新プロジェクト「GOOD DIALOGUE LABORATORY」始動

「表現者、企画制作者の誰しもが、創作の環境や手法を選択できる世の中」を目指して活動するコミュニティを始動。表現の可能性、社会的障壁や不均衡について、ひろく対話する場をひらき、情報発信を行う。

株式会社precog

「GOOD DIALOGUE LABORATORY」キービジュアル(デザイン:手塚よしこ)

「GOOD DIALOGUE LABORATORY」 表現をひらく研究所

株式会社precogは、“翻訳”をキーワードに多様な身体性を想像する芸術祭

「TRANSLATION for ALL」やアクセシビリティを軸にしたオンライン劇場「THEATRE for ALL」の運営など、文化芸術と多様な人を結ぶプロジェクトを展開してきました。

- 聴こえない人に音楽を、見えない人に演劇を伝える

- 身体が違う人同士で一緒に踊る、舞台を作っていく

表現とアクセシビリティの現場において、そこで生まれる対話、そのプロセスにある“創造の可能性”を肌身に感じると共に、同時に、そこにある様々なバリア、障壁にも触れてきました。

ひとりひとりの表現者や企画者が、それぞれの感性、強さ、弱さ、背景、価値観を堂々とたずさえて、安心して、文化芸術の世界で活躍してゆける世の中にしたい。

GOOD DIALOGUE LABORATORYは、誰しもにひらかれた表現の環境整備を目指すラボとして2024年、夏にスタート。初年度は、トークイベントや研究会の運営を通じて、表現の可能性、社会的障壁や不均衡について、ひろく対話する場をひらき、情報発信します。

特設ページ:https://theatreforall.net/projects/gdl

「GOOD DIALOGUE LABORATORY」特設サイトのQRコード

【活動のガイドライン】

GOOD DIALOGUE LABORATORYは、その言葉の通り、対話を重視する共同体です。

不確実性やわからなさに対し、真摯に向き合うこと、対話し、修正し、行動するしなやかさを持つこと、他者の個々の歴史や背景を尊重すること。レジリエンス、ネガティブケイパビリティを大切にしながら、共に居ることも、ひとりで考えることも大切にできるような、選択肢の多い場づくりを目指します。

参加者が安心して対話を行えるよう、ガイドラインを設定しています。このガイドラインは随時更新し、発信していきます。

詳細は特設サイトをご覧ください。

【プログラム内容紹介】

・連続講座|インクルーシブな作品制作の視点を学ぶクロストーク(全4回)

多様な価値観、身体、環境、社会的障壁に向き合い作品を創作するアーティストによるクロストークを全4回実施。ジャンルは異なるが、テーマ等に共通項のあるアーティストの対話から学び、これからの時代の創作環境やプロセスについて考えます。

視聴方法:THEATRE for ALL 公式Youtube

アクセシビリティ対応:手話通訳・文字支援

  1. 岡田利規×牧原依里
    テーマ:「言語を問う」 

    日 程:8月29日(木)  19:30-21:00

    それぞれの“言語”とその文化的背景、異なる言語を用いる人の間に生じる様々なギャップ(差異、溝)、そこに生じる問いについて取り扱うアーティストの対談から、作品制作におけるプロセスや視点を学びます。

  2. オル太 × 弓指寛治 × 湯浅永麻

    テーマ:「取材し、対話する身体」

    日 程:9月12日(木)  19:30-21:00

    歴史、場所、物語。幾層もに折り重なる人や土地の記憶に向き合いし、リサーチを重ね、丁寧に作品を紡ぐ3人のアーティストの対談から、取材すること、対話することとは何かを考えます。

  3. 木下知威 × 細井美裕 × 関場理生

    テーマ:「音とはなにか」

    日 程:2024年9月18日(水)  19:30-21:00

    音、音楽とはどのような表現なのか?聞こえない人、見えない人、さまざまな身体、価値観をもつ多層的なアーティストがそれぞれ音や声、音楽と向き合うときにみえてくるものを考えます。

  4. 大崎晴地 × 佐藤拓道

    テーマ:「異なる身体、日々の芸術」 

    日 程:9月25日(水)  19:30-21:00

    知的・発達障害、重度の障害のある人たちと共につくる。その過程、生活の中のにある豊かな創作の萌芽をどのように発見し、作品としてゆくのか学び合います。

  • 研究会|実践者のための創作環境研究会(全3回)
    舞台芸術の実践者として活動していく上でバリア(社会的障壁)のある人、インクルーシブ表現に取り組みたい人が集い、創作の環境における課題や視点を共有。問いをたて、ディスカッションしながら、舞台芸術表現の創作・発表・鑑賞における可能性を検討する研究会を発足します。

    会場:森下スタジオ
    定員:20~30名(応募多数の場合、選考あり)
    参加費:一般 3,500 円、U25  3,000 円
    アクセシビリティ対応:手話通訳・会場の最寄りの駅からの送迎※その他参加にあたり心配なことがございましたらご相談ください

    対象:
    ・インクルーシブな視点で表現者、企画者としての活動をしている/していきたいと思っている方
    ・創作、表現、鑑賞など舞台芸術におけるアクセシビリティに関心がある、または課題を感じる方
    ・身体や価値観、背景が自分と異なる他者を持った方と共に創作をしていきたいと思っている方
    ・インクルーシブな創作環境の在り方を模索したい方

    申し込み:https://gdl2024.peatix.com(peatix)
    ※peatixでのお申し込みが難しい場合には、メール・電話でも受付いたします。
    下記の電話番号またはメールアドレス、問い合わせフォームにてお問い合わせください。
    電話:03-3528-9713 メール:tfa@precog-jp.net 
    問い合わせフォーム:https://forms.gle/tqWTviHP8bPXqpyG7

  1. テーマ:「障害当事者が表現者や企画制作者になること。課題とこれから」

    ゲスト講師:森田かずよ

    日 程:8月24日(土)  11:00-16:00

  2. テーマ:「多様な身体で共にいる。福祉とワークショップとパフォーマンスのあわいで」

    ゲスト講師:佐久間新

    日 程:9月4日(水)  19:30-21:30

  3. テーマ:後日発表

    ゲスト講師:後日発表

    日 程:10月7日(月)  19:30-21:30

【リサーチの共有】

プログラム内で生まれた生まれた知見・課題を参加者だけでなく広く発信していき、2年目、3年目の活動に繋げていきます。

・特設サイトでの情報発信

・研究会メンバーの研究会note

・THEATRE for ALL の記事掲載 など

【登壇者プロフィール】

  • クロストーク

岡田利規 @Kikuko Usuyama

岡田利規(演劇作家、小説家、演劇カンパニー「チェルフィッチュ」主宰)

独特な言葉と身体の関係性による方法論や現代社会への批判的な眼差しが評価され、国内外で注目を集め、世界90都市以上での上演経験を持つ。近年は、ドイツの公立劇場のレパートリー作品をはじめ国際共同制作作品を多数手がけるほか、能の現代語訳、オペラ演出など活動の幅を広げている。

牧原依里

牧原依里(映画作家/アーティスト/一般社団法人 日本ろう芸術協会 代表理事)

ろう者の「音楽」をテーマにしたアート・ドキュメンタリー映画『LISTEN リッスン』(2016)を雫境(DAKEI)と共同監督、最新作に映画『田中家』(2021)、 パフォーマンス『聴者を演じるということ 序論』(2023)など。 一般社団法人日本ろう芸術協会の代表理事でもあり、東京国際ろう映画祭のディレクターや一般社団法人異言語Lab.理事など、多岐にわたって活動中。

オル太 @Takeshi Hyakutou

オル太(アーティスト集団)

2009年に結成された井上徹、斉藤隆文、長谷川義朗、メグ忍者、Jang-Chiの5名によるアーティスト集団。絵画、パフォーマンス、演劇、ヴィデオなど様々な形式で作品を発表する。主な上演に「アートサイト神津島2024 山、動く、海、彷徨う」、YPAMディレクション『ニッポン・イデオロギー』BankART Station(2023)、ロームシアター京都(2024)など。第14回岡本太郎賞受賞(2011)。

湯浅永麻 @Joris-Jan bos

湯浅永麻(ダンサー、振付家)

ネザーランドダンスシアターに 11 年間所属。16 年にフリーとな り、サシャ・ワルツ、シディ・ ラルビ・シェルカウイ、ピーピング・トム、向井山朋子、岡田利規、ダミアン・ジャレx名和晃平らの作品に参加する一方、振付家として異ジャンルのアーティストと数々の作品を発表。ダンスをコミュニケーションツールとして あらゆる人と対話を行うnosmosis researchを企画。第13回、第12回日本ダンスフォーラム賞受賞。

弓指寛治

弓指寛治(美術家)

1986年三重県生まれ/東京都在住。「自死」や「慰霊」をテーマに創作を続ける。2021年より「満洲国」を軸に過去の戦争について考えるためのプロジェクトを開始。

2024年国立西洋美術館で路上生活者とその支援者達との交流を元にした作品を発表。以来、福祉にも強い関心を寄せる。

木下知威 @Yuki Moriya

木下知威(歴史家)

横浜国立大学大学院修了、博士(工学)。建築計画学・建築史・近代史。とくに近代日本の身体障害者の歴史について研究している。著述に「車椅子の誕生」『伊沢修二と台湾』「点字以前」「指文字の浸透」「ひとりのサバイブ」など。

関場理生

関場理生(俳優・劇作家、ダイアログ・イン・ザ・ダーク アテンド)

1996年、東京生まれ。2歳で失明し全盲となる。東京都立総合芸術高等学校舞台表現科3期、日本大学芸術学部演劇学科劇作コース卒業。 2022年、神戸アートビレッジセンター主催、手話裁判劇『テロ』出演。 現在、ナレーターとしてみみよみナレーション事務所やePARA Voiceに所属する他、ダイアログ・イン・ザ・ダークのアテンドとしても活動している。

細井美裕

細井美裕(サウンドアーティスト)

1993年生まれ。慶應義塾大学卒業。 自身の声による多重録音作品のほか、マルチチャンネル音響をもちいたサウンドインスタレーション、舞台作品など、空間の認識や状況を変容させる音に焦点を当てた作品制作を行う。 これまでにNTTインターコミュニケーション・センター [ICC]無響室、山口情報芸術センター[YCAM]、 国際音響学会、長野県立美術館、愛知県芸術劇場、羽田空港、日比谷公園などで発表。

大崎晴地

大崎晴地(美術家)

1981年東京生まれ。心と身体、発達のリハビリテーション、精神病理学の領野にかかわりながら、作品制作・研究活動を行っている。2014年東京芸術大学大学院美術研究科博士課程修了。博士(美術)。2023年アジアン・カルチュラル・カウンシルのグラントとして渡米。2023年に編著『障害の家と自由な身体』を晶文社より刊行。「障害の家」プロジェクト主宰。

佐藤拓道

佐藤拓道(〈たんぽぽの家アートセンターHANA〉副施設長)

障害のあるメンバーのケアに携わりつつ、俳優としても活動。また、たんぽぽの家では「HANA PLAY」と題した演劇プログラムを担当し、障害のあるメンバーの暮らしや人生の経験に基づいたオリジナルの演劇作品を創作。様々な場所で公演を行っている。その他にも施設外での演劇ワークショップ、講演なども行なっている。

・研究会 ゲスト講師

森田かずよ

森田かずよ(俳優・ダンサー)

先天性の障害を持って生まれる。自身の身体と向き合いながら、表現の可能性を考え続ける。「Performance For All People.CONVEY」主宰。演劇・ダンスの領域を超えて国内外の多数の公演に出演し、TVなどメディア出演も多数。東京パラリンピック開会式ソロダンサー。NHKドラマ『パーセント』出演。

障害のある人を含め、様々な方を対象としたダンスのワークショップを日本各地で展開。現在、大阪大学人文学研究科人文学専攻博士後期課程在籍中。

佐久間新

佐久間新(舞踊家)

幼少の頃、臨床心理学者の父が自閉症児と転がる姿を眺める。大阪大学でガムランを始める。同じ頃、流れる水のように舞うジャワ舞踊家ベン・スハルト氏に出会い、留学を決意。帰国後、様々なダンサーとコラボレーションを開始。たんぽぽの家の障害者との出会い以降、即興ダンスとマイノリティの人たちとのダンスに傾注。現在は、ジャワ舞踊をベースにアート、領域横断的な協働、新作発表など国際的に幅広く活動している。

【企画メンバープロフィール】

編集部

クロストーク及び研究会の主要メンバーとして、ファシリテーションし、学びを記録し、世の中に共有するチームとして構成。さまざまな分野のアーティスト、ファシリテーター、制作経験者のチームから成る。

南雲麻衣

南雲麻衣(アーティスト、パフォーマー)

1989年年生まれ。幼少時からモダンダンスを学び、現在は手話を活かしたパフォーマンスや演劇など、身体表現全般に活動を広げる。カンパニーデラシネラ『鑑賞者』出演(2013年)、百瀬文《Social Dance》出演(2019年)など。音声言語と視覚言語を用いた複数言語の「ゆらぎ」をテーマにした《母語の外で旅をする》(2024) 東京都現代美術館で展示。2022年4月より手話による文化創造拠点づくりを目指す「めとてラボ」連携プログラム担当。


真しろ

真しろ

1998年大阪生まれ。先天性の全盲。現在大学院で、多言語演劇に出演する役者たちの言語使用の特徴について研究している。 研究の傍ら、演劇やアート作品の鑑賞を誰もが楽しめる環境作りのために、ワークショップのファシリテーターやアクセシビリティー監修の活動も行っている。趣味で小説執筆やラジオドラマの制作にも携わり、多くの人がエンタメや表現活動を行う方法について、日々模索している。先天性の全盲であることを生かし、音や言葉にまつわる表現の可能性を開いていきたい。 

栗田結夏

栗田結夏(アートマネージャー)

1996年生まれ。立教大学社会学部メディア社会学科卒。2019年-21年、パフォーミングアーツを制作する株式会社precogにて主にワークショップ企画制作など、学びのデザインを担う。2023年からフリーランスとなりアート・学び・福祉の交差分野で幅広く活動している。

林芽生 @須藤崇規

林芽生(プロデューサー)

1998年生まれ。名古屋学芸大学メディア造形学部映像メディア学科卒。2020年10月よりアシスタントとしてprecogに入社し、子供向けワークショップや障害のある人もない人もともに楽しめるワークショップなどのラーニングプログラムやバリアフリー制作の進行を担当。最近の興味は情報保障のあり方や創造環境のあり方で、「“選択肢”をどうやったら増やせるのか」

篠田栞

篠田栞(プロデューサー、エディター)

1990年、奈良生まれ。広告業界等を経て独立。編集ライター、企画者として企業広報等に携わり、2024年4月よりprecogのTHEATRE for ALL事業部チーフに就任。一方、幼少期より演劇の舞台に立ち、京都大学在学時に出会った能の身体性にひかれ、国内外でパフォーマンスやリサーチを行う。ままならない身体と共に生きる難しさと面白さ、自然と人との関係性への興味から、食薬文化を学び、薬膳の活動も志す。

クレジット

主催:株式会社precog

助成:公益財団法人セゾン文化財団、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[芸術文化による社会支援助成]

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会社概要

株式会社precog

7フォロワー

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URL
https://precog-jp.net/
業種
サービス業
本社所在地
東京都新宿区山吹町358番地 小磯大竹ビル202
電話番号
03-3528-9713
代表者名
有光茜
上場
未上場
資本金
900万円
設立
2006年12月