トグルホールディングス、総額38.3億円のシリーズB資金調達を完了

AI技術を駆使し、不動産業界の変革に挑戦

トグルホールディングス株式会社

2025年1月29日 10時00分

トグルホールディングス株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役：伊藤嘉盛、以下「トグル」）は、日本郵政キャピタル、ALL STAR SAAS FUND、BRICKS FUND TOKYOなどを引受先とした第三者割当増資を実施し、シリーズBのセカンドクローズとして約15億円の資金調達を完了しました。これにより、シリーズBの累計調達額は38.3億円（当座貸越枠含む）に達しました。本調達資金を活用し、さらなるプロダクト開発、組織体制強化を進めてまいります。

投資不動産業界の課題

日本には約280兆円規模の投資用不動産が存在していますが、多くの不動産がその価値を正しく評価されていません。

不動産は土地と建物から成り立っていますが、特に土地の価値を算出することは難しく、時間とコストがかかるため、これが大きなボトルネックとなっています。さらに小規模な不動産においては、土地の価値の算定に必要な調査費用がROI（投資利益率）に見合わない場合が多く、土地情報のデータ化が進んでいないのが現状です。

その結果、その土地を最も有効活用できる投資家と地権者を繋げることができず、価値が最大化されない土地が多く存在し、地権者や投資家にとって資産形成の機会損失が生じています。この課題を解決するためには、効率的に土地情報をデジタル化できる仕組みを構築することが必要です。

これまでの実績

投資不動産業界の課題を解決するため、トグルはAI技術を駆使し、誰でも簡単に土地の価値を算出できるテクノロジーを開発しました

このテクノロジーを活用することにより、土地の基本情報を入力するだけで、都市計画や条例を反映させた上で、その土地に建てられる最大規模の建物データを自動生成することが可能になりました。さらに、この建物データに加え、周辺エリアにおける同規模の物件成約状況や路線価情報なども自動収集できるシステムを構築することで、その土地が持つポテンシャルをデータ化することに成功しました。

トグルのグループ会社でデベロッパーであるフジケン社ではこのテクノロジーを積極的に活用し、不動産開発業務の効率化を実現してきました。テクノロジーの導入により、土地の価値算出が容易になり、ポテンシャルのある土地を早期に発見できるようになりました。また、地権者や投資家に対しても適切な金額で提案が可能となりました。

結果的に用地取得効率は従来の14倍に向上、仕入れ数の増加とともに売上は99億円を超えました。さらに、自社開発のテクノロジーをSaaSプロダクトとして提供し、不動産開発業界の変革にも挑戦しています。

今後の展望

トグルは、不動産クラウドファンディングや不動産投資事業を通じて、金融のノウハウを活用し、透明性の高い不動産流通の促進にも力を入れています。バリューアップした不動産を金融と接続することで、透明性が高い状態で不動産投資機会を創出しています。

「すべてのまちと、まちをつくる人たちのために」というミッションのもと、不動産、建築、金融の3つの分野を融合させ、これまでの業界が抱える課題を根本から解決するデジタルインフラの構築を目指しています。

シリーズB セカンドクローズ出資者一覧

・日本郵政キャピタル株式会社
・ALL STAR SAAS FUND
・BRICKS FUND TOKYO（三菱地所株式会社 / 株式会社プライムパートナーズ）
・株式会社レアゾン・ホールディングス
・株式会社ウイング・キャピタル・パートナーズ（足利銀行のCVC）
・株式会社QRインベストメント（北國銀行のCVC）
・株式会社サンケイビル
・他、個人投資家　複数名

借入先金融機関（当座貸越枠）

・株式会社武蔵野銀行
・株式会社北國銀行

投資家からのコメント

日本郵政キャピタル株式会社　

投資部門　シニア・マネージャー　井形晋太郎

トグルホールディングス株式会社は、不動産投資市場における既存の商流の課題を解決するだけでなく、革新的なプロダクトを通じて用地仕入れのプロセスを刷新しています。日本郵政グループは約2.8兆円の不動産をはじめとした多様な資産を有していますが、これらのアセットを活用して多岐にわたる協業を推進したいと考え、出資させていただきました。トグルホールディングス株式会社の掲げる「つくる・かえる・かわる」というパーパスの実現に向け、我々も共に歩みたいと思っております。新たな価値を「つくる」こと、お客様やパートナーの生活をより良く「かえる」こと、そして、日本郵政グループ自身が「かわる」ために、日本郵政キャピタルは微力ながらも全力を尽くしてまいります。

ALL STAR SAAS FUND

マネージングパートナー　前田ヒロ

シニアパートナー　湊雅之

トグルホールディングスのシリーズBラウンドに参加させていただき、大変うれしく思います。トグルホールディングスは、不動産事業者向けソフトウェア事業にとどまらず、不動産開発の最上流である用地開発から不動産開発まで、自社で最新のテクノロジーを駆使し、次世代の総合型不動産サービスを提供しており、従来のテックスタートアップの枠組みを超越した、非常にユニークな存在と言えるでしょう。

イタンジを創業した連続起業家の伊藤氏を筆頭に、不動産×ソフトウェア×金融業界出身の精鋭がタッグを組み、これまでめざましい成長を遂げてきました。トグルホールディングスが、日本の不動産開発という産業全体のあり方を、大きく前進させる存在になることを心より期待しています。

BRICKS FUND TOKYO（三菱地所株式会社のCVC）

橋本雄太（三菱地所株式会社新事業創造部イノベーション推進・CVCユニット主事)

堀部大司（株式会社プライムパートナーズ　Co-founder & Managing Partner）

従来の不動産開発業務は用地取得等において情報の非対称性や旧来の非効率的な商習慣など様々な課題が山積し、一層のデジタル化が期待されている分野です。トグルホールディングスは、AI技術を活用して効率的な用地探索や収益性評価を実現するとともに、自らが各業務を実行できる高度なオペレーションのケイパビリティを組み合わせることで、データドリブンかつ高回転型の用地売買・開発事業を実現しています。本ファンドは、同社への出資を通じて、デジタル化の進展が求められる不動産開発業務の高度化に向けた共同研究や事業連携を通じて同社の産業インフラ化を支援し、不動産業界全体のDX促進と持続可能な発展に貢献してまいります。

株式会社レアゾン・ホールディングス

井上健（株式会社レアゾン・ホールディングス取締役グループCFO）

前回資金調達に引き続き投資をさせていただきました。トグルホールディングスの事業成長は著しく、そのテクノロジーに対して不動産流通市場に強いニーズがあることを実感しております。弊社もテック企業として、同社のテクノロジーが不動産市場のデジタル化を促進することを期待し、今後のチャレンジをより強くサポートさせていただきます。

武蔵野銀行

深谷支店　支店長　竹尾宣保

フジケン様、トグルホールディングス様は、ＡＩの活用により不動産業界のインフラに革命を興し、圧倒的な成長を実現しておられます。今後の事業の更なる成長性に期待し、今般当貸枠の増額を実行させて頂きました。引き続き貴社のパートナーとして伴走支援させていただきます。

株式会社北國銀行

東京営業部長　竹内均

フジケンをはじめトグルホールディングスの皆様はAI技術を巧みに不動産事業に組み込まれ、飛躍的な成長を遂げられました。最新テクノロジーの活用におかれては、業界内でも卓越した存在感を発揮されています。

また、自社内で確立された技術を活用し不動産業界全体の課題解決に取り組まれ、業界全体をトランスフォームさせようとされています。これらのお取り組みは不動産と密接につながる金融業界にも良い影響を与えると大いに期待させていただいています。

代表コメント

このたび当社は、シリーズBラウンドにて総額38.3億円の資金調達を実現いたしました。これもひとえに、投資家・パートナー企業をはじめ、日頃より力強いサポートをお寄せくださるすべてのステークホルダーの皆さまのおかげであり、心より御礼申し上げます。

私たちは「まちとまちをつくるひとたちのために、不動産取引を１日で完遂する世界を実現する」というビジョンのもと、不動産・建築・金融を束ねるデジタルインフラを構築し、AIと業界を共進化させながら、新たなスタンダードを打ち立てるべく挑戦をしております。

情報格差や属人的なノウハウに左右されてきた不動産業界を変え、日本の街づくりを加速させるために、私たちはデジタルツインの導入や建築基準法の数式化など、先端技術を駆使したプロジェクトを推進しています。こうした取り組みを通じて、不動産開発に関わるあらゆるステークホルダーが協力しやすい基盤を整え、不動産・建築・金融が有機的につながる新しい産業モデルを構築することで、日本の不動産価値全体を底上げしてまいります。

今回の資金調達を機に、私たちはこれまで以上に果敢にチャレンジを続け、不動産取引を１日で完遂できる未来を目指してさらなる成長を図ってまいります。次なる一歩に向けて、皆さまからいただいたご期待に応えられるよう、組織一丸となって尽力してまいりますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。