室屋義秀、年間ポイント トップタイ。デビッドソンに1勝差でエアレース王座を逃す|AIR RACE X 2026
エアレース世界最高峰「AIR RACE X」2026年シーズン最終第4戦。室屋義秀は予選2位から決勝に進出したものの、シーズンを通して首位を争った昨季王者に敗れ、シリーズ2位でシーズンを終える

全4戦で競われたAIR RACE X 2026年シーズンの最終第4戦が、9月13日(日)に行われた。第3戦を終えた時点で、年間首位の室屋義秀選手(LEXUS PATHFINDER AIR RACING)と4位マーティン・ソンカ選手との差は23ポイント。最終戦で動くポイントは予選を含めて最大33ポイントであり、上位4名の誰もが年間チャンピオンになりうる状況で迎えた一戦だった。
室屋選手は予選2位から準々決勝・準決勝を勝ち上がって決勝に進出し、パトリック・デビッドソン選手との一騎打ちで2位。第4戦で23ポイントを獲得した。この結果、年間ポイントはデビッドソン選手と99ポイントの同点となり、規定に基づきシーズン勝利回数(デビッドソン選手2勝、室屋選手1勝)でチャンピオンが決定。室屋選手はシリーズ2位でシーズンを終えた。年間ポイントの同点を勝利回数で決するのは、AIR RACE Xとして異例の決着となった。
予選|年間ポイントが懸かる1本、室屋選手は61秒018で2位

シーズン最終戦となる第4戦は、年間王座の可能性が4名に残ったまま迎えた。予選のタイムは決勝トーナメントの組み合わせを決めるだけでなく、順位に応じたポイントがそのまま年間ポイントに加算される。上位陣にとっては、予選の1本から取りこぼしの許されない状況だった。
トップタイムを出したのはパトリック・デビッドソン選手。60秒678を記録し、予選で唯一60秒台に入るタイムとなった。
室屋義秀選手は61秒018で2位。予選ポイント5を獲得して決勝トーナメントへ進んだ。

空を可視化する——ドローンによる精密な気象計測

決勝トーナメントを前に、レース前の気象状態や風の流れを正確に把握するため、チームは従来の風船を使った簡易的な計測から、ドローンを使用した詳細な計測へと進化させている。
以前は飛行前に風船を飛ばして大まかな風を測っていたが、ドローンを活用することで、上空のきめ細かな気象状態や風向・風速をリアルタイムに正確なデータとして可視化できるようになった。
最高時速400km、最大12Gの重力加速度がかかるAIR RACE Xにおいて、レクサスの技術とこうした計測データが、室屋選手の操縦とフライト戦略を支えている。
準々決勝・準決勝|王座を競う2名がそろって決勝へ

準々決勝で室屋選手の相手となったのは、長年のライバルであるマーティン・ソンカ選手。ソンカ選手が66秒136にとどまる中、室屋選手は61秒877を記録し、4秒以上の差をつけて圧勝し準決勝に進んだ。
続く準決勝で顔を合わせたのは、今季好調のエマ・マクドナルド選手。マクドナルド選手が64秒554、室屋選手が62秒011を記録し、室屋選手が決勝進出を決めた。室屋選手は予選・準々決勝・準決勝の3本すべてを61〜62秒台にまとめている。
もう一方の準決勝では、デビッドソン選手が61秒942でデリュー選手(64秒189)を破って決勝へ。この時点で、年間ポイント上位2名が決勝で顔を合わせることが決まり、最後の1本が王座決定戦となった。
決勝|勝てば王座奪還。3戦連続で顔を合わせた2人

決勝は第2戦、第3戦に続き、3戦連続で室屋選手とデビッドソン選手の顔合わせ。第2戦は室屋選手、第3戦はデビッドソン選手が制しており、1勝1敗で迎えた3度目の決勝となった。
この1本の結果が、年間王座をそのまま決める。室屋選手が勝てば年間ポイントで上回り王座を奪還、デビッドソン選手が勝てば両者は同点となり、シーズン勝利回数で王者が決まる。
室屋選手は61秒717を記録。準々決勝、準決勝を上回る、決勝トーナメント3本で最も速いタイムだった。デビッドソン選手はこれを上回る61秒207で優勝。両者ともペナルティはなく、決勝で61秒台に入ったのはこの2本のみだった。
室屋選手は決勝2位で18ポイント、予選の5ポイントと合わせて23ポイントを獲得。第3戦終了時点では10ポイント差で年間首位に立っていたが、両者の年間ポイントは99ポイントの同点となった。
規定により勝利回数の多い選手が上位となるため、第3戦・第4戦を連勝したデビッドソン選手が2勝で2年連続の年間チャンピオンに決定。1勝の室屋選手は、昨年に続き年間総合2位でシーズンを終えた。
予選ポイントは1位が8、2位が5。この3ポイントが入れ替わっていれば同点にはならず、室屋選手が年間首位だった計算になる。
三位決定戦|デリュー選手が今季3度目の表彰台
三位決定戦は、1秒のペナルティを加算されながら63秒451をマークしたアーロン・デリュー選手が、エマ・マクドナルド選手(64秒720)を上回って3位。参戦2年目のデリュー選手は、全4戦のうち3戦で表彰台に立った。
第4戦リザルト・2026年シリーズ最終ランキング


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1位: パトリック・デビッドソン(Team 77)- 33 pts(予選8 / 決勝25)
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2位: 室屋 義秀(LEXUS PATHFINDER AIR RACING)- 23 pts(予選5 / 決勝18)
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3位:アーロン・デリュー(Aarron Deliu Racing)- 15 pts(予選0 / 決勝15)
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4位: エマ・マクドナルド(Beyond Gravity)- 15 pts(予選3 / 決勝12)
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5位: フアン・ベラルデ(Team Velarde)- 10 pts
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6位: マイク・トリグヴァソン(Viking 12 Racing)- 8 pts
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7位: マーティン・ソンカ(Red Bull Team Sonka)- 6 pts
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8位: メリッサ・バーンズ(Melissa Burns Racing)- 4 pts
第4戦終了後コメント

■ 室屋選手コメント
最終戦は変化の激しい天候と風に苦しめられる難しいレースとなりました。その中でも自分たちのベストを尽くし、トラックレコードを更新しながらフライトができました。しかし予選ではパトリック選手がさらに記録を塗り替え、2位で決勝へ進みました。シリーズチャンピオンを懸けた戦いは、決勝でのパトリックとの激突とな僅差の勝負となりましたが、一歩及ばず敗れ、年間ランキング2位という結果でシーズンを終えました。チームが積み重ねてきた挑戦は確実に前進していますが、とても悔しい挑戦となりました。この経験を来シーズンにつなげ、必ずの王座奪還を目指します。
■ 中江雄亮テクニカルコーディネーター コメント
このレースでシリーズチャンピオンが決まる。絶対に落とせない一戦。その想いをメンバー一人ひとりが胸に刻み臨んだ最終戦でした。技術面もレースオペレーションも課題は潰し込み、チームは士気高くとても良い状態でした。それが功を奏し、予選から決勝まで想定タイムを大幅に短縮する好タイムを出すことができました。しかし、そのタイムをパトリック選手に塗り替えられたことは大きな衝撃であり、悔しさしかありません。2025年シーズンの最終戦でパトリック選手に逆転された時から「王座奪還」を掲げチームで様々な挑戦をしてきたつもりでした。まだまだ我々にはやるべきことがあると再認識しました。今日から来シーズンに向けて再スタートを切りたいと思います。2026年シーズンも応援してくださり、ありがとうございました。
■ 激闘の2026年シーズン閉幕——挑戦はこれからも続く

全4戦にわたって繰り広げられたAIR RACE X 2026年シーズン。新ルールの導入、ドローンを活用した気象データの解析、そして毎戦ミリ秒単位で進化を続けるライバルたちとの凌ぎ合いなど、チームにとっても多くの挑戦と進化が詰まった濃密な1年となった。
惜しくも最終戦での優勝は逃したものの、極限の環境下で最後まで攻めの姿勢を貫いた室屋選手とLEXUS PATHFINDER AIR RACING。今シーズン培ったデータとチームの絆を胸に、さらなる高みを目指してチームは次なるステージへと歩みを進めていく。
今シーズンも温かいご声援をいただき、本当にありがとうございました。
■ LEXUS PATHFINDER AIR RACING について


エアレース・パイロット室屋義秀選手とLEXUSによる共創チーム。2017年の「技術交流会」発足を起点に、2021年にチームパートナーシップを締結しました。空力や冷却といったレース機の技術を車両開発へ、乗員を補助・支援する車両の技術をレース機の開発へ——空と陸の境界を越えた技術交流により、双方の進化を目指しています。2023年より「AIR RACE X」に参戦し、初代王者ならびに2024年シリーズチャンピオンを獲得。チーム活動で得られた知見は、LEXUSの「もっといいクルマづくり」へと還元されています。
公式サイト:https://lexus-pathfinder-airracing.com/
公式SNS:<X>https://x.com/lexus_airracing
<インスタグラム>https://www.instagram.com/lexus_airracing/
■ AIR RACE X(エアレースエックス)について
エアレースとは、航空機が三次元空間に設けられたコースを飛行し、スピードと精密な操縦技術を競う空のモータースポーツ。
AIR RACE Xは、その世界最高峰チャンピオンシップです。限界まで研ぎ澄まされた専用レース機を、世界トップレベルの技術を持つパイロットが操り、最高時速400km・最大重力加速度12Gという極限環境の中で、飛行タイムと操縦精度を競います。
各レースの結果に応じてポイントが付与され、シーズンを通じた総合ポイントによって年間チャンピオンが決定します。
2026シーズン 全4戦
第1戦 6/28(日)|第2戦 7/19(日)|第3戦 8/16(日)|第4戦 9/13(日)
いずれも大会公式YouTube( https://www.youtube.com/@AIRRACEX )でご覧いただけます。
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