華雪・宮原嵩広 二人展「xyz+」のお知らせ

このたび HARUKAITO by ISLAND では、華雪と宮原嵩広による二人展「xyz+」を5月9日(土)から6月7日(日)まで開催いたします。

アイランドジャパン株式会社

近代以降、芸術は国家統治や国威発揚の手段として重用されてきた歴史を持ち、 彫刻、書もまたその例外ではありませんでした。本展では、そのような歴史的経緯を単に否定するのではなく、それらを引き受けた上で、物質的な不変性や象徴性の高さといった彫刻や書の持つ表現様式の原点へと立ち返る試みを提示します。
長い修練を必要とする伝統的な技法「彫る・書く」、同様に「みること」もまた本来修練を必要とします。二人の試みは、これらの技法による空間・身体・時間の変容を可視化することで、表現の本質や所有のあり方を問い直し、造形と言葉の可能性を再構築しようとするものです。
幼年期より書を始めた華雪は、漢文学者・白川静の著作を通じて文字の成り立ちを探究し、緻密なリサーチに基づいた制作を続けています。本展では、混迷を極める世界情勢を受け、「口」と「鳥」という文字に向き合った新作を発表します。
華雪は、言語学者・田中克彦の「人間は生まれた瞬間から、身体と言葉という二つの座標軸の中に位置づけられ、その外に出ることはない」という言説(*1)を引用しつつ、一方で「漢字を一文字書くことは、言葉遊びの一つとも捉えられる」とも指摘し、言語構造の中に存在する余白と可能性を見出しています。これは、国内外で多様な層を対象に継続してきたワークショップの実践に裏打ちされた、ある種の確信といえるでしょう。「読みと意味を複数持つ日本語の漢字は、各々の解釈を促す。そこに唯一の正しさはなく、その『正しさの欠如』こそが遊びへと繋がる。ただ、その根底には常に『問い』が存在している」と語る華雪の書は、日本語という複雑な言語と歴史を紐解き、固定化された視点を解体することで、私たち自身や世界の多様な在り方を見つめ直す「遊び」を促すでしょう。
そして、宮原嵩広もまた、人類を「遊ぶ人」「考える人」「工作する人」と定義した歴史家ヨハン・ホイジンガの思想(*2)を引き、彫刻との共通点を見出しています。「彫刻の始まりは、人類が石に穴を開けて遊んだことにあると言われています。その後、工作する人(ホモ・ファーベル)が手にした棍棒は兵器へと転じました。これら3つの要素はすべて彫刻にも当てはまる」と語る宮原は、特殊メイクの技法を習得後、東京藝術大学で近代彫刻やもの派、ミニマルアートを学びました。そして物質の純粋性と向き合う一方で「情報やアクションをメディウムとして扱えば彫刻はどう変容するか」という問いを追求し、これまでもシリコンオイルやマットブラック塗料を用い、視覚の不確かさを突く作品を多く発表しています。
本展で宮原は、人間から半導体まであらゆる物質に内在し、物質と物質を結ぶ「ケイ素」に着目したインスタレーションで、有機と無機、人間と機械、自己と他者といった近代的な境界線を揺さぶります。その工程において「ケイ素的クィア」を提唱し、彫刻的視点から既存の人間観を解体し、技術進化の中で書き換えられる存在としての再定義を試みます。また、彫刻家でパフォーマーの大塚珠生を招き、ゴーグル越しに映像を見せながら彫刻家の身体動作を再現させるパフォーマティヴ・インスタレーションを、本展にて初めて試みます。AIやテクノロジーの進化により、現実世界がデジタルに包含され”ログアウト”が困難となった現代において、私たちの認知や社会構造はどのように変化しているのか、私たちの思考や行動を規定する空間を私たちはどこまで認知できているのかを探究します。古代、現代、そして未来の時間軸と空間を横断する両者の作品を、ぜひご高覧ください。
(*1)『ことばと国家』田中克彦(岩波新書)
(*2)『ホモ・ルーデンス』ヨハン・ホイジンガ(中公文庫)

Text:Toko Suzuki

【企画概要】
展覧会タイトル:xyz+
作家名:華雪、宮原嵩広
会期:2026.5.9 sat. – 6.7 sun.
Open:13:00-19:00 Thu-Sun
  Opening Reception: 5.9 sat.18:00-20:00

企画: island JAPAN
www.islandjapan.com
info@islandjapan.com

〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-12-9 BLOCK HOUSE 2F
6-12-9-2F BLOCK HOUSE Jingumae Shibuya-ku, Tokyo 150-0001 JAPAN
www.blockhouse.jp

HARUKAITO

Photo by KABO

華雪 Kasetsu

1975年京都府生まれ。東京都在住。立命館大学文学部哲学科心理学専攻卒業。 一字書を中心とした個展を92年より開始。書を習い始めた幼少時、東アジアの文字文化研究者・白川静が手がけた漢和辞典に出会い、漢字の起源、成り立ちに興味を持つ。また、抽象表現主義との相互作用によって形成され、第二次世界大戦後の日本で勃興した前衛書に大きな影響を受ける。 約3300年前につくられたとされる漢字の原形である象形文字の考察を深める中で、華雪は時代を超えた人間の本質を見つめ、人間社会を形づくる大きな要素の一つである言葉のあり方を問う作品を発表し続けている。それらの作品は、テーマにそった多様な素材で表現され、様々な形・方法での展示も含め、書とアートの融合を試みるものでもある。また制作と並行し、様々な社会環境、そしてそこに生きる人たちと一文字の漢字を書くワークショップを継続的に行っている。ワークショップでは、参加者が字を書く行為、その漢字にまつわるそれぞれの思いを聴くことで、人間が言葉を書くことの意味、その行為が人間に及ぼす何かを参加者と共有しうる場となるよう努めている。グローバル化が進み、テクノロジーが発展することで、多様性が可視化すると同時に反発も不確定性も増す現代社会において、華雪は字を書くという表現によって揺れ動き続ける言葉と人間との関係を模索し、人びとに問いかけている。 Instagram:https://www.instagram.com/kasetsu_sho/

宮原 嵩広 Takahiro Miyahara

1982年埼玉県生まれ。東京都在住。 幼少の頃より映画や芸能における映像や視覚効果に興味があり特殊メイクの技法を習得。その後、東京藝術大学彫刻科にて近代彫刻をベースにもの派やミニマルアートを学び、同大学大学院で修士号を取得、同年のニューヨーク・アーモリーショーでアーティストとしてデビューしました。2016年にカリフォルニア大学GTU神学専攻で研究員を務め、主にキリスト教プロテスタントにおける聖書を学びながら、形而上学やネイティブアメリカンの信仰、アースワークなどについてリサーチを行いました。帰国後は、現在の日本に残る民間伝承や神話をベースに素材を思弁的に捉えナチュラル素材とケミカル素材を合わせて用い、シンクレティックに合成した彫刻インスタレーション作品を発表しています。そこには自身の育った環境としてクィアを考える機会が身近にあったことも影響しているのかもしれません。神、精霊、人、動物、モノ全ての存在をオブジェクトとしてフラットにつなぎとめ、実在を問う兆候的な彫刻を制作。ケイ素的クィアを提唱し、近年ではグループショーなどの企画も手がけている。現在シグネチャー作品のアスファルトの球体群「missing matter」が山梨県北杜市にあるGASBON METABOLISMで展示されています。  IG:https://www.instagram.com/takahiromiyahara/

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ビジネスカテゴリ
アート・カルチャー
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

アイランドジャパン株式会社

3フォロワー

RSS
URL
http://islandjapan.com
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区神宮前6-12-9 BLOCK HOUSE 2F
電話番号
03-6874-3273
代表者名
小野寺悠
上場
未上場
資本金
538万円
設立
2010年10月