豊田通商と東亜建設工業、アンゴラ・ナミベ湾の包括開発プロジェクトを完工
~サコマール港鉄鉱石輸出ターミナル修復およびナミベ港コンテナターミナル拡張事業~
豊田通商株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:今井 斗志光、以下:豊田通商)と東亜建設工業株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:早川 毅、以下:東亜建設工業)は、アンゴラ共和国ナミベ湾において進めていた包括開発プロジェクト、「サコマール港鉄鉱石輸出ターミナル修復事業」および「ナミベ港コンテナターミナル拡張事業」が、10月10日に完工したことをお知らせいたします。
1.背景と経緯
アンゴラ共和国は、1975年に独立して以来、長期にわたる内戦の影響で港湾インフラが著しく損傷・老朽化し、南部地域の経済発展を阻む要因となっていました。特にサコマール港およびナミベ港は、鉱物資源輸出および生活物資の流通において重要な役割を担う港であり、近代化と機能回復が急務とされていました。
本プロジェクトは、アンゴラ政府の港湾再建計画の一環として、2019年1月11日に豊田通商と東亜建設工業のコンソーシアムがアンゴラ国交通省と請負契約を締結し、2022年9月に着工しました。


2.プロジェクトの概要
本プロジェクトは、ナミベ湾内にあるサコマール港鉄鉱石輸出ターミナル修復とナミベ港コンテナターミナル拡張の、2つの事業で構成されています。
① サコマール港鉄鉱石輸出ターミナル修復事業
サコマール港は1967年に開港し、アンゴラ南部のカシンガ鉱山から鉄鉱石を輸出する拠点として機能していました。しかし、1975年から2002年まで続いた内戦により鉱山と港湾の操業は停止し、長年にわたり荒廃した状態が続いていました。そのような中、アンゴラ政府が、国家戦略として進めているカシンガ鉱山の再開には、輸出拠点となるサコマール港の再建が不可欠でした。
本事業では、鉄鉱石積込用の新規桟橋(全長約520メートル)の建設、港湾後背地(ヒンターランド)の整備を実施しました。
このサコマール港鉄鉱石輸出ターミナルの修復により、同国南部のカシンガ鉱山で採掘される鉄鉱石の輸出が再開され、原油輸出に大きく依存していたアンゴラ共和国の産業の多角化が期待されています。

② ナミベ港コンテナターミナル拡張事業
ナミベ港は、モサメデス鉄道の起点として内陸部と結ぶアンゴラ共和国南部の重要な物流拠点ですが、従来は岸壁の水深が浅く、大型コンテナ船の寄港が困難で、隣国ナミビアのウォルビスベイ港に輸出入の一部を依存していました。
本事業では、コンテナターミナルの建設、港湾の浚渫(しゅんせつ)工事、コンテナクレーンを含む荷役機械・船舶運航管理システム(VTS)・作業船などの供給と据付を行いました。これに伴い、今後最大50,000DWT(3,000TEU)級の船舶の受け入れが可能となります。
ナミベ港コンテナターミナルの拡張によって、大型コンテナ船の入港が可能となり、貨物取扱量の大幅な増加が見込まれます。これにより、隣国に依存していた輸出入が、今後は自国の港で行えるようになり、同国南部地域経済のさらなる活性化が期待されています。

本プロジェクトの完工は、アンゴラ共和国民の生活向上や南部地域の経済発展、同国の次世代の経済基盤構築に向けた重要な一歩となります。豊田通商および東亜建設工業は、アンゴラ共和国をはじめとするアフリカ各国の持続的な成長に、今後も引き続き貢献してまいります。

[ナミベ湾包括開発プロジェクト概要]

所在地 |
アンゴラ共和国ナミベ州 |
契約先 |
アンゴラ共和国交通省 |
契約金額 |
約700億円 |
資金調達 |
株式会社国際協力銀行(JBIC)および民間金融機関(株式会社日本貿易保険の貿易代金貸付保険付)からの協調融資 |
契約概要 |
ナミベ湾包括開発(建設)請負 (1)サコマール港鉄鉱石輸出桟橋の建設、浚渫、後背地整備など (2)ナミベ港コンテナターミナル拡張・新ターミナル建設、浚渫、コンテナクレーンを含む荷役機械・船舶運航管理システム(VTS)・作業船などの供給/据付 |
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