三井化学、マイクロ波化学、三井化学名古屋工場内にマイクロ波を活用した革新的な炭素繊維(CF)製造技術に関する実証設備を完工
既に2024年1月より試運転を開始しており、引き続き、両社で量産化技術の確立に向けた検討を進め、2024年度内を目標にCFサンプルの供給開始を目指しています。
2022年11月16日付で発表した通り、実証設備導入にあたり、マイクロ波化学はCF製造工程における耐炎化プロセスと炭化プロセスの両工程を一貫してマイクロ波で焼成する「Carbon-MX™」技術による焼成ラインの機器一式を三井化学に供給し、三井化学は当該技術を含む全体プロセスを構築しました。
本技術は、対象を内部から加熱できるマイクロ波の特性を生かすことにより、無駄な加熱を徹底的に排除した革新的なプロセスです。従来法と比較し、加熱処理時間が大幅に短縮されるため、焼成プロセスのラインが短くなり、設備をコンパクトにすることが可能です。また、装置自体の温度が高温にならないため、装置コスト、エネルギー消費、さらには安全面でもメリットが見込まれます。現時点の両社の見込みでは、エネルギー消費量が約50%削減され、将来的にマイクロ波を発生させるための電源を再生可能エネルギーに変更することで90%以上のCO2排出削減が期待できます。
両社は、今後もLCA(Life Cycle Assessment)を通しバリューチェーン全体での低炭素化を目指し、モビリティ分野など今後CFが適用される産業においてカーボンニュートラル推進のニーズに応えていきます。
【ご参考】
・2022年5月9日リリース
マイクロ波を活用した環境負荷の低い革新的な炭素繊維(CF)製造に関する基盤技術確立
・2022年11月16日リリース
三井化学、マイクロ波化学、三井化学名古屋工場内にマイクロ波を活用した革新的なCF製造技術に関する実証設備の導入を決定
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