NMNの毛髪への影響に関する最新試験結果を発表

日本抗加齢医学会総会・ランチョンセミナーにて伊藤麻衣子氏より発表

三菱商事ライフサイエンス株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：清水 幸史）は、2025年6月14日（土）に開催された第25回日本抗加齢医学会総会において、ランチョンセミナーで、NMN（ニコチンアミドモノヌクレオチド）の新たな展開として、当社、クリニックF、早稲田大学の3者が共同で実施したNMNの「毛髪への影響」に関するヒト臨床試験の成果を発表し、多くの方々にご来場いただきました。

本セミナーでは、クリニックＦ藤本幸弘院長より、NMNの美容分野における展望についてご講演いただき、さらに、共同研究者である伊藤麻衣子氏（現在、東京大学に所属。当時、早稲田大学に所属。）にご登壇をいただき、NMNを摂取した際の「毛髪に関する影響」について、共同研究の結果の一部を紹介していただきました。

紹介したヒト毛髪試験の発表内容について

【背景】

世界的に直面する超高齢社会においては健康寿命の延伸だけでなく、QOL向上の観点からも「若々しさ」を保つための対策が求められています。NMN（ニコチンアミドモノヌクレオチド）は、加齢やストレスにより低下する体内のNAD⁺レベルを補うことで、エイジングケア※が期待される化合物として注目されており、美容への効果が報告されつつある一方、ヒト毛髪に対する臨床研究はこれまで存在していませんでした。

本研究では、中高年女性の毛髪にNMN摂取が及ぼす影響を探索的に検討することを目的としました。なお、本研究は基礎研究であり、NMNを含有する商品の効能効果を検証する目的のものではありません。

 

※ 年齢に応じたお手入れのことを指します。

 

【方法】

40～50代の健常な日本人女性を対象に一般募集し、毛髪が気になる人（薄毛が気になってきた、髪のハリ・ツヤがなくなってきたと感じている人）を優先的に15名選抜し、被験者全員が試験食品を摂取するオープン試験として実施しました。
試験食品は1日500㎎のNMNを12週間（2024年9月12日～12月5日）摂取しました。

毛髪の成長周期や毛幹径を評価するためにトリコスキャンおよびSEM観察、毛髪中の代謝物・ホルモン濃度を測定しました。また、VASアンケートにより毛髪の質感など主観的指標を評価しました。

 

【成果概要】

• NMN摂取後、毛髪直径の平均値が有意に増加（p＜0.01）するなど、毛髪の伸長や太さ、表面など外観面で明確な変化が確認されました。

• アンケートにおいてもNMN摂取後の毛髪の変化を体感している結果が得られました。

• NMN摂取後、毛髪中の成分についてもアミノ酸類や、エネルギー代謝に関連する成分などで含量の有意な増加が確認されました。

【結論】

NMN摂取が“すこやかな髪”の成長をサポートすることが期待される結果が示されました。

NMNの経口摂取により、中高年女性における毛髪の成長促進や抜け毛の軽減を通じ、毛髪ケアおよびQOL向上に有用な戦略となる可能性が示唆されました。

今後、当社では共同研究先と連携し試験結果の論文掲載を進めるとともに、毛髪や美容分野でのさらなる検証を進め、人々のQOL向上に貢献するための研究に努めてまいります。

なお、本研究は基礎研究であり、NMNを含有する商品の効能効果を検証する目的のものではありません。