後はこれら蓄積された形式知をAIで活用し、誰もが標準化された高品質な見積査定やコストダウン余地の発掘・検討を行える環境を実現するとともに、組織全体で企業利益に貢献できるプラットフォームへと進化させていきます。

資金調達概要
調達金額:約10億円
調達方法:第三者割当増資および融資
株主:JAFCO、i-nest capital、イグニション・ポイント ベンチャーパートナーズ、みずほキャピタル
調達資金の使途
今回の調達資金は、主に以下のプロダクト開発および採用活動に充当いたします。
1. プロダクト開発:データ活用の平準化と特化型AIの実現
「UPCYCLE」は、これまで構造化が困難だった見積書や図面、サプライヤーとのやり取りをデータ化してきました。今後はこれら蓄積された形式知を活用し、組織的にコストダウンを実現できるAI機能群を強化します。
2. 採用の強化:2年間で組織規模を約4倍へ
2028年度に、完成車メーカー、大手部品メーカーを中心とする国内自動車系企業における導入シェア30%を目指すとともに、組織規模も拡大し、現在の4倍の企業規模を目指します。
代表取締役 松原 脩平コメント
創業以来、調達部門の皆様の成果創出に貢献すべくITツールを提供してきました。その一方で強く感じるのは、「ツールの導入だけでは成果が出ない」ということです。真の成果創出には、ツールの活用だけでなく、場合によっては働き方・組織構造・調達バイヤーのあるべき姿そのものを変えることが必要です。
私たちが目指すのは『調達の変革パートナー』になることです。本気で変革を目指す調達部門の皆様が、真っ先にA1Aと組みたいと思っていただけるような存在になる。そのための第一歩として、今回の資金を活用し、AIによる意思決定支援と組織づくりをさらに加速させていきます。

引受先からのコメント
ジャフコ グループ株式会社 シニアアソシエイト 田中 友基氏
私自身、前職・前々職を通じて製造業の現場や経営課題に向き合ってきた中で、購買・調達業務は非常に重要でありながら、複雑さゆえに変革が難しい領域だと感じてきました。だからこそ、A1Aが調達現場の実態やそこで生まれている課題を非常に高い解像度で捉えていること、さらにその解決策においても現場に深く寄り添いながら、データと仕組みで再現性ある形に変えていこうとしている点に、大きな魅力を感じています。
A1Aの挑戦は日本の製造業の競争力強化に大きくつながるものだと考えており、ジャフコとしても今後の成長を全力で支援してまいります。

i-nest capital株式会社
パートナー 塚本 繁男氏 / アソシエイト 濱吉 大聖氏
製造業の調達部門に蓄積される見積書や図面、交渉履歴といった非構造データをAIで構造化し、実データに基づいた意思決定を実現する点を高く評価し、投資させていただきました。調達コスト情報という独自の資産を起点に、設計領域へと価値を広げていくA1Aの取り組みは、ものづくり全体の競争力を高めていくものと確信しており、ご一緒できることを心から楽しみにしています。

イグニション・ポイント ベンチャーパートナーズ株式会社 取締役 田代 友樹氏
A1A社は、製造業における調達という、これまでデータとAIの活用が進んでいなかった領域に対し、エンタープライズユーザーの業務に深く入り込みながら、プロダクトの完成度を高め実績を積み重ねてきました。今後、調達業務を起点に製造業におけるビッグテックになる可能性を秘めていると確信しています。この挑戦を実現できるよう、イグニション・ポイントグループのリソースを活用しながら成長を支援してまいります。

みずほキャピタル株式会社 投資第5部兼大阪投資部 部長 上田 和範氏
A1A社は、製造業の調達領域において「見積書や図面等の非構造化データを構造化する」という独自のポジションを確立しています。松原社長の卓越した言語化能力と、現場のペインを深く理解した「UPCYCLE」の実装思想、そしてデータ蓄積が強固な参入障壁となるビジネスモデルを高く評価し、出資を決定いたしました。製造業の競争力の源泉である調達DXを牽引し、業界の新たなスタンダードを構築されることを強く期待しております。

会社概要
会社名:A1A株式会社
代表者:代表取締役社長 松原脩平
所在地:東京都千代田区神田三崎町2-6-7
設立:2018年6月
事業内容:製造業購買部門向け業務支援ツールの提供
採用情報
A1Aでは、「製造業における調達活動の変革」に挑戦する仲間を募集中しています。
現在特に、セールス・CS・エンジニアの採用を強化中です。少しでもご興味をお持ちの方は、ぜひ採用ページをご覧ください。
A1Aの事業背景をより詳しく知りたい方へ
代表・松原が、今回の資金調達の背景にある製造業の課題と、A1Aが目指す世界について詳しく綴っています。事業・ビジョンへの理解を深めたい方はぜひご一覧ください。
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