AI漫画『YOUKAI』、出版IPの制作・翻訳・読者体験・二次創作収益を統合する実験基盤を公開
AICU、194ページのオリジナル連載作品を活用し、出版社のAIDXを見据えた次世代Web4漫画プラットフォームの実証を開始
AICU Inc.およびAICU Japan株式会社(以下AICU)は、創立3周年を記念し、学園AIホラー漫画『YOUKAI(ようかい)』の専用Web漫画プラットフォームを公開しました。
公開URL https://aicu.ai/manga/youkai
短縮URL https://j.aicu.ai/Youkai
本プロジェクトは、「AIとコラボして神絵師になる」(インプレス刊)、「画像生成AI Stable Diffusionスタートガイド」、「ComfyUIマスターガイド」(SBクリエイティブ)で、画像生成AI分野でのAIを活用した漫画制作の研究開発に実績があるAICU AIDX Labが研究開発しているプロジェクトで、AI作画だけでなく、多言語展開、作品データの構造化、読者行動の可視化、キャラクターIP管理、ファンによる二次創作や権利者への収益還元までを、一つの作品基盤上で接続する試みです。
AICUは、この取り組みを、出版社が保有する作品やキャラクターIPをAI時代に適応させる「AIDX(AI Transformation)」の実証モデルとして展開します。
2026年8月31日までのAICUファン感謝祭期間中は、AICUアカウントに無料登録することで、公開中の全エピソードを無料で読むことができます。

AI時代の出版社だからこそ考えた、制作工程のAI化のその先
AICUは出版社として「月刊AICUマガジン」を26号にわたり発行してきました。毎号約150ページのフルカラーマガジンを制作し、漫画作品の連載も行っています。
その運用を通じて蓄積した生成AI活用の知見は、原稿作成、画像制作、校正、翻訳といった個別工程の効率化にとどまりません。現在では、他の出版社に対するコンサルティングや出版企画の提供にも展開しています。
出版IPの価値を中長期的に成長させるためには、単に制作費を削減する効率化のためのAIでは不十分と考えて技術開発を継続しています。作品がどのように制作され、どの地域で読まれ、どのキャラクターが支持され、どのような二次創作や商品化につながり、収益が誰にどのように還元されたのか。これらを作品単位、キャラクター単位、読者単位で把握し、継続的に改善できる仕組み「育てるAI」が必要になります。今回の『YOUKAI』専用プラットフォームでは、漫画を「完成後に販売する静的な商品」としてではなく、連載を継続しながら読者との接点や権利情報、翻訳、ファン活動を蓄積し、読者体験をアップデートしながら成長するIPとして開発しています。
AICUが目指すAIDXは、AIを出版工程の一部に導入することではありません。
「つくる人をつくる」をビジョンに掲げるAICUは、デジタル配信だけでなく、ペーパーバックの出版や、渋谷ヒカリエでの「アイキュー書店」の運営にも取り組んでいます。出版文化と読者体験を維持しながら、持続可能な出版事業を開発するために、制作、編集、配信、翻訳、権利処理、コミュニティ、収益化をデータで接続し、IPのライフサイクルそのものを再設計しています。
194ページの連載漫画を、次世代出版基盤の実証フィールドに
『YOUKAI』は、AIグラスやAIアシスタントが日常に溶け込んだ近未来の学園「大智学園」を舞台とする学園AIホラー漫画です。
主人公は、周囲から存在を認識されにくい少年・黒渕見介、通称クロブチです。
クロブチには、普通の人には見えない「YOUKAI」と呼ばれる存在が見えます。
作品内では、生成AIのハルシネーション、ディープフェイク、エコーチェンバー、光学迷彩など、現代社会が直面している技術的・社会的課題が、妖怪という物語表現に置き換えられています。現在、専用プラットフォームでは、本編17話と番外編2編の計19編、通算194ページを公開しています。物語は「導入編」から始まり、「スイロン編」「ハルシネーション編」「ディープフェイク編」、YOUKAI「ホコタテ」をめぐる長編を経て、現在の「大AI運動会編」へと続きます。
AICUはこの連載作品を、AI時代の制作手法を検証するだけでなく、次世代の出版流通、読者体験、IP管理、海外展開を検証するための実証フィールドとして活用しています。

紙、電子書籍、Webtoonを横断する読書体験
今回公開したWeb漫画リーダーは、既存の画像ファイルを順番に表示するだけのビューアーではありません。パソコンなどの横長画面では、紙の漫画が持つ見開きの構図を生かした2ページ表示を行います。スマートフォンでは、端末の向きや画面サイズに応じて単ページ表示に切り替わり、縦方向に読み進める閲覧方法にも対応します。次ページの先読みや、タップによるページ送りなどを実装することで、読者が待たされる時間を減らし、作品への没入を妨げない設計を目指しました。
これは、紙の漫画をそのまま電子化する方法と、縦スクロール作品として作り直す方法の中間に位置する試みです。出版社がすでに保有するページ漫画の資産を維持しながら、スマートフォン中心の海外読者にも届けられる可能性を検証しています。

読者行動を「販売数」以外の指標で捉える
『YOUKAI』のプラットフォームでは、どのエピソードまで読まれたか、ページ単位、コマ単位でどの場面で離脱したか、何度読み返されたか、どのキャラクターへの関心が高いかといった、より細かな行動を把握し、コメントやフィードバックを自然に得られる設計になっています。読者の進行状況は、作中に登場する予測AIの名称を用いた「亜ログ」に記録されます。読破したページ数などはランキングとして可視化され、読む行為そのものが作品世界の一部になります。また翻訳に違和感がある場合は読者から自然な形でフィードバックを得ることができます。将来的には、作品改善、続編企画、マーケティング、商品化、海外展開の判断材料として活用できるデータ基盤への発展を目指します。

作品データを構造化し、翻訳とIP管理を効率化
漫画の海外展開では、翻訳だけでなく、吹き出しの再配置、文字の組み直し、固有名詞の管理、キャラクター設定の共有など、多くの作業が必要になります。『YOUKAI』では、全話に含まれる653件のセリフについて、日本語、英語、中国語をはじめとする各国語のデータ整備を進めています。リーダー上では、翻訳したセリフを原作画像に重ねて表示する多言語オーバーレイ機能の実験を行っています。言語ごとに画像データを新しく制作する方法と比較して、原画を共通資産として利用しながら、多言語版を柔軟に追加できる設計です。また、国際翻訳やアニメ化・ドラマ化・映画化など、作品管理に必要なキャラクター辞典も、AI出版技術を利用して構築しています。登場人物の名前、学年、性格、関係性、初出エピソードなどを構造化し、制作チーム内で共有できるようになっています。従来の制作内部ツールとして使用されていたアルゴリズムを読者向けに公開するにあたり、未読エピソードの情報を表示せず、ネタバレを防ぐための公開範囲管理も実装されています。現在、急速に進んでいる漫画制作スタジオのAIサポート技術を、作品を愛する読者にとっても快適な形でお届けする技術を磨き続けています。

AI二次創作は「禁止か放置か」から、「許諾と還元の仕組み」へ
生成AIの普及により、読者は好きなキャラクターを使った画像や物語を、短時間で生成できるようになりました。一方で、出版社や作家にとっては、キャラクターの無断利用、ブランド毀損、学習データへの利用、商用利用、権利者の収益機会の損失など「AI海賊版」として多くの課題が残されています。現状では、AI二次創作を全面的に禁止するか、明確なルールがないまま事実上放置するかという、二つの選択肢になりがちです。
AICUは長年の研究及び作品『YOUKAI』において、キャラクターごとに利用条件を定め、許諾された生成環境から二次創作を行い、生成実績に応じて原作者や権利者へ報酬を還元する仕組みの開発を進めています。

目指しているのは、ファンとの共創。
ファンが安心して公式キャラクターを利用でき、さらに作家や出版社にも価値が戻る、持続可能な二次創作市場を世界につくることです。出版社にとっては、従来の出版、映像化、商品化、ゲーム化に加え、「許諾されたAI生成」という新しいIP利用市場が生まれる可能性があります。
AICUが保有する国内特許第7814797号および、米国、欧州、中国を含む国際出願中の技術を活用し、参照画像を利用したAI生成、ライセンス情報、生成履歴、収益分配を接続します。
https://cert.aicu.ai/gc-royalty
出版IPを、発売後も成長する事業資産へ
AICUは、『YOUKAI』での実証を通じて、次の機能を一つのIP基盤へ統合することを目指しています。
・AIを活用した漫画制作と制作工程管理
・紙、電子書籍、Webに対応する配信
・読了率や継続率を含む読者行動分析
・セリフや設定情報の構造化
・世界の多様な言語への多言語展開
・キャラクター辞典とネタバレ管理
・ファンコミュニティとの接続
・AI二次創作の利用許諾
・生成履歴の記録と権利者への収益分配
これらは、一つひとつが独立した便利機能ではありません。
作品を起点として、読者、クリエイター、編集者、翻訳者、ライセンシー、広告主、商品化事業者をつなぐ、出版IPのデジタル基盤を構成します。
出版社・IPホルダーとの共同実証を募集
AICUは、『YOUKAI』を自社作品だけで完結する閉じたサービスにはしません。
出版社、漫画編集部、IPホルダー、海外展開事業者、電子書店、ゲーム開発やクリエイタープラットフォームなどとの共同実証を進め、既存作品や休眠IPにも適用可能な基盤へ発展させます。
既存漫画作品の多言語Web展開、キャラクター設定やセリフデータの構造化、読者行動を活用した作品マーケティング、公式AI二次創作サービス、権利者への利用料分配、海外ファンコミュニティとの接続、絶版作品や休眠IPの再活性化などです。
作品のデジタル化だけでなく、IPの運用モデルや収益構造そのものを変革したい出版社、事業会社、投資部門との連携を歓迎します。AICUは、自社によるコンテンツ制作と技術開発を両輪にすることで、企画書や概念実証にとどまらず、短期間・小規模なチームでの実際の連載作品と読者を使った検証を継続します。
『YOUKAI』の世界を、ゲームやAIサービスへ
AICUは、出版基盤の実証と並行して、『YOUKAI』そのもののメディア展開も進めていきます。
AIグラスが普及した近未来の学園、AI技術の影から生まれる妖怪たち、作品内AI「スイロン」や「亜ログ」など、本作にはゲーム、インタラクティブコンテンツ、AIサービス、映像、教育コンテンツへ展開できる世界観と設定があります。ゲーム開発会社、AIサービス事業者、映像制作会社、教育事業者など、『YOUKAI』のキャラクターや物語を新しい体験へ発展させる企業との共同開発を歓迎します。
作画・キャラクター原案 殻尾 コメント
「AI」と聞くと何かと便利さや危険性が語られがちですが、本当に怖いのはAIそのものではなく、そこに映り込む人間の弱さのほうだと思っています。ハルシネーションやディープフェイク等のAI由来の現象、YOUKAIでは、その"影の側面"を『妖怪』という日本の物語の器に落とし込んでみました。しかもそれを画像生成AIで描くというのは、AIが生んだ怪異をAIの手で絵にするような、少し不思議な挑戦です。見開きの迫力ごと、クロブチの視ている世界を覗いてもらえたら嬉しいです。
殻尾 X:@KARA_Beee
原作・監修 しらいはかせ コメント
『YOUKAI』は、AIと一緒に育っていく現在のローティーン世代への「わかりやすくて愛されるAI科学コミュニケーション作品」を目指して作っています。ハルシネーションもディープフェイクも、最先端の脳科学やHCI技術も、遠い技術用語ではなく、彼らの教室のなかにいる。若い世代にはそれぞれの"頑張り"があって、その小さな社会に技術や怪しさが溶け込んでいる。それを"YOUKAI"という日本に八百万は存在するという物語の器に入れることで、笑いとばしながら、想像力/創造力と共に、"見えない存在"を自分ごととして考えてもらえるといいなと思っています。今回のAI漫画リーダーは、作中の「スイロン」が作ってくれました。作品を届けるだけでなく、"どう読まれたか"、"どう愛されるか"まで作品の一部にしよう!! という生きた実験でもあります。今後もどんどん成長していきますので、まずは第1話を開いて、クロブチと一緒に、見えないはずのナニカを味わってみてください。
しらいはかせ X:@o_ob
公開概要
名称:『YOUKAI』Web漫画プラットフォーム
公開日:2026年7月22日
公開URL: https://aicu.ai/manga/youkai
短縮URL:https://j.aicu.ai/Youkai
公開内容:本編17話、番外編2編、計19編、通算194ページ
利用方法:各話の冒頭部分は登録なしで閲覧可能です。AICUアカウントに無料登録、ログインすることで、2026年8月31日までの感謝祭期間中は全編を無料で閲覧できます。
原作・監修:しらいはかせ(@o_ob)
作画・キャラクター原案:殻尾(@KARA_Beee)
ジャンル:学園AIホラー
主な読者:AIネイティブ世代、漫画・テクノロジー愛好者
「YOUKAI × Anifusion AI漫画フェスティバル」開催中
AICU Japanは、AI漫画制作ツール「Anifusion」と『YOUKAI』によるコラボレーション企画「YOUKAI × Anifusion AI漫画フェスティバル」を、2026年7月26日23時59分まで開催しています。
募集部門は、Anifusionの魅力を漫画で伝える「Anifusion解説漫画部門」、『YOUKAI』の作品世界に登場するオリジナル妖怪を提案する「読者YOUKAI募集部門」、最大16ページの作品を募集する「読切短編部門」の3部門です。
大賞受賞者には、賞金3万円、AICUマガジンへの作品掲載、連載オファーを予定しています。参加者全員に1,000 AICUポイントを進呈します。
コンテスト詳細:https://c.aicu.jp/2607

AICUについて
AICUは、「つくる人をつくる(Creating people who create)」をビジョンに掲げ、生成AI時代のクリエイティブ、教育、出版、IP事業を推進する企業です。AIとクリエイターが共創する作品制作、Webサービス開発、多言語展開、AIライセンス、権利者への収益還元などを一貫して手がけています。
『YOUKAI』では、自社によるコンテンツ制作と技術開発を組み合わせ、AI時代における出版IPの新しい制作・流通・収益モデルを検証しています。
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AICU Japan株式会社 YOUKAI 広報・事業提携窓口 youkai@aicu.jp
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