「身売りは避けたい」経営者へ　事業承継の新スタンダード『M&Aに頼らない従業員承継入門』

親族内承継が当たり前ではなくなった時代、従業員承継を阻む「3つの壁」を乗り越える実践ノウハウを実務家が体系化

株式会社新経営サービス

2025年11月28日 10時50分

株式会社新経営サービス(本社:京都市下京区、代表取締役:山口俊一)のシニアコンサルタント・上坂研祐が、中央経済社より『M&Aに頼らない従業員承継入門――トラブルなく社員に会社を継がせる方法』を2025年12月2日に発売いたします。

■ 子どもが継ぐことがあたりまえの時代ではなくなった

雇用が売り手市場となり、親族が大手優良企業に勤めるようになった現代において、「子が継ぐことが当たり前」ではなくなりました。帝国データバンクの最新の発表によれば、2025年に代表者交代が行われた企業のうち、前代表者との関係性（就任経緯別）をみると、2025年（速報値）の事業承継は、血縁関係によらない役員・社員を登用した「内部昇格」によるものが 36.1％となり、これまで事業承継の形式として最も多かった「同族承継」（32.3％）を上回りました。（出展：2025年11月21日　帝国データバンク「全国「後継者不在率」動向調査(2025年)」）

また一方で、M&Aを巡っては悪質な業者の急増が問題となっており、「会社を第三者に売却することへの抵抗感」を持つ経営者も少なくありません。こうした中、政府による従業員承継支援策の後押しもあり、事業承継の相手方として「従業員」を選択する企業が増加しているのです。

https://www.tdb.co.jp/report/economic/20251121-successor25y/

■ 従業員承継を阻む「3つの壁」

しかし、「会社を売るぐらいなら、従業員にバトンを渡したい」と考える経営者であっても、「従業員承継は難しい」と二の足を踏んでいるのが実情です。

本書では、従業員承継を阻む要因を以下の「3つの壁」として整理し、それぞれを乗り越える具体的な方法を解説しています。

1. 価値観の壁：経営者と従業員との間にある覚悟や使命感の差

2. 株式の壁：後継者の資産不足による株式取得の困難さ

3. 感情の壁：オーナー家族や他の従業員に生じる複雑な感情

著者の上坂研祐は、これまで親族内の紛争やオーナー家と従業員後継者との争いなど、様々な事業承継の現場に立ち会ってきました。本書では、成功した企業と失敗した企業の分析を通じて、「実務で使える」ノウハウを体系化しています。

■ 本書の特徴

失敗事例から学ぶ実践的アプローチ

株式譲渡の失敗で創業者が追い出されたケースや、保守的な意思決定で業績が悪化したケースなど、リアルな事例を分析

段階的な承継プロセスを解説

後継者育成、感情の壁の乗り越え方、株式の渡し方、資金対策まで、ステップごとに詳述

新しい承継の形を紹介

近年注目を集める「コーオウンド・カンパニー(従業員が従業員のために経営する会社)」についても解説

全体最適の視点

部分最適に陥りがちな事業承継において、財務・組織・家族の資産承継を総合的に捉えた解決策を提示

■ 著者プロフィール

上坂研祐(うえさかけんすけ)

株式会社新経営サービスシニアコンサルタント

事業承継士・中小企業診断士

1993年京都生まれ。滋賀大学経済学部卒業後、事業会社の管理業務を経て、大手コンサルティング会社のマネージャーを歴任。

現在は株式会社新経営サービスにて、中小・中堅企業を中心に事業承継、ホールディングス化構築、グループ経営など財務・組織戦略をメインテーマに活動。「経営者に寄り添い、思いを具体化する」を信条とし、部分最適に陥らない全体最適での支援に強みを持つ。全国各地の経済団体や業界団体での講演にも積極的に取り組んでいる。