話し方トレーニングkaeka、経営層の話し方に関する分析を公開。日本の経営層の9割以上が話し方を磨く余地があることが判明。
話し方トレーニングサービスを提供する株式会社カエカ(本社:東京都中央区、代表取締役:千葉佳織、以下カエカ)は、経営層の話し方データを分析し、日本のリーダーの話し方に関する傾向を調査しました。

「経営層の音声分析」分析結果について
本レポートは、**AIを活用した話し方診断「kaeka score」**を用いて、日本の経営層の話し方を分析した結果をまとめたものです。
「kaeka score」は、「言語力・構成力」「話し方」の特徴量を可視化し、自分の伝える力の傾向を客観的に掴むことができるオリジナル診断ツールです。AIと専門家の視点を融合した採点方法により、総合的な「話す力」を図ることが可能な話し方診断となっております。本調査では、経営層の話し方に関するデータを収集・解析し、その特徴や共通点を明らかにするとともに、信頼感や説得力を高めるための要素について検討しました。
■調査サマリー
・53%の受験者が声の高低幅に課題があり、話に抑揚がなく退屈な印象を与える可能性があることが判明。
・経営層の7割以上は、一文を短く端的でわかりやすい話ができている。一方で3割弱の受験者が一文の長さが長すぎる傾向にあり、複雑でわかりづらい印象を与えるリスクがあることが示唆される。
・40%の受験者が1分間に6回以上のフィラー※1を使用しており、信頼感を損なう話し方になっている可能性が指摘される。
※1 フィラーとは「えー」「あの」といった無意識に出てしまう意味のない言葉を指す。
・9割以上の経営層が、話し方について改善の余地があることが判明した。
経営者や役員などの経営層にとって、話し方は組織の方向性を示す重要な手段です。抑揚のある話し方は説得力を高め、簡潔で明確な表現は素早い意思決定に寄与します。また、フィラーを減らすことで信頼感が高まり、ステークホルダーや社員の共感を得ることが可能です。
リーダーシップが求められる時代だからこそ、話し方の改善は経営層にとって重要なスキルであり、組織全体のパフォーマンス向上につながる鍵となります。

◾️声の高低を用いると抑揚をつけた話になる
今回の調査では、経営層の話し方について、声の高低幅と話すスピードに関する分析を行いました。
声の高低幅と話すスピードは、話し手の第一印象に大きな影響を与えています。具体的には、声の高低幅が1オクターブ以上、スピードが290〜350モーラ※2/分の話し方は、聞き手にわかりやすくメリハリのある話し方と捉えられる傾向があります。(カエカ独自の分析をもとに数値を算出しています。)
※2 モーラとは日本語の音の長さを数える単位です。たとえば、「カエカ」という言葉は「カ・エ・カ」と3つのモーラでできています。長音(「あー」など)や小さい「っ」も1モーラとして数えます。
実際にAppleの元CEOであるスティーブ・ジョブズ氏(以下ジョブズ氏)も、声の高低を使い分けて話していたとされています。『平均のピッチレンジは 約12セミトーン(1オクターブ) に達し、一般的なスピーチ(6-8セミトーン程度)と比較して非常に広いです。』※3
※3:論文「What makes a charismatic speaker? A computer-based acoustic-prosodic analysis of Steve Jobs tone of voice」より
比べると今回の受験者の43%はこの基準に対し、高低幅が少なく話すスピードが早いという結果が出ています。この集団は、話している際にどの情報が重要なのかが分かりにくく、話が右から左に流れる印象を与える可能性があります。
また受験者のうち8%は、高低幅が少なく話すスピードが遅いという結果が出ています。この集団は、話している時に全体として冗長でダラダラとした印象を与える可能性が高いです。特に抑揚が弱く話すスピードが遅い場合、メッセージの説得力を欠く恐れがあります。
経営層が声の抑揚を改善し、適切なスピードで話すスキルを身につけることで、社員や投資家に説得力のあるメッセージを伝えられるようになります。今回の分析から、そのために声の高低幅を広げることは非常に有益な手段だとわかりました。これにより、リーダーシップの強化や意思決定への支持が得られ、組織全体の方向性を明確に示すことが可能となるでしょう。

◾️一文の長さが話の印象を決める
二つ目に、経営層の話し方について、一文の長さと話のスピードの分析を行いました。
一文の長さと話すスピードは聞き手にとっての分かりやすさを左右します。具体的には、プレゼンでは一文の長さは一文あたり60文字程度、スピードについては290〜350モーラ/分のスピードが最適とされています。(カエカ独自の分析をもとに数値を算出しています。)
ジョブズ氏は、実際短く文章を区切ってお話ししていたとされています。『彼は短い文をテンポよく区切って話すことで、速さとリズム感を感じさせます。』※3 と論文にも示されています。

7割以上の受験者は一文を短く話をすることができていました。この集団は話すスピードが速い場合は、ハキハキと明るい印象を与えます。話すスピードが遅い場合には堂々とした印象を与えることができます。
しかし、3割の受験者は一文が70文字以上と長文傾向にあり、複雑で理解しづらい印象を与えている可能性があります。これにより、重要なメッセージが埋もれ、聞き手に正確に伝わらないリスクが指摘されました。特に一文の長さが長く、話すスピードが速い集団は情報量が多く右から左に話が流れる印象を与えてしまいます。たくさんの人に向けて話す場面では特に伝わりづらい話し方となってしまいます。
経営層が一文の短さと適切な話のスピードを意識することで、社員や投資家とのコミュニケーション、また取引先との商談の場面で円滑な意思疎通が可能となります。これにより、重要な決定事項や方針が効果的に伝わることや、商談の場においてより信頼感を持ってもらえるでしょう。
◾️フィラーの多用は話し手の印象を左右する
3つ目に、フィラーの回数を分析しました。
1分間に6回以上フィラーを使用していると、話の中でフィラーが目立つようになっています。(カエカ独自の分析をもとに数値を算出しています。)
ジョブズ氏は実際に、『詰まりやためらい(「えーと」など)は非常に少なく、22分間のスピーチでわずか 41回 (全話時間の1%未満)でした。』と言われています。※3

今回の調査では、過半数の経営層がフィラーをあまり使っていないという結果が得られました。これは、日々の業務やプレゼンテーションを通じて、話し方への意識が高まっていることを示しているのかもしれません。
一方で、受験者の40%は1分間に6回以上フィラーを使用していました。よって、聞き手に「準備不足」や「自信がない」といったネガティブな印象を与える可能性があります。また、フィラーは話を冗長にし、一文を長くすることで聞き手の理解を妨げる要因にもなるのです。
フィラーを意識的に削減することで、話し方が一気に「わかりやすく」なるだけでなく、話し手が自信を持っているように見えること。これにより、聞き手には安心感が生まれ、信頼関係が構築されやすくなります。特に経営者や役員の立場では、この「伝わりやすさ」と「信頼感」がビジネスの成果を左右するといっても過言ではありません。
「話し方が人の印象に与える意識調査」について
■調査実施の背景
・ジョブズ氏のプレゼンは、分かりやすさで広く知られています。リーダーの魅力的な話し方は聴衆を惹きつけ、世論を動かす強力な手法となります。実際、ジョブズ氏に関する研究では、『スティーブ・ジョブズ氏は、高いピッチや速い話速、多様なリズムと強調を巧みに使うことで、単調さを排除し、「カリスマ性」を感じさせる話し方を実現していました。また、聴衆のニーズに応じて音声の特徴を調整する能力が、彼のスピーチを一層魅力的なものにしていたことが指摘されています。』(論文「What makes a charismatic speaker? A computer-based acoustic-prosodic analysis of Steve Jobs tone of voice」より)と記されています。
・前回の弊社レポートより、89.0%の人が国や企業の経営層に対して「話し方を改善してほしい」と思ったことがあると回答しました。また、20代から50代までの各年代において、年齢が上がるほど話し方の改善を望む人の割合が増加していることも明らかになっています。
前回の調査:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000056190.html
そのため、該当する日本の経営層がどのような話し方なのかを明らかにすることの必要性を感じました。話し方トレーニングサービスを行うスタートアップとして、これまで蓄積してきた該当者のデータをもとに両者にとって理想となるコミュニケーションになるのかを調査しました。
日本の経営層においても、同様にカリスマ性や説得力を高める話し方が求められていますが、実際にはフィラーの多用や話速、リズムの問題が聴衆に与える印象を左右している可能性があります。このような背景から、経営層の話し方の分析を行いました。
■調査概要
調査対象:kaeka score受験者
調査期間:2025年1月
調査方法:kaeka scoreの受験者データにより該当データをランダムに抽出
調査サンプル:105
話し方トレーニングサービス「kaeka」について
◾️概要
話し方トレーニングサービス「kaeka」を主軸に、経営者、政治家、社会人に向けて話し方トレーニングを提供しています。さらに、企業の総会や新作発表会、国政選挙などでスピーチ原稿の執筆に取り組んでいます。
話す力を数値化し、体系的カリキュラムを提供するサービスが「kaeka」(https://kaeka.jp)です。現在は、銀座・築地に校舎を構え、スポットライトのついたステージを使って対面トレーニングを実施しています。さらに「kaeka」では政治家向けに選挙対策のトレーニングや、トレーナーと1対1で行う完全パーソナルトレーニングも実施しています。

■法人向けプランについて
kaeka 法人・団体向けプランでは、業種や企業状況、受講される方の職種に応じて、最適なトレーニングプランの作成を行います。企業だけでなく、学校や政党などさまざまな団体のお客様に向けてご提供が可能です。
話す力を数値化し分析する「kaeka score」や演説力診断「kaeka score politics」の活用により、受講される方の話し方の傾向を事前に診断した上で、組織の特徴に合わせたオリジナルカリキュラムのご提案が可能になりました。企業や団体のご要望に合わせて、グループトレーニングとパーソナルトレーニングを活用したトレーニングの設計を行っております。
話し方トレーニングに興味を持った方はこちら

◾️これまでの実績
・5000人以上の社会人・経営者の方に向けてトレーニングや講演活動を実施してきました。
・政治家の方に向けても60人以上のマンツーマントレーニングを実施しており、富山県知事の新田氏、品川区長の森沢氏、芦屋市長の高島氏をはじめとした多くの政治家の方にご利用いただいています。
参考:kaeka公式note (https://note.com/kaeka/n/na21b03a23426)
・国山ハセンさん(元アナウンサー)、石山アンジュさん(コメンテーター)などの芸能関係者のスピーチトレーニングも実施実績があります。
■カエカについて
株式会社カエカは「『話し方教育』を全国に広げ、誰もが言葉を磨く社会をつくる」をビジョンに掲げ、2019年に創業いたしました。
会社名:株式会社カエカ
代表者:千葉佳織
所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座3丁目14-10 第一恒産ビル3F
設立:2019年12月3日
事業内容:
・話す力を数値化しあなたの課題を解決する話し方トレーニングサービス「kaeka」
・完全プライベートの話し方トレーニングサービス「kaeka pro」
・話し方トレーニングを研修として組織で受講できる「kaeka 法人・団体向けプラン」
・話す力を数値化し強みと課題を見つける「kaeka score」
・政治家に特化し話す力を数値化し強みと課題を見つける演説力診断「kaeka score politics」
・スピーチ原稿のライティング
・URL:https://kaeka.jp/
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