火力発電所における巡視点検のスマート化に向けた取り組みについて
~玉島発電所において自律飛行型ドローンによる巡視点検の実証を開始~
中国電力株式会社(本社:広島県広島市、代表取締役社長執行役員:中川 賢剛、以下「中国電力」)、中電工業株式会社(本社:広島県広島市、代表取締役社長:梅田 健司、以下「中電工業」)、KDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:博野 雅文、以下「KDDIスマートドローン」)は、中国電力玉島発電所(所在地:岡山県倉敷市)において、自律飛行型ドローンを活用した燃料油タンク(注1)の巡視点検の実証(以下「本実証」)を本日開始しましたので、お知らせします。
本実証では、運転員による巡視点検に代えて、事前に設定した巡視点検ルートを自律飛行するドローンで、高所に点検箇所が点在する燃料油タンク(直径40.6~46.4m、高さ16.5~25.0m、6基)の外観を自動撮影し、その映像を運転員が確認することで、設備の健全性を判断します。
これにより、これまで運転員が実施してきた燃料油タンクの巡視点検を代替し、異常の早期発見などの保安力の向上、巡視点検の効率化を図ります。また、高所での点検作業が削減されることから、巡視点検に伴う安全上のリスク低減にもつながります。

火力発電所では、トラブルを未然に防ぎ安定運転を確保するため、運転員が日常的に設備の巡視点検を実施しています。このために、多くの時間と人的資本を必要としていることに加え、近年では、電気保安分野における人材確保や設備の高経年化が課題となっています。
こうした課題を背景に、火力発電所におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の一環として、ドローン等を活用した巡視点検のスマート化による保安力の向上および業務効率化が期待されています。
【本実証の概要】
本実証では、運転員の遠隔からの飛行指示により、発電所構内に設置したドローンポートからドローンが離陸し、事前に設定した巡視ルートに沿って自律飛行・自動撮影を行い、設備情報を継続的かつ効率的に取得します。運転員は、現場に立ち会うことなく遠隔でドローンの飛行状況を監視し、ドローンが撮影した映像から燃料油タンク本体や配管等の変形、腐食、漏油等の有無を確認し、設備の健全性を判断します。
こうした取り組みにより、設備状態の変化や異常兆候を把握しやすくなることで、点検精度の向上を図るとともに、点検時間の短縮を実現し、保安力の向上および巡視点検の効率化を目指します。また、運転員の屋根への昇降や高所での点検作業も削減されることから、転倒や熱中症などの安全上のリスク低減にもつながります。
本実証は、本日から2026年度末まで実施する計画としており、以下項目について、継続的かつ安定的に運用できるかを検証していくこととしています。
<検証項目>
・ドローン取得データの点検適合性
取得した映像や画像を活用した設備状態の健全性判断
・通信回線の安定性
光回線の敷設が難しい立地での、自律飛行および映像伝送に必要な通信速度の確保
・自律飛行の再現性
自律飛行による同一地点・同一画角での定点撮影精度の確保
<各社の役割>
中国電力
発電所の運用・保守に関する知見を基に、ドローンによる巡視点検内容や検証項目の設定、自律飛行に係る遠隔指示(注4)、ドローン映像から設備の健全性判断
中電工業
塗装工事の材料輸送に係る豊富なドローン飛行実績を基に、中国電力の運転員による自立運用に向けた初期段階でのドローンの遠隔指示の代行、ドローン操作指導および運用支援、自律飛行に係るルート設定
KDDIスマートドローン
各地のインフラ設備で積み重ねてきたドローンポートおよび自律飛行型ドローンの運用知見を基に、機体および機器の提供、通信回線の整備
3社は、本実証を通じて技術・知見を蓄積し、2027年度における玉島発電所での本格運用開始を目指すとともに、以降は、中国電力の他の火力発電所への展開についても検討するなど、電気保安のスマート化を推進し、持続可能な電力インフラの構築に取り組んでまいります。
さらに、中電工業およびKDDIスマートドローンは、本実証で得られた技術・知見を基に、石油備蓄基地や変電所などのインフラ設備においても、同点検の導入により設備異常の早期発見や点検の効率化、安全性の向上を実現し、社会インフラの安定運用に貢献していきます。
注1:重油と原油タンク
注2:今回活用するドローン(Skydio X10)は「AIによる360°障害物回避」や「ビジュアルセンサーを利用した自動飛行の再現性」といった自律飛行に係る高い能力を有しており、あらかじめ設定したルートを自動で飛行することが可能
注3:ドローンが離着陸し、充電やデータ通信を行うための設備(専用基地)
注4:点検開始時のドローンの離陸指示および緊急時の安全帰還または安全着陸の指示
以 上
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