マラリアや顧みられない熱帯病(NTDs)、エボラウイルス病などの新興・再興感染症の製品開発に約10.6億円を投資

GHIT Fund

公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(以下、GHIT Fund)は、マラリアや顧みられない熱帯病(NTDs)、エボラウイルス病をはじめとした新興・再興感染症の治療薬、ワクチン、診断薬の製品開発9件に、合計約10.6億円の投資(助成)を決定しました*1。

細菌感染性の眼の疾患トラコーマに対する迅速診断検査の臨床評価、薬事承認および実運用導入に約4.5億円を投資

トラコーマはクラミジア・トラコマチスという細菌の感染によって引き起こされる眼疾患で、世界で約190万人の失明または視覚障害の原因となっています。現在、約9,200万人がトラコーマの流行地域で暮らしており、失明のリスクにさらされています*2。

現在、トラコーマ対策は抗生物質の集団投薬 に依存しており、集団投薬の開始・中止決断のガイドとなる迅速検査キットが求められています。GHIT Fundは、Drugs and Diagnostics for Tropical Diseases(DDTD)、株式会社医学生物学研究所、カーター・センターおよびBig Eye Diagnostics, Inc. が共同で推進するトラコーマ迅速診断検査の開発プロジェクトに対し、約4.5億円の投資をすることを決定しました。本プロジェクトは、2024年よりGHIT Fundが支援を行っているもので、WHO目標製品特性に完全適合する診断検査の確立を目指しています。今回の投資により、臨床評価、薬事承認および実運用への導入をさらに加速させます。

死者4,500人を超えるエボラウイルス病の迅速診断の開発が急務、約2.1億円を投資

2026年5月17日(日本時間)、世界保健機関(WHO)がコンゴ民主共和国およびウガンダにおけるブンディブギョウイルスによるエボラウイルス病の発生に対し「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言して以降、GHIT Fundは、エボラウイルスを含むフィロウイルス感染症の迅速診断技術およびPOC(ポイント・オブ・ケア)検査の製品開発支援を強化してきました。2026年10月21日時点で、コンゴ民主共和国で死者4,500人を超える流行が報告されており*3、感染拡大を防ぐためには感染者を早期に特定し隔離するための迅速な診断手段の確立が急務となっています。こうした状況を受け、当基金はエボラウイルス病の迅速診断技術開発を進める3つのプロジェクトに対し、合計約2.1億円の投資を決定しました。詳しくは別紙1をご覧ください。

1)       株式会社医学生物学研究所および長崎大学によるブンディブギョウイルス迅速検出のためのRT-LAMP/核酸クロマトグラフィー診断デバイスの開発プロジェクト

2)       埼玉大学によるブンディブギョウイルスを対象としたラテラルフロー免疫測定法の開発プロジェクト

3)       栄研化学株式会社によるブンディブギョウイルス検出用LAMP法検査薬の開発プロジェクト

その他にも、西アフリカに広く分布しているラッサ熱に対する次世代ワクチンの開発プロジェクトや、重篤なアウトブレイクを引き起こす可能性のあるニパウイルスとヘンドラウイルスに対する対策となる迅速抗原検査の開発プロジェクト、またマラリアやデング熱、チクングニア熱、シャーガス病などの顧みられない熱帯病に関する製品開発など以下の5つの研究開発プロジェクトに対して、合計約4億円の投資を決定しました。

1)     大阪大学の3研究機関(先端モダリティ・DDSワクチン開発拠点(CAMaD)、微生物病研究所(RIMD)、医学系研究科(UOsaka Med))とテキサス大学医学部ガルベストン校(UTMB)による、ラッサウイルスに対する二価 mRNA–脂質ナノ粒子ワクチンの開発、製剤最適化および効果の評価に関するプロジェクト

2)     PATHとiBody株式会社による、重篤なアウトブレイクの危険性があるニパウイルスとヘンドラウイルスの流行性・致死性疾患に対する高性能免疫グロブリンの戦略的創出プロジェクト

3)     エーザイ株式会社、Medicines for Malaria Venture (MMV)による、バイオインフォマティクスと機械学習を用いた抗マラリア活性の向上を目指すアンチセンスオリゴヌクレオチドのデザインならびにスクリーニングプロジェクト

4)     長崎大学、エーザイ株式会社、Drugs for Neglected Diseases initiative (DNDi)、ダンディー大学による、シャーガス病治療薬の開発成功率向上を目指し、革新的アプローチを導入した創薬プロジェクト

5)     株式会社ビズジーン、宮崎大学、マヒドン大学、ペルーのサンマルコス大学、ペルーの生物医学・環境技術研究センターによる、デングウイルス血清型別およびチクングニアウイルスを検出する迅速全血マルチプレックス抗原検査プロジェクト

各プロジェクトの概要や開発段階など、詳しくは別紙1をご覧ください。

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2026年9月30日時点で53件のプロジェクトが進行しており、その内訳は26件の標的・探索研究、14件の非臨床試験、13件の臨床試験*4となります。GHIT Fundのこれまでの累積投資金額は約481億円となります。詳しくは別紙2をご覧ください。

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注記

1 これらの案件は、公募RFP2025-002およびRFP2026-001(標的研究プログラム、スクリーニング、ヒット・トゥ・リードプログラム、製品開発プログラム)の中から選定され、承認されたものです。

2   WHO(世界保健機関)https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/trachoma参照

3   Centers for Disease Control and Prevention https://www.cdc.gov/ebola/situation-summary/index.html 参照

4  薬事申請の段階にある案件を含みます。診断薬開発において、途上国における患者サンプルを使用した臨床的妥当性の評価を行う段階に入った案件については、表現の便宜上、臨床試験として扱っています。

【グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)について】

公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は、日本政府(外務省、厚生労働省)、製薬企業などの民間企業、ゲイツ財団、ウェルカム、国連開発計画が参画する国際的な官民パートナーシップです。世界の最貧困層の健康を脅かすマラリア、結核、顧みられない熱帯病(NTDs)などの感染症と闘うための新薬開発への投資を行っています。治療薬、ワクチン、診断薬を開発するために、GHIT Fundは日本の製薬企業、大学、研究機関の製品開発への参画と、海外の機関との連携を促進しています。詳しくは、https://www.ghitfund.org/jpをご覧ください。

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会社概要

URL
https://www.ghitfund.org/jp
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都港区六本木一丁目9-10 アークヒルズ仙石山森タワー 25階
電話番号
03-6441-2032
代表者名
國井 修
上場
未上場
資本金
-
設立
2012年11月