“匠の技”を、誰でも、簡単に。感触伝送製品URHに自動化向け新オプションを3つ発表
〜遠隔操作から生産ラインの自動化まで、リアルハプティクス®の社会実装を加速〜
リアルハプティクス®(力触覚技術)の社会実装を推進するモーションリブ株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役:溝口貴弘、以下「当社」)は、現在販売中の力触覚を伝送する遠隔操作システム「URH」の価値を飛躍的に高める3つの新オプション製品を開発し、2025年7月より順次提供開始することを発表します。
今回発表するオプションは、①プログラミング知識がなくても力触覚動作を組めるソフトウェアプラグイン「URH-Connect for URCap」、②操作用リーダーロボットなしで直感的に動作を教えられる「リーダーレスオプション」、③力触覚の動きを映像のように簡単に編集できる「動作エディタ」の3製品です。
これにより、これまで熟練者の感覚に頼らざるを得なかった力加減の難しい作業の自動化を促進し、製造現場の人手不足解消や生産性向上に大きく貢献します。
■開発の背景:自動化の壁を超える「力触覚」の必要性
近年、製造業や物流をはじめとする多くの現場で、人手不足を背景とした自動化へのニーズが高まっています。しかし、従来のロボットは「位置と速度」を正確に繰り返すことは得意である一方で、「力加減」をコントロールすることは困難でした。そのため、不定形なモノを優しく掴む、バリ取りや研磨で絶妙な力で磨く、といった“匠の技”が求められる工程は、依然として人手に頼らざるを得ないのが現状でした。
当社は、力の感覚を双方向に伝えあうリアルハプティクス技術をコアとし、協働ロボット「URシリーズ」と連携する「URH」を提供することで、この課題解決に取り組んでまいりました。そしてこの度、お客様から寄せられた「遠隔操作だけでなく、自動化ラインへもっと手軽に組み込みたい」という声にお応えすべく、URHの能力を最大限に引き出し、導入ハードルを劇的に下げる3つの強力なオプション製品を開発いたしました。
■3つの新オプション製品概要
今回発表するオプションは、お客様の用途や環境に応じて柔軟に組み合わせることで、力触覚技術の活用シーンを“遠隔操作”から“自律的な自動化”へと大きく広げます。
1. ソフトウェアプラグイン「URH-Connect for URCap」
~いつものロボット操作に“力触覚”をプラスワン~
Universal Robots社のロボット開発プラットフォーム「URCap」に対応したソフトウェアプラグインです。これにより、URロボットのティーチングペンダント上で、パズルを組み立てるような直感的なビジュアルプログラミングに、「力を感じて動く」という要素を簡単に追加できます。
<価値・ユースケース>
導入の加速: ロボットシステムインテグレータ(SIer)が使い慣れた環境で、既存のプログラム資産を活かしながら力触覚技術を組み込めます。「部品を掴む(通常のプログラム)」→「表面を優しくこする(力触覚プログラム)」→「箱に置く(通常のプログラム)」といった一連の作業をシームレスに実現します。
開発期間の短縮: 複雑なコーディングは不要です。トライ&エラーを迅速に繰り返し、現場に即した自動化ラインを短期間で構築できます。
参考写真:

2. リーダーレスオプション
~ロボットに直接触れて、“匠の技”を覚えさせる~
URロボット1台で動作の記録と自動実行ができるようになるオプションです。ロボットに直接触れて動作を教えることで力触覚も含めて記録でき、やさしく接触する、相手の形状に合わせる、等の動作を簡単に作ることができます。言語化の難しい”匠の技”も動作としてデータ化することでロボットに覚えさせることが可能です。
<価値・ユースケース>
感触を含む動作を覚える:従来のティーチングやモーションキャプチャでは難しかった接触時の力触覚を動作として教えることができます。記録時の力加減を再現するため、倣い動作や押し付け、押し当てなど接触を伴った作業をロボットに覚えさせることができます。
直感的な操作感: 実際の作業対象物をすぐそばで見ながら、自分の手の感覚で力加減を教え込めるため、バリ取りや研磨、不定形物のハンドリングなど、繊細な力が求められる作業のティーチングに最適です。
参考写真:

3. 動作エディタ
~ロボットの動きを、動画編集のように直感的・自由自在に~
ロボットを動かしたい意欲はあっても、記録された動作データを眺めて実際の動きを予想することは経験者でなければ難しいのが現状でした。簡単に動作を編集できるよう、データを作業の映像と連動し、映像を切り貼りすることで動作が自動的に生成されるツールを開発しました。
<価値・ユースケース>
匠の技のデジタル化と再利用: 熟練者の絶妙な手つきと力加減を「お手本動画」ならぬ「お手本動作データ」として保存できます。保存したデータは動作エディタの機能を使って、不要な動作を削除して効率化することや、一部を他の記録データと置き換えて上手い動作のみの組み合わせで動作を作成することなどができます。記録データは他の現場やロボットに対しても適用することが可能です。これにより、貴重なスキルの属人化を防ぎ、横展開を容易にします。
試行錯誤の効率化: 一から動作を教え直す必要はありません。「もう少し強く」「ここだけ速く」といった調整を、プログラミング知識ゼロで直感的に行えるため、現場での改善サイクルを高速化します。

■今後の展望:専門家でなくても、誰もがロボットを操れる時代に
これら3つの新オプションは、それぞれが強力なツールであると同時に、組み合わせることで相乗効果を発揮します。例えば、「リーダーレスオプションで熟練者の技を直感的に教え込み(記録)」、「動作エディタでその技をさらに洗練させ(編集)」、「URCapプラグインで生産ラインの自動工程に組み込む(実行)」という、一気通貫したソリューションが実現します。
当社は、今回の新オプション提供を通じて、これまで一部のロボットエンジニアの専門領域であったロボットの制御やティーチングを、あらゆる現場で誰もが直感的に扱える「当たり前のツール」へと進化させてまいります。これにより、これまで自動化が困難とされてきた様々な工程の自動化を可能にし、日本のものづくりをはじめとする産業全体の競争力強化に貢献してまいります。
■製品情報
製品に関する詳しい情報は、リニューアルした以下のウェブサイトをご覧ください。
https://www.motionlib.com/product/urh/
製品名:
・URH-Connect for URCap
・URH リーダーレスオプション
・URH 動作エディタ
提供開始時期: 2025年7月より、ご希望の顧客に対して順次提供開始予定
対象製品: モーションリブ株式会社製「URHシリーズ」
モーションリブについて 企業URL:https://www.motionlib.com/
モーションリブは、やさしいチカラ※で機械が人々を支援する豊かな社会の実現に向けて、世界中の機械にリアルハプティクスを搭載していきます。いつでもどこでも必要なときに、実世界の物理的接触を伴うあらゆる作業を、機械が人手に代わって実施あるいは支援することで、人々がゆとりある上質な生活を持続的に送ることができる豊かな社会の実現を目指します。
※機械が感触を感じて力加減できる感触制御技術「リアルハプティクス®」がコアテクノロジーです。
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本件に関するお問い合わせ
モーションリブ株式会社 広報担当
E-mail:contact@motionlib.com
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