充電技術のパイオニア・ReVolt社、Vicorの電源モジュールと再生可能エネルギーを活用し、映画撮影現場のCO₂排出量を削減

ハリウッドのクリーンエネルギー移行が加速

Vicor株式会社

ReVolt社は、映画の撮影現場や屋外スタジオに電力を供給する、クリーンで移動可能、常時稼働の新しい電源ソリューションを開発しました。ReVoltのシステムにより、カメラ、音響・照明機器から、特撮用装置やベースキャンプに至るまで、あらゆる設備に静かで高効率の給電ができ、CO₂を全く排出しません。

Vicor Corporation(本社:米国マサチューセッツ州、CEO: Patrizio Vinciarelli、NASDAQ上場:VICR、以下Vicor)は、ReVolt Holdings, Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下ReVolt社)が、同社のCO₂削減を実現したポータブル電源ユニットに、Vicorの電源モジュールを採用したと発表しました。

ハリウッドの世界的人気を牽引するのはスターの力ですが、ヒット作を舞台裏で支える「力」についてはあまり知られていません。現在、多くの制作会社は、騒音が大きく環境に有害な、ガソリンやディーゼル発電機で映画セットを動かしています。しかし、映画セットの設営面積が巨大化して、特殊な電子機器が増加するにつれて、エネルギー需要は急激に高まりCO₂排出量も危険なレベルにまで増大しています。

ReVolt社は、映画の撮影現場や屋外スタジオに電力を供給する、クリーンで移動可能、常時稼働の新しい電源ソリューションを開発しました。ReVoltのシステムにより、カメラ、音響・照明機器から、特撮用装置やベースキャンプに至るまで、あらゆる設備に静かで高効率の給電ができ、CO₂を全く排出しません。このスタートアップ企業は、2020年に設立されると急速に注目を集め、Amazon MGMスタジオ、Appleスタジオ、ソニー・ピクチャーズ、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーとその子会社HBOといった大手制作会社と提携し、撮影現場へ電力を供給しています。

騒がしいディーゼル発電機からReVoltの静かでクリーンな電源システムへ

ReVolt社は、途切れることのない電力供給のための、ポータブル電源ユニットのラインナップを拡大しています。現在展開中のWeVolt(写真)は産業グレードの三相電源で最小のモデルです。

J.D. シュワルム氏は自身が設立した最初の会社、 Innovation Workshopで特撮の開発に携わりました。その後ReVolt社のCEOとして、ディーゼル発電機をクリーンで高効率の電力に置き換えることを提唱し、注目されました。

10kWのディーゼル発電機は、およそ75dBの騒音(落ち葉掃除のブロワーと同程度)を出し、12時間で排出されるCO₂は、ガソリン車が225マイル(約362 km)走行するのと同じ量です。こうした騒音と排気ガスの問題から、多くの場合、ディーゼル発電機は映画セットから 1000フィート(約305 m)以上離れた場所に設置されます。その結果、重く扱いにくく高価なケーブルが何百メートルも必要になります。

ディーゼル発電機の電力は「汚れて」いるため、繊細なデジタル制御の照明やモーションコントロール機器などで使う際には、フィルタを追加する必要があります。一方、ReVoltの充電システムは純粋な正弦波の波形を生成し、クリーンで安定した電力を供給します。動作音はきわめて静かで、コンピュータのファン程度しかありません。

ReVolt社が特許を持つ、画期的な進歩である連続電力供給技術

限られたバッテリーから安定した電源を常時供給しながら、映画セット全体の変動する電力負荷に柔軟に対応する ―― シュワルム氏のこの課題認識から、ReVoltが生まれました。

「ディーゼル発電機は燃料さえあれば、必要なだけ電力を作ることができますが、同じことができるバッテリーシステムは世界中のどこにも存在しませんでした。そこでReVoltが誕生したのです。充電中にも稼働できるバッテリー発電システムです」と、シュウォルム氏は述べています。

ReVoltは、この連続電力供給技術を、ポータブル電源車両に組込んでラインナップ拡大しています。最も小型であるWeVoltは電力容量17.5kWh、出力14kWであり、家庭用の小型発電機に相当します。重量8500ポンド(約3.85トン)のMuleは電力容量210kWh、出力120kWであり、480V、208V、240V、110Vの電源系に必要に応じて電力を供給します。2024年、シュウォルム氏と彼のチームは、連続供給のバッテリー電源設計に関する特許を2件取得し、さらに3件を出願中です。

Vicorの高電力密度の電源モジュールにより、高い信頼性と性能・効率を確保

ReVoltは安定した電圧を確保するため、Vicorのバスコンバータ BCM®と、DC-DCコンバータDCM™を使っており、最近はレギュレータPRM™を採用しました。

BCM4414を使い800Vを48V/35Aのバスに変換・絶縁し、DCM3414により24Vの負荷電圧に安定化します。電力密度が770W/in³(約47W/cm3)と高いBCM4414 (サイズ4.35 x 1.4 x 0.37in、約11.05 x 3.56 × 0.94 cm)は、仮想バッテリーとして動作するため、従来の大きな48Vバッテリーは不要です。PRMは非絶縁型の昇降圧DC-DCレギュレータで、48Vを様々な出力電圧に変換可能です。2kW/in³ (122W/cm3)を超える電力密度で、変換効率は96%です。

「これまで6~8個の部品を使って実現していたことが、Vicorの電源モジュール1つで可能になりました」と、シュウォルム氏は述べています。

BCM4414を使い800Vを48V/35Aのバスに変換・絶縁し、DCM3414により24Vの負荷電圧に安定化します。電力密度が770W/in³(約47W/cm3)と高いBCM4414 (サイズ4.35 x 1.4 x 0.37in、約11.05 x 3.56 × 0.94 cm)は、仮想バッテリーとして動作するため、従来の大きな48Vバッテリーは不要です。

更なる活躍:災害地、病院などへ電力を供給

今日、ポータブルでクリーンなエネルギーにはかつてないほどに需要が高まっています。ReVoltは映画業界に自社の電力供給コンセプトを浸透させながら、自然災害の被災地、工事現場、ライブイベントなど、多様な用途への展開を進めています。

eモビリティや持続可能なエネルギーへの移行が進む中、モジュールで構成する電力供給を基盤とするVicorとの提携を加速し、より環境にやさしい未来の実現に貢献していきます。

Vicorについて

Vicorは高性能電源モジュールのリーディングカンパニーです。電力源から負荷点まで高い電力密度と高効率を実現する電力供給ネットワークを、モジュールで構成する電源システムソリューションによって実現し、お客様の技術革新に貢献しています。配電アーキテクチャ、電力変換技術、パッケージ技術を、長年にわたり進化させることで、Vicorの電源モジュールは、電力密度、効率、電力容量の向上を続けてきました。Vicor は、ハイパフォーマンスコンピューティング、産業機器、自動車、航空宇宙・防衛などのお客様に製品を供給しており、要件の厳しい産業分野で、電源モジュールの設計、開発、製造を40 年以上続けています。

詳しくは、Vicorウェブサイト: www.vicorpower.com/ja-jpをご参照ください。

Vicor は登録商標であり、BCM®、DCM™、および PRM™ は Vicor Corporation の商標です。

ReVolt について

ReVolt-Fuel® は、遠隔地やオフグリッド環境向けに、クリーンでモバイルな電源ソリューションを提供しています。映画撮影、建設現場、ライブイベント、災害対応など、あらゆる場面で化石燃料発電機を必要としない、持続可能で高性能なエネルギーを実現します。

■ケーススタディ「クリーンな電力でハリウッドの映画セットからCO₂ 排出を一掃」もあわせてご覧ください。

https://www.vicorpower.com/ja-jp/resource-library/case-studies/revolt

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会社概要

Vicor株式会社

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URL
https://www.vicorpower.com/ja-jp/
業種
製造業
本社所在地
品川区西五反田8-9-5 FORECAST五反田6F
電話番号
03-5487-3016
代表者名
堂園雄羽
上場
海外市場
資本金
-
設立
2017年07月