ヤット・シウ氏「私はすでに200のAIエージェント、年内に1,000」——T4IS2026で『Web4』提唱、日本IPに最大級機会

〜「LLM競争の先、エージェンティックAIの本丸はオーケストレーション層——日本に再び覇権の機会」Animoca Brands 共同創業者兼会長がT4IS2026にて〜

ソーシャス

本リリースのポイント

  • 「私はすでに200のAIエージェントを運用、年内に1,000になる」——620社超のWeb3ポートフォリオを率いるシウ氏(Animoca Brands 共同創業者兼会長)が自身の実運用規模を公開

  • 「世界には数百億のエージェントが存在する時代が来る——オンライン人口を上回る」——Web3の次のパラダイムとして『Web4:自律エージェンティック・ウェブ』を提唱

  • 「エージェンティックAIの主戦場はLLMではなく『オーケストレーション層』、レースは2025年12月頃に始まったばかり」——日本が再び主役になり得る競争領域を指摘

  • 「Meta・Microsoftで解雇された人々は、全員が起業家になれる」——「ソフトウェア(我々が知る形)は死んだ」「10億人がコードを書ける時代」と足元のテック大量解雇報道に直接言及

  • 「AI時代の希少性は『真正性』、それを大規模に証明できるのがブロックチェーン」——自身も Anchorpoint(Standard Chartered/HKT との合弁、2026年4月に香港でステーブルコイン発行ライセンス取得)に関与

  • 「日本はストーリーテリングのペディグリーで世界トップクラス」——Web4時代に日本IPがグローバルに広がる最大級の機会と指摘

  • ハイライト映像(YouTube):https://www.youtube.com/watch?v=L8TraqxlQ4E

講演のハイライト

ソーシャス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:尹世羅)は、2026年4月26日(日)、東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井カンファレンスにて開催した SusHi Tech Tokyo 2026 公式パートナーイベント・招待制エグゼクティブサミット「Tech for Impact Summit 2026(https://tech4impactsummit.com/ja)」(以下、T4IS2026)のメインステージにて、『Web4: The Autonomous Agentic Web(Web4:自律エージェンティック・ウェブ)』と題するファイヤーサイドを実施いたしました。

登壇者は、世界最大級のWeb3/ブロックチェーン・ゲーミング企業 Animoca Brands の共同創業者兼会長であるヤット・シウ(Yat Siu)氏。モデレーターは、Intertangible マネージング・ディレクター兼CSO/日本最大のWeb3メディア CoinPost 戦略アドバイザーのウナ・ソフティッチ(Una Softic)氏。過去および本年のT4IS登壇者には、オードリー・タン氏(元台湾デジタル担当大臣)、平井初代デジタル大臣、チャールズ・ホスキンソン氏(Cardano 創設者)、キャシー松井氏(MPower Partners)、堀義人氏(GLOBIS 創業者)、河野太郎元デジタル大臣、チリツィ・マルワラ氏(国連大学学長・国連事務次長)らが名を連ねます。

1. 「200エージェント、年内1,000」——AIエージェントは数百億規模、オンライン人口を上回る

セッション冒頭、ソフティッチ氏の問いかけに対し、シウ氏は次のように切り出しました(以下、シウ氏の発言はすべて英語講演の要旨日本語訳)。

「私はすでに200のAIエージェントを運用しており、年内には1,000に達するだろう。一般の人に何体持つと思うかと聞くと、典型的な答えは『3〜5体』だ。しかし実際には、世界には数百億のエージェントが存在することになる——オンラインの人口より多くなる」(シウ氏、要旨)

「すでに人々は、以前のように Web をブラウズしていない。Google で検索すれば要約が返ってきて、もはやクリックしない。結果として、伝統的なメディアサイトのトラフィックは平均で 80% 減少している。これが Web のビジネスモデル全体を作り直す」(シウ氏、要旨)

2. Web3 から Web4 へ——「Web3 がなければ Web4 はない」

「我々にとって Web3 はデジタル・プロパティ・ライツ(所有権のウェブ)であり、Web4 はその上に立つエージェンティック・ウェブだ。日本では『Web3 = 仮想通貨』と狭く理解されてしまい、本来そこにあった、所有権という本質を覆い隠してしまった」(シウ氏、要旨)

「9年前 CryptoKitties を立ち上げた頃は、数百万ドルの取引でブロックチェーンが溶けた。今は、ステーブルコイン、Solana、Ethereum 等のスケーリングのおかげで、BlackRock、Fidelity、Standard Chartered と一緒に兆ドル単位の資産がチェーン上に乗っている。我々が Standard Chartered と立ち上げた Anchorpoint もその一つだ」(シウ氏、要旨)

※編集部注:Anchorpoint は、Animoca Brands・Standard Chartered(Hong Kong)・HKT の3社合弁で2025年2月設立、2026年4月に香港金融管理局(HKMA)よりステーブルコイン発行ライセンスを取得した「HKDAP」発行体。

「銀行ができることはすべてオンチェーンで実行できる。この金融インフラは、人間よりエージェントに適している。だが機能させる唯一の方法は、所有権を証明できること——だからこそ Web3 がなければ Web4 はない」(シウ氏、要旨)

3. 文字・所有権・社会の起源——「ブロックチェーンは機械のための分散型台帳」

シウ氏は、Web4 が単なるテクノロジー潮流ではなく「文明の起源と同じ構造」を持つとし、5,000年前のシュメール文明にまで遡って説明しました。

「5,000年前、シュメール人が楔形文字を発明した理由は所有権を証明するためだった。誰の牛か、誰の家か——所有を証明できなければ社会は150人を超えて拡大できない。これがダンバー数だ。文字の発明こそ社会の始まりだった。ブロックチェーンとは、機械のための分散型の台帳である」(シウ氏、要旨)

そしてシウ氏は、これまでの web のすべてのフェーズが「人間中心」だったのに対し、Web4 で初めて「エージェント中心」の段階に入ると述べました。

4. テック大量解雇への直接言及——「カオス・マシンとしての人類」と起業家化の機会

ソフティッチ氏は、Meta が8,000人を解雇し、Microsoft が早期退職パッケージを提示するなど、経営陣が「AI 投資のコストを人員削減で相殺する」と直接的に発信している現状を提示。「混乱の年月を経る必要があるのではないか」と問うと、シウ氏はこう応じました。

「私の人類観としては、我々はそもそもカオス・マシンだ。極めて創造的にも、極めて破壊的にもなれる——人類史を見れば明らかだ。一見非論理的な選択こそが社会を前に進め、同時にものを壊しもしてきた。創造的破壊(creative destruction)と呼んでもいい。米国の特異性は、社会そのものを壊さずに創造的破壊を起こすモデルを編み出した点にある」(シウ氏、要旨)

「Apple、X、Microsoftなどで解雇されようとしている人々——彼らは全員、起業家になり得る。私が育った1980年代、起業家とは『他に雇われ先のない人』の仕事だった。今は違う。Instagrammer、YouTuber も同じ——新しい職業パターンの爆発だ」(シウ氏、要旨)

「ソフトウェア(我々が知る形)は死んだ。一国・一都市全体を1社のソフトウェアが動かす時代ではない。これからは、すべてがカスタムされたソフトウェアになる。解雇された人々は皆、たとえば5軒のレストランそれぞれに、彼ら専用のソフトウェアを作って提供できる」(シウ氏、要旨)

「AIエージェントが仕事を奪うとは思わない。インターネットが、産業革命が仕事を奪わなかったのと同じだ——形を変え、結果として増やしてきた。30年前、写真家は限られた人だけの職業だった。Instagram で全員が写真家になった。プログラミングも同じ道を辿る——10億人がコードを書ける時代が来る。唯一の制約は、人間そのものだ」(シウ氏、要旨)

5. 日本に再び主役の座——「LLM ではなくオーケストレーション層、レースは2025年12月に始まった」

ソフティッチ氏が「日本がリードを取れるか」と問うと、シウ氏は明確に「ある」と答え、最も具体的な戦略提言を行いました。

「日本にはチャンスがある。エージェンティックAIにおける主戦場は、もはやLLMではない。本丸は『オーケストレーション層』、すなわち複数のエージェントをどう組み合わせ束ねるか——そのレースは、おそらく2025年12月か2026年1月にようやく始まったばかりだ」(シウ氏、要旨)

「オーケストレーションができれば、個人や企業が事実上100人、200人、300人のスタッフを抱えるのと同等の能力を持てる。これは『工場の運営』に近い。そして日本にはオーケストレーションに通じる優れたマネジメントの蓄積がある——製造業の Kaizen 文化はその典型だ」(シウ氏、要旨)

「Kaizen は『人間がロボットのように動く』前提に立っていた。だが実際にロボットなのはエージェントの方だ——人間以上に Kaizen に適している」(シウ氏、要旨)

「LLM そのもので競う必要はない。Anthropic、中国の各LLM——どれも素晴らしい。日本はそれらすべてを使えばいい。やるべきはその上にアプリケーション層を作ること。ポップカルチャー、アニメ、ゲーミングこそ、その舞台だ」(シウ氏、要旨)

シウ氏は、少子高齢化やペット店の急増を伴侶需要のシグナルと読み解き、ロボット文化の深さ(手塚治虫『鉄腕アトム』、初音ミク等)を挙げ、日本のエージェント時代との歴史的親和性も指摘しました。

6. 日本IP産業への提言——「ストーリーテリングのペディグリー、世界トップクラス」

シウ氏は、Animoca Brands の事業基盤がIP(知的財産)と物語にあることを踏まえ、AIエージェント時代における日本IPの戦略的位置について述べました。

「あるドイツの哲学者は、人類を Homo Narrans——『物語を語る人』と呼んだ。我々を本当に駆動するのはストーリーテリングだ、と。社会も宗教も文字も、すべてはそこから始まっている」(シウ氏、要旨)

※編集部注:「Homo Narrans」概念は、米国のレトリック学者 Walter R. Fisher(1985)による「narrative paradigm」が最も知られる起点。シウ氏は「ドイツの哲学者」と帰属したが、欧州の関連系譜にはハンス・ブルーメンベルクらの神話論研究も含まれる。

「日本は世界トップクラスのストーリーテラーだ。漫画、アニメ、映画、音楽——あらゆる領域にわたって圧倒的だ。ストーリーテリングのペディグリー(系譜と血統)の深さが、日本の文化に力を与え、結束した社会を維持させている」(シウ氏、要旨)

「インターネットがストーリーテリングをグローバルに分配したように、エージェントはそれをもっと浸透した形で広げていく。ゲーミングは技術ではない——ストーリーテリングだ。日本が世界に通用させてきたのは、まさにそこだ」(シウ氏、要旨)

7. AI時代の希少性は『真正性』——ブロックチェーンが大規模な検証基盤

シウ氏は、生成AIで誰でも見栄えの良いコンテンツが作れる時代に価値が残るのは「真正性(Authenticity)」だと指摘しました。

「我々が対価を払うのは、それが見栄え良く出来上がっているからではない。あなたから出てきたものだから対価を払う。これは関係性における信頼のプレミアムであり、いつの時代も変わらない。では、真正性をどう機械レベルで、分散的に、スケールさせて証明するのか——それがブロックチェーンだ。デジタルアイデンティティ、ソウルバウンドNFTが決定的な役割を果たす」(シウ氏、要旨)

シウ氏は、自身の Hong Kong での個人運用を例に、エージェントが拓く新しい関係性の形を語りました。

「香港に誰かが来るとき、もう私は自分でレストランのリストを送らない。ただ自分のエージェントに紹介する。エージェントはおすすめを教え、常に最新化され、フィードバックも返ってくる。私はその会話の場にいないのに、エージェントを介して関わってくれた人々と『パラソーシャル(疑似社会的)な関係性』が築かれていく」(シウ氏、要旨)

8. 会場・メディアへの具体的アクション——「エージェントに名前を付けて使う」

セッション終盤、ソフティッチ氏が「会場の誰もが今日から始められる一つの行動は何か」と問うと、シウ氏は次のように応じました。

「我々が今、エージェンティックAI と接している場所は、30年前のインターネットによく似ている。想像することが難しい。だから知る唯一の方法は、実際に使うことだ。そして『使っている』感覚に至る唯一の方法は、エージェントに名前を付けることだ。カレンダーともロボットとも呼ばない。アイデンティティを与え、人格を与える。するとそれを単なるツールとして見る段階を超え、次のフェーズの思考が開く——同僚のような、関わりを持つ存在として認識し始める」(シウ氏、要旨)

ソフティッチ氏はその場で「自分の Animoca Brands AIエージェントを構築中、名前は『Yat』、テクノ・オプティミスト設定にする」と応じ、セッションは会場の笑いとともに締めくくられました。

ヤット・シウ(Yat Siu)氏 プロフィール

Animoca Brands 共同創業者兼会長。テクノロジー起業家・投資家のヤット・シウは、Web3、ブロックチェーン、ゲーム、トークン化のグローバルリーダーであるAnimoca Brandsの共同創業者兼会長。すべてのユーザーにデジタル資産の所有権を提供することを目指す。Atari Germanyでキャリアを開始後、アジア初の無料ウェブページ・メールプロバイダーであるHong Kong Cybercity/Freenationを設立。1998年には多言語ホワイトラベルウェブサービスのパイオニアであるOutblazeを創業し、事業の一部をIBMに売却後、デジタルエンターテインメントのインキュベーションに転換。その一つがAnimoca Brands。世界経済フォーラム「Global Leader of Tomorrow」、DHL/SCMP Awards「Young Entrepreneur of the Year」、Cointelegraph「ブロックチェーン注目の100人」に選出。クラシック音楽の訓練を受けた音楽家でもあり、BAFTA(英国映画テレビ芸術アカデミー)のアドバイザリーボードメンバー、アジアユースオーケストラのディレクターを務める。

ウナ・ソフティッチ(Una Softic)氏 プロフィール(モデレーター)

マネージング・ディレクター兼CSO、Intertangible/戦略アドバイザー、CoinPost。ウナ・ソフティッチは、新興テクノロジーを専門とする企業Intertangibleのマネージング・ディレクター兼CSOであり、日本最大のWeb3メディアであるCoinPostの戦略アドバイザーを務めている。インテルおよびゼネラルモーターズにて欧州・北米での国際事業開発をリードしてキャリアをスタートさせた後、アジア太平洋地域に拠点を移し、日経でイノベーション部門を統括、AI企業Soul Machinesでバイスプレジデントを務めた。言語学のバックグラウンドと技術的専門性を併せ持ち、実用AI、XR、フィンテック、Web3の各分野で、戦略コンサルタント兼取締役として成長段階のベンチャーにアドバイスを提供している。

Animoca Brands について

香港を拠点とする Web3/ブロックチェーン・ゲーミング・投資企業。デジタル資産の所有権を全ユーザーに提供することをミッションに、The Sandbox、Mocaverse、Anichess、CryptoKitties(出資)など世界的な Web3 IPに早期から投資・関与してきた世界最大級の Web3 ポートフォリオ(620社超)を保有。2025年2月には Standard Chartered(Hong Kong)・HKT との合弁 Anchorpoint を設立し、2026年4月10日に香港金融管理局(HKMA)よりステーブルコイン発行ライセンスを取得(同枠組み下の初回認可組)、HKD連動ステーブルコイン「HKDAP」発行体としての事業も展開する。

ハイライト映像

ファイヤーサイド『Web4: The Autonomous Agentic Web』全編は、Tech for Impact Summit 公式 YouTube チャンネルにて公開しています。

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メディア取材のお問い合わせ

本ファイヤーサイドの引用・写真・取材、およびシウ氏ご本人 / Animoca Brands / Anchorpoint への取材取次ぎは、Tech for Impact Summit 運営事務局(summit@socious.io)まで。データソース(英語原文トランスクリプト、Animoca Brands 関連の公開リソース、Anchorpoint の公開リリース等)の提供についても、対応可能な範囲でご相談に応じます。

※本ファイヤーサイドは英語で実施されたため、本リリース中のヤット・シウ氏の発言は、事務局による英語講演の要旨日本語訳です。原文(英語)での引用をご希望のメディア各社は事務局までお問い合わせください。

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会社概要

ソーシャス株式会社

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業種
情報通信
本社所在地
東京都中央区日本橋3丁目2番14号1階
電話番号
070-7490-6558
代表者名
尹世羅
上場
未上場
資本金
300万円
設立
2021年07月