10代のためのクリエーションの学び舎「GAKU」、カリモク家具協力によるプロダクトデザインのクラス「ものがたりとものづくり」の作品展示会を開催
2023年7月26日(水)~8月3日(木)「Karimoku Commons Tokyo」にて開催、講師は「エル・デコ」ヤング・ジャパニーズ・デザイン・タレント賞受賞のデザイナー、岩元航大氏
「GAKU」(ディレクター:山縣良和/writtenafterwards)が主宰し、岩元航大氏を講師に迎えた、10代向け・少人数制のプロダクトデザインのクラス「ものがたりとものづくり」。7名の生徒全員のアイデアが、カリモク家具によって実物大のプロトタイプとしての実制作が叶いました。今回の展示では、それらの作品が「Karimoku Commons Tokyo」に一同に会する他、生徒が、人と木の関係を学びつつ自身の暮らしや興味関心を探究し、プロダクトデザインに落とし込んでいった一連のプロセスもご紹介致します。10代のクリエーションとともに、クリエーションと教育の新たな重なり方を探究するGAKUの取り組みとして、ぜひご注目いただけますと幸いです。
開催概要 日時:2023年7月26日(水)~8月3日(木)12:00〜18:00 会場:Karimoku Commons Tokyo(東京都港区西麻布2丁目22-5) 料金: 入場無料 |
クラスについて
素材に込められたものがたりを、ものづくりを通して紡いでいく。
サステナビリティに関する課題が逼迫している今日。作りたいものが先にあり、そこに素材を当て込んでいく手法を少し横においておいて、今ある素材に宿る物語に触れ、プロダクトとして形づくっていく、そんなこれからの時代のものづくりのあり方を考えていきます。
今回着目するのは「木」。長い間街路樹として親しまれていた木、その木ならではの個性が強いゆえに用材へ使われる機会の少ない木。一般的なプロダクトにはなりづらくとも、まさにものがたりを宿している木が数多く存在しています。カリモク家具は家具会社でありながら、製品を作るという目的を超えて様々な種類の木材を収集し、そこにあるものがたりの一つ一つも含め、保管する活動を続けています。今回の授業では、そんなカリモク家具が保管する木材のものがたりを題材にプロダクトをイメージし、実際に工房で手を動かして試作し、手と頭で試行錯誤しながら、プロダクトデザインを行います。
ものがたりとものづくり
実施期間:2022年12月11日〜2023年4月30日
会場:GAKU(東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO 9階)/スタジオ発光体(東京都八王子市元横山町 2丁目7−17)/カリモク家具 東浦カリモク本社工場及び知多カリモク
対象:10代
主宰:GAKU
講師:岩元航大(プロダクトデザイナー)
協力:カリモク家具株式会社
作品例
「ハニーディッパー」
樹液を採取された後に残る漆の木。伐採後1~2年間山中に置くと材として使えるようになりますが、漆掻き職人や土地所有者による薪としての利用にとどまっていました。カリモク家具では思いに共感いただいた漆生産組合から原木を購入し現地で製材。その木材を「ハニーディッパー」に加工することで、利用されるたびに再び潤いを取り戻していきます。
「ホイッスル」
地域で大切にされていた、北海道厚真町の栗の木。2018年に胆振東部地震の起きた地域の材であることから、災害時にも役立つことができるホイッスルとして活用していきます。(実際にプロトタイプ段階から笛として音が出る状態ですが、実用性に耐えうる音量にするために試行錯誤が続いています。)
「貯金箱」
今回用いるのは、東京都西部の山で森の若返りのために伐採されたオーク。オークは、世界中の神話にも登場し、人々にインスピレーションを与えてきました。「木言葉」では、独立・不屈の精神といった意味があり、制作者である10代がこれからの自身の人生のあるべき姿と重ね合わせて制作しました。
「キャンプ用食器」
その大きさゆえ、加工できる機械や需要が少なく、利用が課題になっている杉の大径木。キャンプが好きな10代が、杉の殺菌力に着目し、プラスチック製品に代わるキャンプ用の食器として制作しました。
※展示会場では、全8点の作品が展示されます。
授業風景
【第1回】イントロダクション
岩元氏によるイントロダクション。プロダクトデザイナーの仕事を紐解きながら、全11回の授業の全体像を確認します。
【第2回】工場見学
愛知県にあるカリモク家具への工場見学。ものづくりの現場の迫力に圧倒されつつ、カリモク家具が保管している木材の「ものがたり」を学びます。
【第3〜6回】エスキス制作
何をつくりたいか。つくるべきか。それを考えていくために、エスキス(デザイン案の下書き)を制作。それぞれの興味関心、選んだ木材の「ものがたり」や特質を手がかりに岩元氏とアイデアを磨いていきます。
【第7〜10回】実作
岩元氏が主宰するデザインスタジオ「スタジオ発光体」での実作。エスキスをもとに実際に手を動かしながら、あるべきプロダクトの姿として形を与えていきます。
【第11回】発表
模型とエスキスをまとめたプレゼンボードを使って最終発表。カリモク家具の加藤洋氏(カリモク家具副社長/知多カリモク社長/東浦カリモク社長)にもお越しいただき、講評を頂きました。
講師プロフィール
岩元航大(プロダクトデザイナー)
鹿児島県生まれ。2009年神戸芸術工科大学プロダクトデザイン学科入学後、デザインプロジェクト「Design Soil」に在籍し、イタリアのミラノ・サローネやフィンランドのハビターレ等、海外の展示会に多数参加。2016年にスイスのEcole cantonale d’art de Lausanne(ECAL)のMaster in Product Designを卒業後、現在は東京を拠点に精力的に活動を行っている。2021年、東京・八王子市にクリエイター向けシェアオフィス兼シェア工房の”スタジオ発光体”を設立。
サテライト会場
GAKUでは、実際の「本物」の現場で体感したり創作活動に向かうことも大切にしています。プロダクトデザインのクラス「ものがたりとものづくり」では、木材を保管加工するカリモク家具の工場や、岩元広大氏によるデザイナーやアーティストのためのシェア工房に出向いてレクチャーを受けたり、プロトタイプ制作を進めてきました。
カリモク家具 総張工場、東浦カリモク本社工場及び知多カリモク
スタジオ発光体
プロフィール
カリモク家具株式会社
創業者である加藤正平が江戸時代から続く材木屋を引き継ぎ、愛知県刈谷市で小さな木工所を始めたことをきっかけに1940年に創業。様々な木製品を生産することで技術を磨き、1960年代に入ると、自社製の木製家具の生産と販売 を開始。高度な機械の技術と職人の技を融合させる「ハイテク&ハイタッチ」という製造コンセプトを掲げて木材生産分野における土台を作りあげ、国産家具メーカーへと成長を遂げる。
GAKU概要
名称 GAKU(ガク)
場所 渋谷 PARCO 9 階(東京都渋谷区宇田川町 15-1)
運営 LOGS inc.(ログズ株式会社 東京都中央区東日本橋2-26-8 MKKビル8階)
公式 HP https://gaku.school
問合せ先 info@gaku.school
10 代のためのクリエーションの学び舎「GAKU」 世界的なクリエイターを多く輩出するファッションデザインスクール「ここのがっこう」代表の山縣良和をディレクターに迎え、10代のためのクリエ イティブ教育の場として、音楽、建築、食、ファッション、デザイン、アートなど多種多様なクラスを展開いたします。講師となるのは、国内外で活躍するクリエイター達。未知なる存在と共に試行錯誤することにより、 自己の感性と思考に向き合い、豊かな精神を育むことを目指します。 |
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