世界最大級のストックフォトサイト「iStock」「ウェルネス」に関する人気ビジュアルを公表「フィットネス」から「アートメイク」まで…⽣活の質を⾼める消費者ニーズが多様化
*ゲッティイメージズは、2022年より、世界的な市場調査会社である MarketCast 社と提携し、26 カ国 13 言語で 1 万人以上の消費者と専門家を対象に調査を行い、「今、求められているビジュアルコンテンツ」を具体的な数字とともに明らかにした「VisualGPS」と呼ばれるガイドラインを作成しています。VisualGPS の詳細情報はこちらをご覧ください。
新しい環境で新たな生活をスタートさせた人も多い4月。慣れない環境の中で、体や心に疲れを感じている人もいるかもしれません。改めて生活の質やご自身の健康について考える機会も増える中で、今回は「ウェルネス」をテーマにしました。「ウェルネス」=「よりよく生きようとする生活態度」について、iStockで人気のビジュアルや消費者のビジュアル意識調査「VisualGPS」の結果を分析しながら、企業やブランドが「ウェルネス」をテーマにしたビジュアルコミュニケーションをとる際に考慮するべきことについて考えていきます。
今回のVisualGPS調査は、2023年8月19日から9月28日まで、世界25のマーケットでオンライン調査によって実施されました。 調査対象は、18歳以上の消費者7,500人で、年齢、性別、地域別のサンプルを対象としました。調査結果は、グローバル、地域別、マーケット別のインサイトレポートとして提供しています。
■「フィットネス」から「アートメイク」まで…「ウェルネス」で人気のビジュアルも多様化
2024年の「ウェルネス」に関連するiStockの検索トレンドを分析すると、多様なビジュアルへの人気の高まりがわかりました。個人の健康にフォーカスした伝統的な“体を動かす”フィットネスと、”自己啓発”につながるような現代的なヘルスケアソリューションの両方に関心の広がりが見て取れます。「睡眠」(78%増)は、健康に生活していくための休養の重要性に対する意識の高まりを反映しています。
●ピラティス(ピラティス) + 24
●パーソナルジム + 43
●睡眠(スリープ) +78
●オンライン診療(遠隔医療)+92
●アートメイク +119
●ピル +322%
●整形外科 +445
一方で、「オンライン診療(遠隔医療)」(+92%)が急増していることも興味深い結果となりました。ヘルスケアやサービス分野においても、デジタルプラットフォームを活用する動きが増え、利便性やアクセスの良さを求める消費者の需要に答えていることがわかります。また洗っても消えないメイク「アートメイク」(+119%)と「ピル」(+322%)が急上昇しており、美容の強化やリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)に注目が高まっていることを示しています。「整形外科」は445%と急上昇しています。矯正手術や筋骨格系の健康への関心の高さを浮き彫りにしているようです。
全体として、これらの傾向は、ウェルネスがより広いレンズを通して捉えられ、生活の質を高めようとする個人の多様なニーズや嗜好に応えるために、幅広い診療やサービスが組み込まれる未来を示唆しています。
■「人生における優先事項」を地域ごとに公表
VisualGPSはこのほど、グローバル、アジア太平洋地域(APAC)、日本の各地域で実施した「人生における優先事項」の調査結果を公表しました。それによると、「ワークライフバランス」がグローバルとAPACで最優先事項に挙げられた一方で、日本では、「身体の健康とストレス軽減」に最も重きが置かれていることがわかりました。日本において「人生の満足度」は、健康な体でいることや個人の幸福感など様々なアプローチによって高くなることを意味しているのではないでしょうか。
グローバル:消費者は「ワークライフバランス」を最優先事項としており、特に企業で働く人にその傾向が顕著です。次いで、「家族や友人、恋人と過ごす時間を増やすこと」が続き、3番目の優先事項は「経済的安定」でした。具体的には生活費を心配することなく暮らせるだけのお金があるということでした。
APAC:優先順位はグローバルの結果とやや似ていますが、順序に若干の違いが見られました。最優先事項「ワークライフバランス」でしたが、「経済的な安定」が2番目となり、グローバルの結果に比べて「経済的な安定」に対する関心が高いことがわかりました。「家族や友人、恋人と過ごす時間を増やすこと」は3番目でした。
日本:日本では、「食事と運動による身体的健康の向上」と、「家族や友人、恋人と過ごす時間を増やすこと」の両方が最優先事項となりました。2番目には、「ワークライフバランス」と「経済的安定」が続き、次に、「ストレスを最小限に抑えること」と、「プライベートの時間を確保すること」という結果になりました。個人の幸福とセルフケアに重きが置かれていることがわかります。
■「メンタルヘルス」、LGBTQI+コミュニティ独⾃の課題へ関⼼寄せる⼈が 7 割
次に、メンタルヘルスに関する認識と優先事項についての調査結果を分析していきます。こちらも、グローバル、APAC、⽇本の各地 域で実施しましたが、いくつかの違いが浮き彫りになりました。メンタルヘルスの問題をサポートすることの重要性については広く理解さ れているところで、いずれの地域でも、 LGBTQI+の⼈々が直⾯する独⾃のメンタルヘルスの課題について、全体の7割程度の⼈々 が学ぶべきであると考えており、関⼼の⾼さがわかりました。⼀⽅⽇本では、職場での議論やメディアによるメンタルヘルスの描写に対 する⾒⽅が消極的であることがわかりました。
グローバル︓消費者の90%が、メンタルヘルス問題を抱える⼈々への⽀援を強化する必要性を感じています。メンタルヘルスに関し て敏感で、特に職場では8割以上がメンタルヘルスについてオープンに議論されるべき(84%)だと考えています。また、メディアが孤 独や社会的孤⽴を正確に描写していないと感じる割合が8割にのぼったほか、LGBTQI+コミュニティが直⾯する独⾃の課題に対す る認識の向上が求められていることもわかりました(68%)。
APAC︓メンタルヘルス問題へのサポートや、問題に敏感になることの重要性は、グローバルの結果よりは若⼲低いものの、多くの⼈ が感じています。職場におけるメンタルヘルスに関するオープンな議論の必要性についてもグローバルの結果よりは低いですが、8割程 度となっています(79%)。メディアでのこの問題に対する表現の改善や、LGBTQI+コミュニティのメンタルヘルスの課題に対する理 解を改善することへの要望も⾼くなっています(69%)。
⽇本︓グローバルや APAC と⽐較して、メンタルヘルス問題に対してより消極的な姿勢を⽰していることがわかりました。メンタルヘル スサポートの必要性について⾼いレベルで⼀致しているものの、職場でのメンタルヘルスに関するオープンな議論を⽀持する傾向は、 他地域と⽐較すると 7 割程度にとどまることがわかりました(69%)。また、メンタルヘルスの話題を他⼈と語り合ったり、職場でオー プンにすることへの抵抗感が世界平均(43%)よりも⾼く(61%)、セラピーを肯定的に⾒る視点もやや低いことが特徴です。
この調査から、⽇本ではメンタルヘルスに対して慎重でありながら深い関⼼があり、プライベートな対応を好む傾向がありそうです。最 新の VisualGPS の調査によると、多くの⽇本の消費者はメンタルヘルスを優先し、ストレスを軽減するために料理や美味しい⾷事を 楽しむこと、趣味に没頭すること、映画やテレビ番組を観ることを好んでおり、メンタルの健康を保つ独⾃の⽂化的アプローチが⾒られ ます。⽇本におけるメンタルヘルスの改善には、余暇活動や趣味を通じて、個⼈の幸福をより豊かにし、⽂化的に配慮した⽅法でメ ンタルヘルスの問題に対する認識を⾼めることが必要かもしれません。
■個人の健康や幸福の価値観に合わせ多様なニーズを反映したビジュアル選定を
今回公表した結果から、日本では「ウェルネス」が、個人の幸福感や、健康、経済的安定、感情的な幸福感など、さまざまな側面と深く関わっていることがわかりました。このような状況を踏まえると、日本市場をターゲットとする政策や製品、サービスは、効果的なビジュアルコミュニケーションを通じて、これらの多面的なニーズに対応することが不可欠です。このアプローチには、ワークライフバランス、経済的なウェルネス、個人の健康の重要性を強調するビジュアルキャンペーンをデザインすることが含まれます。
「メンタルヘルス」について日本の消費者の意識傾向も明らかになりました。企業は、秘密厳守のカウンセリング、柔軟なワークライフバランスの調整、スティグマフリーの教育ビジュアルキャンペーンなど、メンタルヘルスサポートのための控えめで文化的に配慮されたビジュアルストーリーテリングを模索することができるでしょう。
▼iStock クリエイティブ専門チーム Creative Insights マネージャー 遠藤由理 プロフィール
10代後半からアメリカ、スペイン、チェコ、韓国で過ごす。
映画制作とデジタルメディアデザインに重点を置いたビジュアルメディアの学歴を持ち、国際映画や日本映画のプロモーション、セールス、買収、配給などの仕事に従事。 2016年からはiStockのクリエイティブチームのメンバーとして、世界中のクリエイティブプロフェッショナルによる利用データ分析と外部データや事例を調査し、来るニーズの見識を基にCreative Insight(広告ビジュアルにおける動向調査レポート)を発信。意欲的な写真家、ビデオグラファー、イラストレーターをサポートし、インスピレーションに満ちたイメージ作りを目指している。
▼iStockとは
豊富な経験と専門知識を持つゲッティイメージズが運営しているストックフォトサービス。中小企業や小規模事業者に対し、消費者の心に響くビジュアルコンテンツを提供しています。1億8000万点以上のコンテンツを持つiStockは、世界中の40万3千人以上のコントリビューター(専属、非専属含む)と呼ばれる契約フォトグラファーやビジュアルクリエイターのネットワークを持ち、専属コントリビューターには、「VisualGPS」に裏付けられた市場のニーズやトレンドにもとに、ゲッティイメージズクリエイティブチームの豊富な経験と知識を活用し撮影指導を行うことで、プレミアムでロイヤリティフリーの写真、映像、イラストを常に提供できるようにしています。
iStock by Getty Images 日本語公式サイト:https://www.istockphoto.com/jp
iStock Signature Collection(プラス)-iStockとゲッティイメージズでしか手に入らない、クリエイティブで厳選された写真、映像、イラストをベースにしたプレミアムコレクションです。iStockだけで2,800万点以上の素材があり、独占的なストックコンテンツを提供している世界最大のコレクションです。
プラスの素材例:https://www.istockphoto.com/jp/collaboration/boards/gNTpLpUfDky8JANcNcasDA
▼ゲッティイメージズとは
ゲッティイメージズは、世界有数のビジュアルコンテンツクリエイターおよびマーケットプレイスとして、世界中のあらゆるニーズに応じた幅広いコンテンツソリューションを提供しています。ゲッティイメージズ、iStock、Unsplashのブランド、ウェブサイト、APIは、世界最高のフォトグラファーとビデオグラファーによる力強いビジュアルコンテンツを検索、購入、共有するための第一拠点として、世界各国のお客様に利用されています。55万7千人以上のコントリビューターと320以上のコンテンツパートナーと共にパワフルでインクルーシブなコンテンツを配信。毎年16万件以上のニュース、スポーツ、エンターテイメントイベントをカバーし、類を見ないほどの豊富な報道を提供しています。また、ゲッティイメージズは世界最大かつ最高レベルの民間所有アーカイブ写真を保持しており、写真創世記にさかのぼる画像の数は数百万枚にわたります。
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