Scene、3D形状から過去の設計資産を探せる「3D類似検索」を2026年10月にβ提供開始 重複部品の新設を止め、標準化を後押し
品番を知らなくても、3D形状を投げるだけで類似部品・ユニット・装置まで到達。仕様書やレビュー指摘、過去トラ情報までまとめて引き出せます。
設計から生産準備までをつなぐ製造業向けクラウド基盤「Scene Workspace」を提供するScene株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:ビジャヤン・スワティナト)は、2026年10月、3Dモデルの形状から過去の設計資産を検索できる新機能「3D類似検索」のベータ版提供を開始します。
これまで社内の過去資産にたどり着く手段は「品番で探す」「フォルダをたどる」「人に聞く」の3つに限られ、いずれも言葉を入口とするものでした。3D類似検索は、設計中の形状そのものを検索キーにすることで、品番も命名規則も知らない担当者が、過去の類似部品・ユニット・装置と、それに紐づく仕様書・レビュー指摘・過去トラ情報までまとめて引き出せるようにします。
開発の背景|過去の資産を探す入口は、多くは「言葉」や「人依存」
品番で探す 品番を知らないと引けず、品番からは形状が分かりません。入力ミスや付け漏れがあれば検索結果にも出てきません。
フォルダをたどる 命名規則を知らないと辿れず、部門・年代で切り方も異なります。開いてみるまで当たりかどうか分かりません。
人に聞く その案件の担当者しか知らず、異動・退職とともに情報が消えます。聞ける相手がいなければそこで止まります。
いずれも「言葉」を入口とする手段であり、3Dの形状そのものからは探せません。結果として、探し当てられるかどうかが、担当した経験と聞ける相手がいるかに左右されているのが現状です。
探せないことで、3つの損失が毎年積み上がる
重複部品が増え、標準化が進まない 似た部品があっても探せず新しく作る。部品点数が増え続けて社内標準が育たず、調達も集約できないため単価が下がりません。
同じ検討作業を何度も繰り返す 過去の検討結果にたどり着けず、同じ資料・同じ計算を作り直す。いわば「車輪の再発明」が常態化します。
同じ品質トラブルを繰り返す 過去の不具合や指摘が次の設計に回らず、担当者が変わると経験ごと失われます。先祖返りや手戻りと市場不具合の温床になります。
問題は「探す時間」ではなく「部品が増えること」
エンジニアは業務時間の約3分の1を非付加価値作業に費やしており、その最大の要因がデータ探しだとされています。しかし金額として大きいのは、探す時間そのものよりも、探せなかったために部品を新設してしまうことです。
部品1点を抱え続ける費用 1件の部品番号を社内に存在させ続けるためには、調達・取引・在庫の各コストを含めて年間4,500〜23,000ドル(約68万〜345万円、1ドル150円換算)がかかるとされています。一度きりの費用ではなく、その部品が生きている限り毎年かかり続けます。本リリースでは国内の実態に合わせ、新規部品1点あたり年約30万円を保守的な目安として試算しています。
見えているのは設計の工数だけ 1部品を追加すると、調達(サプライヤー選定・見積・交渉)、品質(検査基準・検査文書の新設)、製造準備(治具・工具・加工プログラム)、在庫(保管・棚卸・陳腐化)、マスタ管理(登録と改訂・廃番)と、水面下に5部門ぶんの費用が発生し続けます。

部品の3〜4割は重複している 社内の部品番号のうち30〜40%が重複または代替可能とされています。仮に年間の新規部品を300件、そのうち20〜30%(60〜90件)が重複・不要な新設だとすると、1点あたり年約30万円の目安では、およそ1,800万〜2,700万円ぶんの費用が毎年新たに積み上がる計算になります。
「3D類似検索」でできること|対象となる形状を含むユニット・装置まで、まとめて探せる
STEP 1|形状を投げる 部品1点でも、サブアセンブリごとでも検索できます。設計中の形状をそのまま投げればよく、品番は不要です。
STEP 2|どのレイヤーでも探せる 投げた形状に似た「部品単品」だけでなく、その形状を含む「サブアセンブリ」、さらにそのユニットが使われた「装置」まで、階層をまたいで探し当てます。
STEP 3|紐づく情報まで届く ヒットした3Dモデルから、仕様書(設計の経緯)、過去のDRでのレビュー指摘、過去トラ(不具合と対策)、見積・原価やサプライヤー情報まで一気にたどれます。形状を入口に、判断の背景ごと引き継ぎできる状態をつくります。

利用場面|引き合いから生産準備まで、流れの各所で使う
設計だけの機能ではなく、見積・調達・品質・生産技術の各業務で活用できます。
引き合い・見積(見積/営業技術/調達) 過去の類似装置を引き、実績原価やサプライヤー情報から見積を即答。過去実績に基づく原価で赤字受注を防ぎます。
構想設計(設計) 流用元を探し、類似ユニットとその仕様書・設計の経緯を引き継ぐ。一から作らない「車輪の再発明の防止」につながります。
詳細設計(設計/標準化推進) 部品を新設する直前に「社内に既にあるか」を確認し、同等部品との差分を把握。新設1点あたり約30万円の発生を止め、部品の標準化を進めます。
設計レビュー(設計/品質) 過去の指摘・トラブル報告書・検査データを形状から引き、手戻り防止によるフロントローディングで開発リードタイムを短縮します。
生産準備(生産技術/製造) 類似装置の組立工程・作業手順書・治具をそのまま流用し、立ち上げ準備を短縮します。

3つの導入効果
1. 探す時間が短くなる 品番を知らなくても、形状から過去の部品にたどり着けます。エンジニアが業務時間の約3分の1を費やす非付加価値作業のうち、最大の要因であるデータ探しを直接減らします。
2. 重複部品を作らない。標準化が進む 部品を新設する直前に「社内に既にあるか」を問える状態にします。1件の部品番号を抱え続けるために毎年かかる約68万〜345万円の費用を、発生する手前で止めます。
3. 同じ失敗を繰り返さない。技術が引き継がれる 形状から過去トラ・DR指摘・検査データにたどり着けます。金額には表れにくいものの、形状を入口にしなければたどり着けない情報がここにあります。
これらは現場の時間短縮に留まらず、標準化と技術伝承という会社の競争力に直結します。

Scene Workspaceの3D類似検索ならではの特徴
見つかるのは、3Dモデルだけではありません 一般的な形状検索は「似た形状の部品を見つける」ところで終わります。Scene Workspaceでは3Dモデルに業務データを紐づけ、各種ファイルを一緒に保存できるため、ヒットしたモデルからそのまま仕様書や設計の経緯、過去のレビューで挙がった指摘、組立工程・作業手順書までたどれます。形状を入口に、判断の背景ごと引き継げます。
使うほど、探せる情報が増えていく 設計レビューや手順書作成といった日々の業務そのものがScene Workspace上で行われるため、ノウハウが積み上がります。それらがそのまま次の設計に行かせる情報となります。

設計者以外も使える ブラウザから利用でき、3D CADのライセンスを必要としません。見積・調達・品質・生産技術の担当者も同じ検索を使えるため、過去資産の活用が設計部門の中だけで閉じません。
提供時期
「3D類似検索」は2026年10月より、一部のお客様を対象にベータ版の提供を開始します。
Scene Workspaceは今後も、設計から生産準備までの情報が一つの基盤の上で作られ、そのまま次の設計の知見として探せる状態を目指して機能を拡張していきます。
※ 提供時期・仕様は当社の都合により変更となる可能性があります。
Scene Workspace について Scene Workspaceは、企画から製品設計・工程設計・生産までの上流フェーズを対象とした、コンカレント開発のための業務基盤です。3Dモデルを軸に、設計のすり合わせ、組立手順書の作成、過去資産の検索を一つの基盤上で行えるようにし、Time to Marketの短縮と属人化防止を支援します。
会社概要
- 本社所在地:東京都渋谷区桜丘町11-6
- 代表者:代表取締役 ビジャヤン・スワティナト
- 設立:2019年12月
- 事業内容:ものづくりのAIワークスペース「Scene Workspace」の開発・販売
- HP : https://www.scene.space
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