画像認識AI×LiDARで、ひび割れ検出から点検調書作成までを自動化 ―― インフラ点検支援ツール、日本の点検現場の課題に取り組む協業パートナー・βテスト協力企業を募集
これまで人の目と手で行ってきた「ひび割れの検出」から「損傷図・写真台帳づくり」までを、画像認識AIとLiDARで支援・自動化

3Dデータプラットフォーム「3Dasset.io」(https://3dasset.io/)を運営する株式会社IZUTSUYA(本社:東京都中央区新富、以下「IZUTSUYA」)は、画像認識AIとLiDAR(3Dスキャン)を組み合わせたインフラ点検支援ツール 「LiDAR Damage Detection」 のβテスト運用を開始しました。これまで点検技術者が目視と手作業で担ってきた ひび割れの検出から、損傷図(その5)・写真台帳といった点検調書の作成までを、一つの流れとして支援・自動化するサービスです。
本サービスを実際の点検現場で活用しながら共に磨き上げていただける協業パートナー、および先行導入いただけるβテスト協力企業・団体の募集を開始します。
本サービスはAIによる検出の精度をはじめ、これから現場と共に高めていくべき課題が数多く残っています。だからこそ私たちは、完成品を売ることを目的とせず、現場の声を一つひとつ聞きながらカスタマイズし、日本が抱える大きな課題であるインフラを支える点検現場が本当に必要とする形へ一緒に育てていくことを何より重視しています。橋梁点検・維持管理の最前線に立つみなさまと手を取り、老朽化するインフラという社会共通の課題に、これから共に取り組んでいけるパートナーを求めています。
背景 ―― 老朽化するインフラ、不足する技術者、そして「持ち帰りの書類仕事」
全国約73万橋の道路橋には、5年に1度の法定点検が義務付けられています。建設後50年を超える橋梁は今後加速度的に増えていきます。ところが、その老朽化と反比例するように日本の人口は減り続け、点検・維持管理を担う技術者や自治体の人手はますます細っていきます。守るべきインフラは増えるのに、守る側の手は足りなくなる――この構造的なギャップを放置すれば、必要な調査や補修が間に合わず、大きな事故につながりかねません。私たちはこの現実に強い危機感を持っています。
そして現場の方々を最も苦しめているのは、点検そのものではなく 帰社後の「調書作成」 です。損傷図の作図、写真台帳の整理、様式への転記――現場での作業時間を上回る事務作業が、点検業務全体のボトルネックになっています。加えて、高精度なスキャン機材や外注の計測サービスはコストが高く、小規模な自治体や中小の点検事業者には手が届きにくいのが実情です。
「持ち帰って手で作図する」という工程の負担をできるだけ減らす。LiDAR Damage Detection は、その課題に向き合うために開発を進めているサービスです。
なぜ当社が取り組むのか ―― 3D技術・デジタルツインの最前線から
IZUTSUYAは、LiDARによる点群データの取得・処理や3Dモデリング、そして現実の構造物をデジタル空間に再現する「デジタルツイン」といった、3D技術の最前線で研究開発を積み重ねてきました。無料オンラインPCDビューワーや、点群データからひび割れを自動検出する解析エンジン「PCDCrackDetection」も、その取り組みの中で生まれたものです。
インフラ点検の現場が抱える「検出」と「書類作成」の課題は、実は画像認識AIだけでは解けません。ひび割れの実寸計測や凹み・欠損の立体的な把握、構造物全体を3Dで捉えたうえでの損傷記録には、点群データを扱う技術とデジタルツインの発想が不可欠です。画像認識AIによる損傷検知を軸に、LiDARの点群データを掛け合わせて精度と情報量を高めていく――このアプローチは、3D技術を深く手がけてきた当社だからこそ描ける道筋だと考えています。
社会の土台であるインフラの維持管理に、これまで培ってきた3D・デジタルツインの知見を投じることで、点検のあり方そのものに革新を起こす。それが、当社がこの領域に本気で取り組む理由です。そして、その革新は現場の知見と組み合わさってはじめて実を結ぶと考えており、だからこそ協業パートナーとの共創を重視しています。
サービス概要 ―― 4ステップで、現場から調書まで一気通貫
LiDAR Damage Detection は、現場で撮影した写真をAIが解析してひび割れを自動検出し、国土交通省の点検要領に対応した損傷図(その5)・損傷写真台帳の自動作図までを、ブラウザ上で一気通貫に行えるサービスです。LiDARで取得した点群データを組み合わせれば、3Dでの確認や検知精度の向上にもつながります。
STEP 1|プロジェクトを作成 ― 物件名・路線名・管轄を登録し、撮影データ・検出結果・調書をすべて1つのプロジェクトに集約して管理します。

STEP 2|LiDAR点群を取り込み、全体を3Dで把握(任意) ― 取得した点群をブラウザ上の3Dビューワーでそのまま閲覧。ドラッグで回転・ホイールで拡大しながら、色分け表示でへこみや欠損を立体的に確認でき、最大凹み深さ・凹み領域も自動算出します。

STEP 3|損傷箇所を接写し、AIが自動検出 ― 接写写真をアップロードすると、AIがひび割れを自動検出。スケール校正を行えば長さ・幅を実寸(mm単位)で算出し、構造種別(RC/PC)に応じたしきい値で損傷度の判定まで自動化します。本サービスの中核機能です。

STEP 4|損傷図(その5)と写真台帳を出力 ― 写真を部材・パネル位置に割り当てると、様式に沿った損傷図(その5)と損傷写真台帳を自動作図し、PDFで出力。写真番号で図面と台帳が対応するため、照合作業も不要です。
特徴
現場写真から始められる、インストールゼロ。
特別な機材がなくても、まずは現場で撮影した写真があれば導入可能です。解析も3D閲覧も調書出力もすべてブラウザ上で完結し、PCへのソフトウェアインストールや環境構築は不要。オフィスでも現場でも、すぐに結果を確認できます。
技術者の判断を支援する設計。
AIの検出結果は最終判定ではなく、点検技術者が確認・修正することを前提とした支援情報として提示します。実寸計測・損傷度の目安といった定量データを揃えることで、技術者がより本質的な判断に集中できる環境をつくります。
協業パートナー・βテスト協力企業を募集します
LiDAR Damage Detection は現在βテスト運用中です。 私たちは今、机上ではなく実際の点検現場で使っていただき、そのフィードバックを開発に反映しながらサービスを磨き上げていくフェーズにあります。そのため、単に「使っていただく」だけでなく、現場の課題を共有し、日本の点検・維持管理のあり方を一緒に変えていける協業パートナーを広く募集します。
こんな方と一緒に取り組みたい
・橋梁点検を受託されている建設コンサルタント、点検事業者の方
・限られた予算の中で管理橋梁の点検を進めたい自治体・道路管理者の方
・竣工検査や維持管理の効率化を進めたい施工会社・測量会社の方
・インフラ維持管理のDXに、事業として本気で取り組みたい企業・団体
現場で「これが欲しかった」と言っていただけるプロダクトにするために、みなさまの声が必要です。「まずは話を聞いてみたい」「自社の現場で試せるか相談したい」といった段階でも大歓迎です。
お申し込み・お問い合わせ: info@izutsuya.io
サービスサイト: https://lidar-damage-detection.com/
今後の展望 ―― インフラ点検DXプラットフォームへ
私たちが本当に見据えているのは、一つのツールの普及ではなく、その先にある日本の課題です。インフラの老朽化は年々進み、それと反比例するように人口は減少し、点検・維持管理の担い手は減り続けています。このままでは、遠からず「必要な点検・調査に手が回らない」時代が現実になります。点検されないまま見過ごされた損傷は、いつか重大な事故として社会に跳ね返ってきます。橋やトンネルといった社会の土台を、次の世代へ安全に引き継げるのか――それは、私たちみなが直面している問いです。
この課題は、人手を増やすだけでは解決しません。限られた人数でも、より広く・より確実にインフラを見守り続けられる仕組みが必要です。だからこそ私たちは、画像認識AI・LiDAR・3D・デジタルツイン・ロボティクスといった新しい技術で、点検・維持管理の生産性を根本から引き上げ、「人が足りないから点検できない」という事態を防いでいきたいと考えています。
その実現に向けて、今後は点検結果の時系列蓄積による経年変化のモニタリング、多様な劣化事象への検出対象の拡大、行政・道路管理者とのデータ連携など、インフラ維持管理のDXをさらに推し進める機能拡張を構想しています。加えて、スマートフォン(iPhone/iPad)などのLiDARでも完結するような撮影フローも今後目指す方向です。無料オンラインPCDビューワーから始まった当社の取り組みは、ひび割れ検出エンジン「PCDCrackDetection」を経て、現場のワークフロー全体をカバーする LiDAR Damage Detection へと進化してきました。次はこれを、日本のインフラを守り続けるための基盤へと育てていきます。
技術だけでも、現場の力だけでも、この大きな課題は越えられません。同じ危機感を持ち、日本のインフラの未来を一緒につくっていく仲間を求めています。その第一歩となるβテストと協業に、ぜひご参加ください。
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