外観検査AI向けデータ生成基盤『Anomaly Generator』をリリース

〜生成AIを活用した製品データ生成により、数枚の画像からでも外観検査AIの構築を可能に〜

株式会社データグリッド

2023年5月16日 14時30分

株式会社データグリッド（本社:京都大学吉田キャンパス構内、代表取締役CEO:岡田侑貴、以下「データグリッド」）は、製造業の外観検査AIに学習させる不良画像を生成AIで自在に生成できる『Anomaly Generator』を2023年5月16日より提供します。

URL：https://anomaly-generator.site/

　これまでデータグリッドは多くの製造業様から、外観検査AIの学習に必要な量のデータを確保できずに困っているとお問合せをいただいております。

　そこで、数枚の実在する不良画像をもとに、生成AIで高品質な不良画像を大量かつ多様なバリエーションで生成することができる『Anomaly Generator』を開発しました。『Anomaly Generator』には当社のコア技術である生成AIが搭載されております。生成AIによる不良画像の生成技術はデータグリッドが特許取得済みの独自技術です。

　データグリッドは、この『Anomaly Generator』によって、学習データ不足を解決し、高精度な外観検査AIの実装をサポートします。

■開発の背景

　昨今、国内の生産年齢人口の減少によって製造業における外観検査人員の不足が進んでいます。そのような背景から、製造業における外観検査AIの導入検討が活発化していますが、高精度な外観検査AIには大量の学習データが必要です。しかし、多くの製造業では、不良品の発生頻度が低く、AIの学習に十分なデータ量を収集できないことに悩みを抱えています。また、解決策として人為的に不良品を作成することも考えられますが、良品に一つずつ傷をつける必要があり、大変な手間が掛かることから現実的ではありません。

■『Anomaly Generator』の特長

『Anomaly Generator』は、生成AIを用いた高品質かつ多様な不良画像の生成が可能であり、大きく以下3つの特長があります。

1. 実物と遜色ないリアルな画像品質

2. 欲しい不良画像を簡単・自由に生成

3. 検知性能の向上に寄与する不良画像を生成

1. 実物と遜色ないリアルな画像品質

　不良部を切り張りしたような不自然さが無い、リアルな不良画像を生成可能です。これまでいくつかの製造業様とPoCで不良画像を生成しましたが、実際に不良として発生しうるほど見た目がそっくりの品質であるとコメントをいただいています。

2. 欲しい不良画像を簡単・自由に生成

　不良部の大きさや、形状、角度、位置、輝度を自由に操作して不良画像を生成可能です。AIの知識が無くても簡単に扱えるユーザーインターフェースとなっています。

3. 検知性能の向上に寄与する不良画像を生成

　Anomaly Generatorで生成した不良画像（以下、「合成画像」）を学習した外観検査AIは精度が向上することを確認しています。実際に、実在画像のみを学習した外観検査AIと、合成画像を学習した外観検査AIの精度を比較した結果、誤検知率を約60%下げることができました。同様の結果は、数社の大手製造業とのPoCでも確認しております。