LiDAR搭載屋内用球体ドローンELIOS 3用放射線検知・計測アタッチメント「ELIOS ３ RADペイロード」を9月1日より販売開始

～原子力施設の通常時・緊急時の点検に即応。リアルタイム３Ｄで放射線量と漏洩位置を把握～

ブルーイノベーション株式会社

2023年6月26日 11時00分

ブルーイノベーション株式会社（本社：東京都文京区、代表取締役社長：熊田貴之、以下ブルーイノベーション）は、飛行経路中の放射線の検知・計測ならびに漏洩位置の特定ができるLiDAR搭載屋内用球体ドローンElios 3用アタッチメント「ELIOS ３ RADペイロード」の販売を9月1日より開始します。

ELIOS ３ RADペイロードの放射能センサー（左）と取付後のELIOS ３（右）

飛行中のリアルタイム線量確認画面（左）と、飛行後に３D生成される線量および位置情報

ELIOS 3 RAD ペイロードの特長とメリット

「ELIOS 3 RADペイロード」は放射線センサーと専用アプリで構成されており、ELIOS ３に標準装備されているペイロードに取り付けるだけで、リアルタイムかつ遠隔での正確な放射線検知・計測ができます。これにより、速やかな補修計画の策定による施設の早期復旧と対策実行、点検員の負担軽減と安全確保を可能にします。

【点検員の安全確保】

極小空間を含め施設の空中を自在に移動できるため、管理区域外や保全区域外などから操作し安全に放射線を検知・計測できます。

【リアルタイムかつ正確な状況把握】

飛行経路を3D点群マップで可視化し、放射線の漏洩位置と線量を全体および任意ポイント毎に正確に把握できる上、撮影動画や実画像と組み合わせることで現場の状態をリアルタイムに把握できます。

【通常の施設点検も可能】

放射線に関わる点検や緊急時対応以外には、「E3 RADペイロード」を使用せず通常の施設点検や３D測量などのデータ収集・作成が可能です。

開発の背景と今後について

原子力発電所では、施設の通常点検時や、万が一の緊急時に放射線漏洩の確認や、漏洩が疑われる際にはその位置を把握し、線量を正確に計測する必要があります。従来は、点検員が放射線検出器を手に現場に立ち入り計測するため、被ばくが避けられず安全性に課題がありました。

また、事故などの緊急時には点検員も施設内に入れないため、自走式ロボットによる放射線の検知・計測が試みられますが、自走式ロボットでは縦方向の移動ができない上に、施設内部が瓦解している場合は移動が制限され、点検できる範囲に限界があるという課題があります。

ブルーイノベーションはこれまで、電力やプラントなど多くの施設でELIOSシリーズ導入による柔軟な点検体制の構築、危険作業や膨大なコストへの対応、労働力不足などの課題を解決してきました。

今回、飛行しながら３Ｄでリアルタイムに放射線計測できるELIOS ３ RADペイロードのリリースにより、原子力施設においても点検プロセスの効率化やDX化、緊急時点検に即応する点検体制の構築、点検員の安全確保に貢献していきます。

北米で実施されたELIOS ３ RADペイロードの飛行テスト映像
https://youtu.be/2yyGfUwR6qU

LiDAR搭載屋内用球体ドローン「ELIOS 3」について

ELIOS 3は、 Flyability 社（スイス）が開発した非GNSS環境下の屋内空間などの飛行特性に優れた屋内用ドローンELIOSシリーズの最新機種です。ブルーイノベーションは2018年に日本おける独占販売契約を Flyability社と締結し、ELIOS シリーズを使用した点検ソリューションの提供を提供。プラントや発電所、下水道などを中心に150ヶ所を超える屋内施設でのドローン点検の導入実績を有しています。

ELIOS ３は、屋内3Dマッピング用LiDARセンサーと飛行空間をリアルタイムに3Dモデル化するSLAMエンジン「FlyAware」を搭載しており、点検対象箇所・施設の多角的かつ高精度なデータ取得と、空間情報の3D化によるドローン周辺環境の容易な把握、それによるドローン操作の簡易化と高い安定飛行性を実現しています。

さらに、取得データは専用解析ソフト「Inspector 4.0」を通して高解像度な3Dレポートとして出力され、施設の破損や異常箇所の位置を3Dマップ上で正確に把握・共有できます。

また、各ユーザーの特定のニーズに応じたカスタマイズができるようペイロードにも工夫がされており、今後、点検対象施設のフェーズや課題に合わせたアタッチメントのリリースが予定されています。

【詳細はこちらをご覧ください＞https://www.blue-i.co.jp/elios3/】