松尾研究所、JPiXと経営者の思考プロセスを再現する投資検討支援AIを共同開発

ー経営者の発言を学習し、GPT5との比較で有効性を確認したモデルを提供開始ー

株式会社松尾研究所

株式会社松尾研究所(所在地:東京都文京区、代表取締役:川上登福、以下「松尾研究所」)は、株式会社日本共創プラットフォーム(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:松本 順、以下「JPiX」)と共同で、JPiXの投資検討業務を支援する独自AIモデル「投資検討支援AI(仮称)」を開発しました。

本モデルは、JPiXにおける実際の投資検討資料や議論の記録に加え、同社代表取締役会長の冨山和彦(以下「冨山氏」)がこれまでの投資検討において示してきた着眼点や思考のアナロジーを学習したものです。

投資検討の初期段階において、確認すべき論点や検討の切り口を幅広く提示することで、多角的な検討を支援します。これにより、投資検討業務の高度化・効率化を図るとともに、限られた時間をより本質的な議論や意思決定に充てることを目指しています。

2026年4月に開発フェーズを完了し、現在はJPiX社内の実務において運用を進めています。 

 ◾️背景 

松尾研究所はこれまで、パナソニック ホールディングス株式会社との「松下幸之助」再現AI(2024年11月発表)医療法人社団健育会グループとの「理事長AI」(2026年7月発表)など、特定の人物の膨大な発言データからその人らしい思考や言葉を再現する人物再現AIの開発に取り組んできました。これらは、経営トップの理念や価値観を、対話を通じて組織に浸透させることを主な目的とした取り組みでした。本プロジェクトはそれらの取り組みを発展させ、投資検討にあたって論点を多面的に洗い出す際の着眼点をAIモデルとして学習し、担当者による論点の磨き込みを支援する目的で開発されたものです。

JPiXは、地域経済を担う中堅・中小企業への投資と事業経営を通じて、地方創生に取り組む投資・事業経営会社です。投資検討においては、案件に関する論点を初期段階で幅広く洗い出したうえで、重要度の高い論点を早期に深掘りし、検討の精度を高めていくことが重要です。

こうした投資検討の過程では、豊富な投資・経営経験を有する冨山氏の着眼点や知見も活かされてきました。一方で、こうした着眼点や論点の捉え方は個人の経験に基づく暗黙知であり、組織として共有・活用していくことが課題となっていました。

本プロジェクトでは、実際の投資検討資料や議論の記録などを活用し、投資検討における着眼点や論点の捉え方をAIモデルに学習させることで、担当者による論点の洗い出しや整理を支援する仕組みを構築しました。 

 ◾️本モデルでできること 

投資検討資料のレビューによる「壁打ち」支援

検討中の投資案件に関する資料をアップロードすると、過去の投資検討で蓄積された着眼点や論点の捉え方を踏まえ、追加で検討すべき論点を提示します。
 

担当者は、社内での議論に先立ちAIとの「壁打ち」を行うことで、自身では気づきにくい観点も含めて論点を幅広く洗い出し、投資検討を深めることができます。社内評価では、一般的な汎用AIモデルによるレビューとは異なる切り口からの指摘が得られるケースも確認されています。 

 ◾️技術的なポイント 

(1)実務の一次データから投資検討時の着眼点を学習
書籍や対談記事のような公開情報ではなく、実際の投資検討で用いられた資料や検討の記録という一次データを学習に用いました。公開情報は内容が抽象化されており個人の思考の特徴が薄まるため、対象業務を投資検討に絞り、その業務における発言データに限定したことが精度向上につながっています。

 (2)強化学習による「指摘の鋭さ」の向上 
モデルが生成した複数の指摘案に対して、「資料で言及されていない新しい観点を含むか」「ビジネスモデルや業界構造にまで踏み込んでいるか」などの基準で評価しました。さらに、実際の投資検討案件と、投資検討を担当するメンバーからのフィードバックを用いて追加学習を実施し、高く評価された指摘の傾向をモデルの出力に反映しています。既存の文書を検索して答える方式(RAG)や指示文の工夫(プロンプト設計)とは異なり、投資検討時の着眼点をモデル自体に学習させている点が本プロジェクトの技術的な特徴です。

(3)独自モデルと汎用モデルを組み合わせたマルチエージェント構成 
本モデル単体ではなく、複数の汎用AIモデルと組み合わせ、それぞれが出した論点の抜け漏れを相互に補完する構成を採用しました。汎用モデルが広く一般的な論点を押さえ、本モデルが冨山氏の視点に基づく独自の論点を加えることで、論点の網羅性と独自性を両立しています。

 ◾️評価結果 

JPiXの過去案件の担当者が、本モデルと汎用AIモデルの出力を「正確さ」「指摘事項の鋭さ」の2つの指標*で評価しました。その結果、指摘事項の鋭さにおいて本モデルが汎用モデルを上回り、正確さにおいても同等以上の評価となりました。評価者からは「汎用モデルより視野が広い」「指摘が最も厳しく、鋭さを感じる」といった声が寄せられています。

 *ハルシネーションの割合や論点や根拠の正確性を判断する5段階の基準を設定し、そちらを基に判断を実施

 ◾️今後の展開 

現在、JPiX社内の投資検討業務で試験運用を進めています。松尾研究所は、理念の継承から実務の判断支援へと発展してきた人物再現AIの開発知見をもとに、「実務データから個人の思考プロセスを学習する」手法を、経営判断や評価、意思決定などの支援を必要とする他の企業・組織にも展開していきます。 

◾️株式会社日本共創プラットフォーム(JPiX)について

 

株式会社日本共創プラットフォーム(JPiX)は、長期的視点での経営支援を伴った出資により事業の成長を支援する投資・事業経営会社です。投資ファンドと異なり、買収後の売却を前提とせず、10年先、20年先の事業の将来を創造することにコミットする組織です。国内の金融機関(政府系金融機関含む)、事業会社に出資頂いており、製造業・医療・交通・ホスピタリティ分野など、地域経済を担う企業へ出資し、その成長をサポートしています。

https://j-pix.com 

◾️株式会社松尾研究所について

 

株式会社松尾研究所は国立大学法人 東京大学大学院 工学系研究科 松尾・岩澤研究室に伴走し、大学を中心としたイノベーションを生み出す「エコシステム」を作り、大きく発展させることを目的に設立された研究所です。松尾研究所は、アカデミアから生み出される研究成果・技術の「開発・実装」を行い、広く社会に普及を目指し、日本の産業競争力の向上に貢献しています。

 http://matsuo-institute.com 

◾️共同研究・共同開発をご検討の皆さまへ

 

松尾研究所では、アカデミアの研究知見を基盤に、戦略設計から開発・実装、人材育成までを一気通貫でご支援しています。

 AIを活用した新規事業創出、既存事業の変革、生成AIの業務実装、AIプロダクトの共同開発などをご検討の企業様は、ぜひお問い合わせください。

▼お問い合わせはこちら

 https://matsuo-institute.com/contact/

<本リリースに関するお問い合わせ>

株式会社松尾研究所 広報担当 pr@matsuo-institute.com

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会社概要

株式会社松尾研究所

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URL
-
業種
情報通信
本社所在地
東京都文京区本郷6丁目25−14
電話番号
-
代表者名
川上登福
上場
未上場
資本金
-
設立
2020年02月