第 7 回 生活者の環境危機意識調査 “何十年に一度が毎年起きる”連続する酷暑に危機感、7年連続で「気候変動」が危機的な問題の第1位に

環境問題の解決予測に世代間で意識差「環境問題は解決できる」高校生世代は大人世代の約2倍

公益財団法人旭硝子財団

公益財団法人旭硝子財団(理事長:島村琢哉、所在地:東京都千代田区)は、全国の15~69歳の男女1,302名 (高校生世代:15~18歳 211名、Z世代:18~24歳※ 520名、大人世代:25~69歳 571名)を対象に、環境問題への意識および行動について把握するため「第7回 生活者の環境危機意識調査」を実施しました。

本調査では、昨年から高校生世代を調査対象に加え、世代による環境問題への意識の違いについても調査しています。今回の調査では、環境問題に対する危機意識やSDGsの達成度、環境問題の解決に必要な要素などについて、世代によって異なる傾向がみられました。また、高校生世代の自由回答では、環境問題や社会課題について学校の授業で学んだ経験を挙げる回答もみられました。

本調査は、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科蟹江憲史(かにえのりちか)教授監修のもと、インターネットにて実施しました。主な調査結果は以下のとおりです。

  • 国内の環境問題で危機的だと思う項目の1位は7年連続で「気候変動」。「何十年に一度といわれたものが、毎年起きている」「連続の酷暑は異常」など、各世代から異常気象を身近に感じる回答が寄せられた。

  • 環境危機意識を時刻(0:01~12:00の範囲)で表す環境危機時計は、昨年より約30分戻り「7時3分」と「かなり不安」を示している。世代別では、高校生世代「7時1分」、Z世代「6時36分」、大人世代「7時27分」と大人世代の方が危機意識は高い。日本の有識者の回答「9時30分」の「極めて不安」とは約2時間半の差はあるが、いずれも不安を感じている。

  • 日本における現時点の感覚的なSDGs達成度は、高校生世代35.8%、Z世代34.9%、大人世代31.3%と、若い世代ほど高く評価されている。0%と答えた人は昨年より減少。

  • 2030年に達成度が高いと思うSDGsの目標は、1位「安全な水とトイレを世界中に」、2位「貧困をなくそう」、3位「すべての人に健康と福祉を」。達成度が低いと思う目標は、1位「貧困をなくそう」、2位「気候変動に具体的な対策を」、3位「ジェンダー平等を実現しよう」。貧困に対する評価が二分した。

  • 環境問題の解決に向けて、高校生世代の31.3%、Z世代の22.9%が「国連などが中心となって世界全体で話し合い、合意して進める」と回答したのに対し、大人世代の20.0%は「国同士が協力したり、誰かが主導するのは難しい」と回答。

  • 環境問題が人類によってこれから解決できるかどうか、「解決できる」の回答に、高校生世代は51.2%、大人世代は26.6%と約1.9倍の差。

当財団ウェブサイト(https://www.af-info.or.jp)でも 8日 15時半からご覧いただけます。

<調査概要>

・調査目的 :日本国内の一般生活者の環境問題に対する意識や行動の実態を把握する

・調査対象 :男女1,302名

 (高校生世代:15~18歳 211名、Z世代:18~24歳※ 520名、大人世代:25~69歳 571名)

       ※Z世代は高校生・高専生を除く

・調査地域 :全国

・調査方法 :インターネットリサーチ

・調査時期 :2026年6月24日(水)~6月26日(金)

・有効回答数:1,302サンプル

・調査主体 :公益財団法人 旭硝子財団

<調査詳細>

国内の環境問題で危機的だと思う項目の1位は7年連続で「気候変動」。「何十年に一度といわれたものが、毎年起きている」「連続の酷暑は異常」など、各世代から異常気象を身近に感じる回答が寄せられた。

Q1.あなたが日本国内における環境問題を考える上で、危機的な状態にあると考える項目を表から3つ選んで、1位~3位の順位付けをしてください。

  • 日本国内における環境問題で、危機的な状態にあると考える項目として最も多かったのは、1位「気候変動」(42.9%)で、7年連続で1位となりました。その理由として最も多かったのは、夏の異常な暑さや、線状降水帯などを含む豪雨などの異常気象を懸念する回答でした。また、それらによる作物の生育への影響を伴う野菜や米の価格高騰などの不安も昨年に引き続き寄せられています。

  • 自由記述では、「連続の酷暑は異常」「年々耐えられない暑さを実感している」といった声のほか、40℃に達する暑さや最高気温の更新、熱中症への懸念を挙げる回答もみられました。また、「温暖化を肌で感じている」「身内が熱中症になることも増え、実感している」など、気候変動の影響を日常生活の中で感じているとの声も寄せられています。

  • 2位は「人口」(12.5%)、3位は「社会、経済と環境、政策、施策」(12.4%)の順となりました。昨年に比べ2位と3位が入れ替わった結果となりました。

  • 「人口」については、出生率・出生数の低下や人口減少、少子高齢化への懸念が多く、「若年層の人口が減っている」「少子化による労働人口の減少による産業の衰退」といった声もありました。「社会、経済と環境、政策、施策」では、物価高や賃金・収入が追いつかないことへの回答が多く、「物価は上がっているが、給料は上がらない」といった声が寄せられています。また、「よくSNSなどで見かける」「SNSで人口の減少について話題になっていた」といった回答のほか、ネットニュースやYouTubeなどへの言及もあり、SNSやインターネットを情報源として挙げる回答もみられました。

  • 一方で、「環境問題で危機的に感じることはない」と回答した割合において、Z世代が10.6%、大人世代が10.3%に対して、高校生世代は4.7%と他世代より低い結果となりました。高校生世代の自由回答では、学校の授業などで環境問題や社会課題について学んだ経験に触れる回答がみられました。

  • 旭硝子財団が有識者を対象に実施した本年のアンケート調査結果でも、環境問題を考える上で最も多く選ばれた「地球環境の変化を示す項目」は、「気候変動」でした。

上位3項目を選んだ主な理由は、以下の通りです。(※回答より一部抜粋)

<気候変動>

  • 高校生世代:「近年5月から10月頃まで暑く、7・8月は異常な暑さが続き危機感を感じるため」「近年地球温暖化の影響により40℃を観測している地域を見聞きし、このペースで行くと10年後には50℃を観測している深刻な状況になりそう」「学校の授業で気候変動により地球温暖化が進み、それによって海水が上昇したり食料が不足したりすると習ったから」「夏が命の危険があるレベルで暑くなったから」

  • Z世代:「連日熱中症の注意ニュースや、酷暑日の設定、これまでにないレベルの異常な気象異常をニュースで見て、早めに対策しないと危険であると日常的に感じているため」「身内が熱中症になることも増え、実感している」「猛暑日が続いたこと、春と秋が短く感じたこと、ゲリラ豪雨や豪雪といった極端な気候を感じることが増えたから」

  • 大人世代:何十年に一度といわれたものが、毎年起きている」「ニュースなどで頻繫に目にすることが多い」「恐怖を感じるような気候が多くなったと感じる」「夏が暑すぎる。自分が生きてきた時間だけで変化が分かるくらいだから将来が心配」「テレビで放送されている情報から、猛暑、台風の強大化、極端な少雨と豪雨、作物の成育可能地域の変化、漁場の変動、熊の出没、いずれも気候変動が大きな要因と考える」

環境危機意識を時刻(0:01~12:00の範囲)で表す環境危機時計は、昨年より約30分戻り「7時3分」と「かなり不安」を示している。世代別では、高校生世代「7時1分」、Z世代「6時36分」、大人世代「7時27分」と大人世代の方が危機意識は高い。日本の有識者の回答「9時30分」の「極めて不安」とは約2時間半の差はあるが、いずれも不安を感じている。

Q.以下の図は、環境問題の意識を時計の針にたとえた「環境危機時計」とよばれるものです。以下の図を参照し、あなたの日本国内における環境問題への危機意識を時計の針に例えて0:10 ~ 12:00の範囲で○○時○○分と答えてください。※時刻は便宜上、10分単位記入。  

  • 環境問題への危機意識を時刻に例えると、全国平均は「7時3分」となり、「かなり不安」という結果になりました。世代別では、高校生世代「7時1分」、Z世代「6時36分」、大人世代「7時27分」で大人世代の方がより危機を感じている一方で、高校生世代はZ世代より危機意識を持っているとの結果となりました。

  • 昨年の同調査では、全国平均で「7時29分」、高校生世代「7時23分」、Z世代「7時4分」、大人世代「7時55分」で、昨年の方が30分程度危機意識がより高い結果となりました。

  • 有識者を対象とした本年の日本の環境危機時計の時刻は、「9時30分」で「極めて不安」となっており、一般生活者との意識には、約2時間半の差があることがわかりました。

  • 不安に感じる主な理由として、国内外での異常気象についての回答が多く寄せられました。

その理由は、以下の通りです。(※回答より一部抜粋)

  • 高校生世代:「環境問題が悪化している今、自分が大人になる頃にはもっと酷くなっているんじゃないかと日に日に感じているため」「毎年どんどん暑くなっていくので、自分が高齢者になる頃には夏はもう出かけられないほどの暑さになってしまうかも」「いま若いから将来が見えないと思ってしまう。もっと早く生まれてたら楽だったのに」

  • Z世代:「環境問題だけでなく、人口減少や経済の衰退などあらゆる問題が重なり、今後も良くなっていくとは思えないから」「自分がこれから生きていくにあたって、地球温暖化や物価高、税金増額など厳しい状況が待っていると思うから」「人口減少や気候変動に加えて、社会全体のバランスや取り組みにも問題があると考えるため」

  • 大人世代:「自分が子供の頃と比べ30年くらいの間に大きく様変わりしていると思う。変化自体が急激すぎる。『異常気象』というフレーズもはやデフォルト化してきている」「最近の夏の暑さやゲリラ豪雨、豪雪など、大雪など自然災害の被害を聞く機会が増えたから」「子どもの頃に比べると、周りの環境がすごく悪くなっている」

日本における現時点の感覚的なSDGs達成度は、高校生世代35.8%、Z世代34.9%、大人世代31.3%と、若い世代ほど高く評価されている。0%と答えた人は昨年より減少。

Q3.あなたが日本国内における環境問題を考え2030年までの目標に向けて、17あるSDGsが、全体として現時点でどの程度達成できていると思いますか。日本と世界の状況それぞれにおいて、全目標達成を100%として、1~100の数字でお答えください。目標に向かっていると思わない場合は「0」を入力してください。

<日本における感覚的SDGs達成度>

  • 高校生世代は35.8%で、若い世代ほどSDGsが達成されつつあると評価していることがうかがえます。

  • 達成度を0と回答したのは全国平均11.0%(118名)でした

  • 全国平均は32.0%で昨年の25.1%より約7ポイント高い結果になりました。

<世界における感覚的SDGs達成度>

  • 高校生世代、Z世代はともに35.7%、大人世代は29.1%でした。日本国内と同様に、若い世代ほど、世界でSDGsは達成されつつあると評価しているようです。

  • 達成度を0と回答したのは全国平均10.8%(120名)でした。昨年は全国平均12.1%(157名)で、微減したことがわかりました。

  • 感覚的達成度は、全国平均で日本では32.0%、世界では30.6%となっており、日本の方が世界よりもわずかながらSDGs達成度が高いという感覚であることが分かります。

2030年に達成度が高いと思うSDGsの目標は、1位「安全な水とトイレを世界中に」、2位「貧困をなくそう」、3位「すべての人に健康と福祉を」。達成度が低いと思う目標は、1位「貧困をなくそう」、2位「気候変動に具体的な対策を」、3位「ジェンダー平等を実現しよう」。貧困に対する評価が二分した。

Q4.2026年は、SDGs(Sustainable Development Goals;持続可能な開発目標)の達成期限である2030年まであと4年となる年です。日本国内において、17あるSDGsの目標の中で2030年に達成度が高い(あるいは低い)と思うものから順に1位~3位まで選んで順位付けをし、目標の番号でお答えください。

※同じくらいの達成度だと考える場合は、より達成が早いと考えられる目標をお答えください。

  • 達成度が高いと思う目標は、昨年は1位「貧困をなくそう」、2位「安全な水とトイレを世界中に」、3位「飢餓をゼロに」という結果でした。今年は3位に「すべての人に健康と福祉を」という目標が入り、Z世代で2位の結果です。

  • 高校生世代の1位は「質の高い教育をみんなに」で、教育に関する目標が最も高く評価されました。また、昨年4位だった「ジェンダー平等を実現しよう」が今年は2位となり、教育とともに高い評価となりました。

  • 世代間でギャップがあった項目は、「いずれも達成度は0に近い」で、Z世代は21.0%、大人世代は28.5%に対して、高校生世代は10.4%が選択しました。ただし、全国平均では27.0%で、4人に1人以上が「いずれも達成度は0に近い」を選択しました。

  • 達成度が低いと思う目標は、全体では1位「貧困をなくそう」、2位「気候変動に具体的な対策を」、3位「ジェンダー平等を実現しよう」でした。昨年の全体結果は1位「貧困をなくそう」、同率2位で「働きがいも経済成長も」「気候変動に具体的な対策を」でした。1位は昨年も同様で、引き続き貧困に対する評価が二分しています。また、今年から新たに「ジェンダー平等を実現しよう」が上位に入る結果となりました。

  • 全世代「貧困をなくそう」が1位でしたが、2位以下では異なる結果になっています。高校生世代の2位は「ジェンダー平等を実現しよう」、3位は「気候変動に具体的な対策を」でした。Z世代の2位は高校生世代と同様ですが、3位は「働きがいも経済成長も」となりました。大人世代の2位は「気候変動に具体的な対策を」、3位は「エネルギーをみんなに」「ジェンダー平等を実現しよう」の2つが入っています。継続した調査から、「ジェンダー平等を実現しよう」の評価が複数の世代で高まっていることが確認されました。

環境問題の解決に向けて、高校生世代の31.3%、Z世代の22.9%が「国連などが中心となって世界全体で話し合い、合意して進める」と回答したのに対し、大人世代の20.0%は「国同士が協力したり、誰かが主導するのは難しい」と回答。

Q5.これから先、環境問題の解決に向けてどのような枠組み(主体や仕組み)が中心になっていくと思いますか。あなたのイメージに最も近いものを選んでください。

  • 「国連などが中心となって世界全体で話し合い、合意して進める」は高校生世代31.3%、Z世代22.9%といずれも1位という結果になりました。対して、大人世代の1位は20.0%で「国同士が協力したり、誰かが主導するのは難しい」となりました。

  • 高校生世代、Z世代の2位はいずれも「影響力のある大きな国がリーダーシップをとる」となりました。大人世代の2位は「国連などが中心となって世界全体で話し合い、合意して進める」となり、世代間でのギャップが見られる結果となりました。

環境問題がこれからの人類によって解決できるかどうか、「解決できる」の回答に、高校生世代は51.2%、大人世代は26.6%と約1.9倍の差。

Q6.環境問題は、これからの人類の努力によって解決できると思いますか。あなたの考えに最も近いものを1つ選んでください。

  • 高校生世代では「ある程度解決できると思う」が45.0%、「解決は難しいと思う」が9.0%に対し、大人世代は「ある程度解決できると思う」が25.0%、「解決は難しいと思う」が28.0%と世代間のギャップが大きいことがわかりました。

  • 「解決できると思う」「ある程度解決できると思う」を合わせると、高校生世代は51.2%、大人世代は26.6%と約1.9倍の差がありました。一方、「解決は難しいと思う」「解決はやや難しいと思う」を合わせると、高校生世代は41.7%、大人世代は61.3%と約1.5倍の差がありました。

  • 全国平均では、「解決はやや難しいと思う」「解決は難しいと思う」を合わせて58.5%となりました。

<本調査に関する監修者の見解>

本年の調査結果は、とりわけ環境「危機」意識が高まっていることを示すものでした。特に、回答のなかに「何十年に一度といわれたものが、毎年起きている」というものや、「連続の酷暑は異常」というものが含まれていることは特筆しておくべきだと思います。気候変動の影響が、いよいよ肌身に感じて危機的だと認識していることは様々なコメントなどにも表れてきています。まだ先のことだとおもっていた気候危機がいよいよ身近になってしまっていることがよく表れています。特に、夏の暑さの異常さが目立つようになってきたころにものごごろがついてきた高校生やZ世代においてさえ、昨今の暑さが異常だと感じているということは、急速な変化を表しているともいえるでしょう。

この異常さを認識し、大きな政策の変革が求められるところです。

ところがその反面、政治的な動向が遅々として進んでいないこと、そしてそのことに対していわばあきらめのような見方があることに、大きなギャップを感じざるを得ません。特に大人世代において、国同士の協力やリーダーシップへの期待が少ないことが、このことを端的に表しています。環境問題を解決できるとみる大人世代の割合が低いことも、その表れと言えるでしょう。

科学の指摘をよそに、石油を大量に消費することに気後れさえしないような昨今の政治情勢に対して、もはやあきらめのような見方が広がることには、強い危機感を感じます。

このような現状に対して、希望はないのでしょうか。

今回の調査の中で希望の光となるのは、若者世代の回答だとみます。例えば、課題解決に向けて「国連などが中心となって世界全体で話し合い、合意して進める」との回答を見ると、高校生やZ世代の回答が大人世代を上回っています。特に高校生世代ではその割合が大人世代の1.5倍となっています。あるいは、環境問題を人類が解決することへの期待は、高校生世代では大人世代の2倍近くに上っています。

これからを生き、課題解決を担う若者世代が希望を捨てていないことは、そのこと自体が希望の光となっていると言えます。これからの時代を生きる若者たちへの負担を少なくすることに、大人が自覚し、変革を起こす時なのではないでしょうか。

<監修者プロフィール>

蟹江 憲史 (かにえ のりちか)

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授

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会社概要

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業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都千代田区四番町5-3 サイエンスプラザ 2 階
電話番号
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代表者名
島村 琢哉
上場
未上場
資本金
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設立
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