「嬉しいけど少し寂しい」で音楽を探せる。Amadeus Code、感情のニュアンスを自然言語で検索するAI音楽検索「Emotion Search」を開発
プロミュージシャンによる自然言語の音楽・感情データと独自AI検索エンジンを組み合わせ、複合的な感情から楽曲を検索。API / MCPを通じAIエージェントにも提供
株式会社Amadeus Code(本社:東京都港区、代表取締役:井上 純。以下、Amadeus Code)は、「嬉しいけど少し寂しい」「期待しているが不安」といった、複数の感情を含む自然な文章から、その意味やニュアンスに関連する楽曲を検索できる独自AI検索技術「Emotion Search」を開発しました。
従来の音楽検索では、「Happy」「Sad」「Relaxing」「Energetic」といったムードタグや、ジャンル、楽器、BPM、用途などを組み合わせて楽曲を探す方法が一般的でした。
一方、人が音楽によって表現したい感情は必ずしも一つのカテゴリーに分けられるものではなく、複数の感情、その強弱、時間的な変化、情景などを含みます。
Emotion Searchでは、例えば、
「新しいことを始める前の、少し不安だけれど楽しみな気持ち」
「昔を思い出して少し切ないが、悲しいわけではない」
「大きな仕事を終えたあと、一人で静かに達成感を味わっている感じ」
といった文章をそのまま検索条件として入力し、その内容と楽曲に付与された感情情報との意味的な関連性を評価します。
本技術の基盤となるのは、Amadeus Codeがこれまで蓄積してきた、プロミュージシャンによる自然言語の音楽表現・感情情報と、今回新たに開発した音楽検索向けAI検索エンジンです。
新しいAI検索エンジンでは、楽曲に付与された感情情報を単純なカテゴリーやキーワードとして扱うのではなく、感情同士の関係、強弱、文脈を含む意味情報として解釈します。
これにより、「Happy」「Sad」といった単一のムード分類では捉えにくかった、人間が感じる複合的な感情のニュアンスを音楽検索へ反映できるようになりました。
また、Amadeus Codeがこれまで蓄積してきた感情情報には、日本語を母語とするプロミュージシャンによって付与された、「切ない」「名残惜しい」「物悲しい」など、英語の単語一語への単純な置き換えでは必ずしもニュアンスを保持しにくい表現も含まれています。
AIによる言語処理を介することで、こうした日本語による感情情報を、英語をはじめとする他言語からも検索できる多言語対応を進めています。
開発にあたり、当社契約クリエイター約100名を対象とした比較試験において、従来のムードタグ検索との比較評価を実施しました。その結果、従来と比較して、目的の楽曲に到達するまでの平均時間が約30%短縮し、求めるイメージに合う楽曲を見つけられた割合が約45%向上しました。
Emotion Searchは、音楽データセット「MusicTGA-HR」を通じてAPIおよびMCPで提供するとともに、著作権フリー音楽サービス「Evoke Music」、AI音楽を活用した認知能力の維持サポートサービス「音会 / OTOKAI」へ順次展開します。
人間による音楽検索だけでなく、生成AIやAIエージェントが会話やコンテンツの文脈に応じて音楽を検索・取得するための基盤として展開します。
【背景:生成AI時代の音楽検索における課題】
音楽配信サービスやBGMサービスではこれまで、楽曲名、アーティスト名、ジャンル、楽器、BPM、用途などを中心とした検索方法が広く利用されてきました。
また、「Happy」「Sad」「Relaxing」「Energetic」など、あらかじめ設定されたムード情報を用いた検索も一般化しています。
一方、人が音楽から感じ取る感情や、コンテンツ制作者が音楽によって表現したい感情は、必ずしも一つの言葉に分類できるものではありません。
例えば、
「嬉しいが、少し寂しい」
「不安だが、同時に期待している」
「懐かしいが、過去に戻りたいわけではない」
といったように、実際の感情には複数の要素や強弱が含まれています。
特に映像、広告、ゲーム、SNSなどのコンテンツ制作では、制作者が求めている音楽を「Pop」「Happy」「Piano」のような既存の検索条件だけで表現することが難しく、イメージに合う楽曲を見つけるために、多くの試聴や検索を繰り返す必要があります。
さらに生成AIの普及に伴い、人間だけではなくAIエージェント自身が、会話、映像、ストーリーなどの文脈に応じて音楽を選択するユースケースも生まれています。
こうした環境では、楽曲に付与された感情情報を固定的なカテゴリーとして扱うだけではなく、入力された自然言語との関係の中で、その意味やニュアンスを解釈する検索技術が必要になります。
Amadeus Codeは、こうした課題に対し、これまで蓄積してきた音楽・感情データを、新たなAI検索エンジンによって意味的に解釈して検索する技術としてEmotion Searchを開発しました。
【Emotion Searchの特徴】
1.感情を文章のまま入力して検索
Emotion Searchでは、ジャンルや音楽用語を指定する必要はありません。
例えば、
「夏休みが終わる日の、楽しかったけれど少し寂しい感じ」
「これから何か大きなことが始まりそうな期待感と緊張感」
「静かな夜に、一人で何かを決意したときのような気持ち」
といった、求める感情や情景を文章として入力できます。
Emotion Searchは、その文章と楽曲側に蓄積された感情情報との意味的な関連性を評価し、関連する楽曲を検索します。
これにより、ユーザーは頭の中にあるイメージを、ジャンルやBPMなどの音楽用語へ変換することなく検索条件として利用できます。
2.プロミュージシャンによって蓄積された自然言語の音楽・感情データ
Emotion Searchでは、Amadeus Codeがこれまで蓄積してきた、プロミュージシャンによる自然言語の音楽表現・感情情報を検索対象とします。
Amadeus Codeでは、楽曲を「Happy」「Sad」などの単一のムードカテゴリーだけで分類するのではなく、プロミュージシャンが音楽から受け取った感情や情景について、より細かな表現を付与してきました。
例えば、同じ「Sad」に関連する楽曲であっても、
「静かに昔を思い出すような寂しさ」
「失ったものを思い出す切なさ」
「寂しいが、不思議と温かい」
「終わってしまうことが名残惜しい」
「悲しさの中に、少し前向きな感覚が残っている」
では、そのニュアンスは異なります。
同様に、「Happy」に関連する楽曲でも、
「安心したときの嬉しさ」
「これから始まることへの高揚感」
「誰かと分かち合いたい喜び」
「嬉しいが、終わってしまうことへの寂しさもある」
では、感情の組み合わせや方向性が異なります。
これらのデータには、日本語を母語とするプロミュージシャンによって付与された、「切ない」「名残惜しい」「物悲しい」など、英語の単語一語へ単純に置き換えた場合にはニュアンスを保持しにくい表現も含まれています。
音楽制作の経験を持つ人間が実際に楽曲を聴き、知覚した感情や情景を言語化することで、ジャンル、BPM、楽器構成などの音楽情報とは異なるデータ層を構築しています。
3.独自AI検索エンジンが感情情報を文脈として解釈
Emotion Searchにおける技術的な特徴は、これまで蓄積してきた音楽・感情データを、新たなAI検索エンジンがどのように解釈するかにあります。
新しい検索エンジンでは、楽曲に付与された感情情報を単純なキーワードや固定的なカテゴリーとして扱うのではなく、
-
感情同士の関係
-
感情の強弱
-
肯定・否定の組み合わせ
-
文脈
-
周辺的な意味
を含む意味情報として評価します。
例えば、
「嬉しいけれど少し寂しい」
という検索に対して、「嬉しい」という情報を持つ楽曲だけを抽出するのではなく、「嬉しさ」と「寂しさ」が同時に存在する状態や、それに近い感情表現を持つ楽曲との関連性を評価します。
同じ「悲しい」という感情でも、
「喪失感」
「懐かしさ」
「静かな諦め」
「悲しいが、その先に少し希望がある」
では、その意味は異なります。
新しいAI検索エンジンは、こうした感情情報同士の意味的な違いや関係を検索処理へ反映します。
これにより、従来から蓄積してきた音楽・感情データを、より人間の感情表現に近い形で検索に利用できるようになりました。
4.日本語の感情情報を多言語から検索
Emotion Searchでは、検索時の入力言語と、楽曲側の感情情報が記述された言語を必ずしも一致させる必要はありません。
楽曲側に蓄積された日本語の音楽表現・感情情報と、英語をはじめとする他言語の入力との意味的な関連性をAI検索エンジンが評価します。
例えば、英語の「excited」は、日本語では文脈に応じて、
「期待している」
「楽しみ」
「わくわくする」
「うきうきする」
「胸が高鳴る」
「待ち遠しい」
など、異なるニュアンスを持つ表現として記述できます。
同様に「sad」であれば、
「悲しい」
「寂しい」
「切ない」
「物悲しい」
「しんみりする」
「胸が痛む」
「気が沈む」
など、感情の種類や強弱、文脈の違いを含む表現があります。
Emotion Searchでは、これらを英単語と日本語表現の単純な一対一の翻訳関係として扱うのではなく、楽曲側に蓄積された日本語の感情情報が持つ意味の違いを検索対象として扱います。
文章による検索でも同様です。
例えば、
“Bittersweet feeling after saying goodbye to someone important.”
という英語の入力に対して、
「大切な人との別れ。寂しいが、一緒に過ごせたことへの温かい気持ちも残っている」
といった感情情報を持つ楽曲との意味的な関連性を評価します。
単語を一対一で翻訳して一致させるのではなく、入力された文章全体が表す感情と、楽曲側に蓄積された感情情報との意味的な関連性を検索します。
これにより、日本語で蓄積してきた感情表現の細かさを、日本国内だけでなく、英語をはじめとする他言語からの音楽検索にも活用できる基盤として展開します。
5.外部の汎用検索から、自社開発の音楽AI検索基盤へ移行
今回のEmotion Search開発に伴い、Amadeus Codeは、これまで利用していた外部の汎用検索サービスから、自社開発のAI検索エンジンへ検索基盤を移行しました。
これにより、MusicTGA-HRが持つ音楽固有のデータ構造や、プロミュージシャンによって蓄積してきた自然言語の音楽表現・感情情報を、検索ロジックへ直接反映できるようになりました。
また、検索アルゴリズムを自社で設計・改善できるため、音楽データの追加や評価結果を検索精度の改善へ継続的に反映することが可能になります。
Emotion Searchは、単独の検索機能として提供するものではありません。
Amadeus Codeが保有する音楽データセット「MusicTGA-HR」と組み合わせることで、
音楽データ → AI検索 → 楽曲取得 → 外部利用
までを一つの技術基盤として提供します。
MusicTGA-HRのAPIおよびMCPを通じて、外部アプリケーションや生成AI、AIエージェントからもEmotion Searchを利用できるようにします。
6.クリエイターによる比較評価
Emotion Searchの開発にあたり、当社契約クリエイター約100名を対象とした比較試験において、従来のムードタグ検索との比較評価を実施しました。
評価では、同一または同等の検索課題に対して、
-
目的の楽曲に到達するまでの時間
-
求めるイメージに合う楽曲を発見できた割合
-
検索・試聴回数
などを比較しました。
その結果、従来のムードタグ検索と比較して、目的の楽曲に到達するまでの平均時間が約30%短縮し、求めるイメージに合う楽曲を見つけられた割合が約45%向上しました。
Amadeus Codeではこれらの評価結果をもとに、検索アルゴリズムおよび検索体験の改善を進めます。
【生成AI時代に「音楽を探すAI」が必要になる】
Amadeus Codeはこれまで、音楽生成技術だけではなく、生成された音楽をデータとして扱い、検索し、実際に利用できる環境の構築を進めてきました。
2023年には、AIによって生成された楽曲に対し、プロミュージシャンによる自然言語の音楽表現や感情情報などを付与した音楽データセット「MusicTGA-HR」の提供を開始しました。
MusicTGA-HRでは、ジャンル、楽器、BPMなどの音楽情報だけではなく、楽曲の内容やイメージを自然言語として扱います。
生成AIの進化によって、新しい音楽を生成する技術は急速に普及しています。
一方、生成可能な音楽が増えるほど、その中から必要な音楽をどのように発見し、選択し、実際のサービスやコンテンツで利用するかという課題の重要性も高まります。
Amadeus Codeでは、音楽生成AIそのものの性能競争だけではなく、生成される音楽が増え続けることを前提として、それらを人間やAIが適切に発見・選択・利用するための音楽データ基盤が必要になると考えています。
そのためAmadeus Codeでは、音楽を、
生成 → データ化 → 検索 → 権利管理 → 利用
まで一貫して扱う音楽AI基盤の開発を進めています。
Emotion Searchは、その中で「検索」を担う中核技術の一つとして位置付けています。
【AIエージェントが音楽を検索するためのAPI / MCP】
MusicTGA-HRでは、Emotion SearchをAPIおよびMCPを通じて提供します。
これにより、人間が検索画面で音楽を探すだけではなく、外部のアプリケーションや生成AI、AIエージェントからも、自然言語を検索条件として音楽を取得できるようになります。
例えば、AIエージェントが、
-
ユーザーとの会話内容
-
生成している映像やストーリーの文脈
-
ゲーム内の状況
-
ユーザーが入力した感情や状態
などをもとに、その場面に関連する音楽を検索する用途を想定しています。
例えば、会話の内容から、
「前向きだが、静かで落ち着いた状態」
という文脈が得られた場合、その意味に関連する楽曲をMusicTGA-HRから検索し、外部アプリケーションで利用するといった処理が可能になります。
AIがテキスト、画像、映像などを生成するだけではなく、コンテンツや会話の文脈に応じて既存の音楽を検索・選択するためのインターフェースとしてEmotion Searchを提供します。
【各サービスへの展開】
◾️MusicTGA-HR API / MCP
サービスサイト:https://amadeuscode.com/ja/musictga-hr
MusicTGA-HRでは、Emotion SearchをAPIおよびMCPを通じて提供します。
外部アプリケーションやAIエージェントが、自然言語による感情や文脈を検索条件として音楽を取得するための検索基盤として展開します。
◾️Evoke Music
サービスサイト:https://amadeuscode.com/ja/evoke-music
著作権フリー音楽サービス「Evoke Music」では、BGMを探す際の新しい検索方法としてEmotion Searchを導入します。
従来のジャンルや用途などによる検索に加え、
「新しいサービスが始まる期待感。明るすぎず、少し未来を感じる」
「企業の歴史を振り返る映像。懐かしいが、暗くはしたくない」
「旅の終わりを感じさせたい。寂しさよりも、良い思い出だったという余韻を残したい」
といった制作上のイメージを、そのまま検索条件として利用できるようになります。
これにより、制作者が頭の中に持つイメージを音楽用語へ置き換えることなくBGMを探せる検索体験を提供します。
◾️音会 / OTOKAI
サービスサイト:https://otokai.jp/
「音会 / OTOKAI」は、AI音楽を活用し、認知能力の維持サポートを行うサービスです。
Emotion Searchのコンシューマー領域への応用として、ユーザーが写真や動画から感じたことや、自身の気持ちを言葉として表現し、その内容と関連する音楽を提示します。
Amadeus Codeでは、音楽を「聴く」だけではなく、自身の感情を表現し、他者と共有するための手段として活用する体験の開発を進めます。
【今後の展開】
Amadeus Codeは、2018年に音楽生成AI「MusicTGA」をリリースして以来、「BE MORE HUMAN®︎」をキーワードに掲げ、「AIで、もっと人間らしく」なることを重視して技術開発を進めてきました。
AIによって音楽を大量に生成すること自体を目的とするのではなく、人が持つ感情や感覚、創造性をより適切に音楽と結びつけ、音楽のあるライフスタイルを提供することを、音楽AIの最重要な役割と位置づけています。
Emotion Searchも、この考え方の延長線上にあります。
従来から蓄積してきたプロミュージシャンによる自然言語の音楽表現・感情情報を、新たなAI検索エンジンが感情同士の関係や強弱、文脈まで含めて意味的に解釈することで、人間が実際に表現する複合的な感情のニュアンスを音楽検索へ反映します。
Amadeus Codeは今後も、今回実施した比較評価に加え、対象者や検索課題を拡大しながらEmotion Searchの検索精度・検索効率を継続的に検証し、その結果を検索アルゴリズムの改善につなげます。
また、日本語母語話者のプロミュージシャンによって蓄積してきた自然言語の音楽・感情データを基盤として、多言語から検索できる仕組みを拡張します。
MusicTGA-HRのAPI / MCPを通じて、生成AIやAIエージェントがコンテンツや会話の文脈から音楽を検索・取得するユースケースについても開発を進めます。
生成可能な音楽が増加することを前提として、Amadeus Codeは今後も、音楽の生成、データ化、検索、権利管理、利用までを一貫して扱い、人間とAIの双方が音楽を利用できる音楽AI基盤の研究開発を進めます。
【会社概要】
会社名: 株式会社Amadeus Code
代表取締役: 井上 純
所在地: 〒107-0061 東京都港区北青山2-14-4-6F
事業内容: 音楽生成AIおよびプラットフォームサービスの研究開発
公式サイト: https://amadeuscode.com/
【お問い合わせ】
◾️製品・サービスに関するお問い合わせ
部署名:カスタマーコミュニケーション室
担当者:北川
メール:contact@amadeuscode.com
◾️取材・プレス関連のお問い合わせ
部署名:PR室
担当者:吉澤
メール:press@amadeuscode.com
