うたかたのように消えるブックカバー ――椹木野衣が平成を総括する『平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ)1989–2019』
学術出版社の世界思想社(京都市左京区)は、椹木野衣さんの最新刊『平成美術』を刊行します(2月20日発売予定)。平成の美術を総括する、世界で初めての本。
現代美術批評の第一人者・椹木さんが、平成美術を総括する「うたかたと瓦礫」という視点から選んだ、平成を代表する14のグループや集合体の主要作70点を200枚余の写真でフルカラー掲載。椹木さんの重厚な論考に加え、平成美術史カラー年表(731項目、図版77点)、赤坂真理さん・立岩真也さん・片山杜秀さんの平成論も所収。
カバーは、うたかたのように消える仕様です(デザインは松本弦人さん)。
現代美術批評の第一人者・椹木さんが、平成美術を総括する「うたかたと瓦礫」という視点から選んだ、平成を代表する14のグループや集合体の主要作70点を200枚余の写真でフルカラー掲載。椹木さんの重厚な論考に加え、平成美術史カラー年表(731項目、図版77点)、赤坂真理さん・立岩真也さん・片山杜秀さんの平成論も所収。
カバーは、うたかたのように消える仕様です(デザインは松本弦人さん)。
- うたかたのように消えるブックカバー
カバーは折り込まれて二重になっています。
カバーの袖とその裏側に写真が!
カバーを広げると14作家の最新作が掲載された15枚の写真が出現。
ミシン目に沿ってきれいに切り取れます。切り取ると15枚のポストカードに。
ポストカードを指定のページに貼り込むことで初めて本が完成。読者も本を作る集合的活動に参加するしくみ。
切り刻まれ、うたかたのように消えたカバー。
瓦礫(デブリ)となったポストカードは本に貼られ、永久に残り続けます。
「すべてがうたかたと消え、瓦礫となりうる時代」という本書のテーマを体現するブックデザイン。
・デザイナーは松本弦人さん。『日本国憲法』(TAC出版)で東京TDC賞2021グランプリ受賞(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000564.000021078.html)。「動物番長」などのゲームデザインでも知られ、本をつくるwebサービスBCCKSのチーフクリエイティブオフィサーをつとめています。
- 平成を代表する14作家の主要作70点を掲載
平成を大きく3つの時代に分け、それぞれの時代を代表する総勢14のグループや集合体を椹木野衣さんが選定。椹木さんが3つの時代を解説し、主要作約70点を200枚余の写真でフルカラー掲載。
【14作家と主な掲載作】
Complesso Plastico《Love and Gold》/IDEAL COPY《Channel: Peace Cards》《Channel: Exchage》/テクノクラート《WAR BAR》《Dutch Life》シリーズ/DIVINA COMMEDIA《DIVINA COMMEDIA》/GEISAI《GEISAI#11》/Chim↑Pom《ビルバーガー》《SUPER RAT》シリーズ/contact Gonzo《公園》《ヘルシンキにて》/東北画は可能か?《方船計画》《東北八重山景》/DOMMUNE《DJ JOHN CAGE & THE 1000 WORLDWIDE DJS》/パープルーム《フロレアル》/突然、目の前がひらけて《渡れるかもしれない橋》/クシノテラス《雑巾の譜》《昆虫千手観音》/國府理「水中エンジン」再制作プロジェクト《國府理 水中エンジン redux》/人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)《作品J》
*資料として《カオス*ラウンジ宣言2010》も全文掲載。
- 平成美術史カラー年表
・平成年間(1989–2019)に起きた、社会の主要な出来事と美術史上の主要な出来事あわせて731項目を77点の図版とともに掲載。
・村上隆、奈良美智、会田誠、チームラボ、岡本太郎、森村泰昌、飴屋法水、PostPet、なすび画廊、目[m é]などの作品や展示風景の写真を掲載。
・震災や原発事故など特に重要な出来事は、当時の新聞紙面の画像を掲載。
- 椹木野衣の平成美術論
・平成のアートに何か起こったのか? なぜ「**年代」ではなく「平成」という元号で括るのか? 現代美術批評の第一人者、椹木野衣が3万字の論考で平成美術を総括。
・すべてがうたかたと消え、瓦礫となりうる時代、美術は、個人の制作だけでは困難になり、アーティストたちによる集合的活動が重要になった。「コラボ」「コレクティヴ」「プロジェクト化」と呼ばれる事象の根底にある、大きな流れを分析。
・「傷ついた時間」という新たな概念を提起。時の停滞(「悪い場所」)の背後に、天皇と改元の影があり、日本列島の地質学的不安定と密接に結び付いていることを指摘。平成論と美術の融合が生み出す、独自の時間論。
- 目次
ごあいさつ
平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ)1989–2019 椹木野衣
年表 平成美術 1989–2019
第I部 3つの時代
第1章 うたかたの時代 1989年~2001年、平成元年から平成13年
Complesso Plastico/IDEAL COPY/テクノクラート/DIVINA COMMEDIA
第2章 うたかたから瓦礫(デブリ)へ 2001年~2011年、平成13年から平成23年
GEISAI/Chim↑Pom/contact Gonzo/東北画は可能か?/DOMMUNE/カオス*ラウンジ
第3章 瓦礫(デブリ)の時代 2011年~2019年、平成23年から平成31年
パープルーム/突然、目の前がひらけて/クシノテラス
/國府理「水中エンジン」再制作プロジェクト/人工知能美学芸術研究会(AI美芸研)
第II部 3つの平成論
元号とそれなりに一体化できた、おそらく最後の時代の国風文化 赤坂真理
とくだん変わったことはなにも 立岩真也
恐るべき平成元年:平らかになり、泡沫のように消えて行き、瓦礫のように砕け散って行く時代のはじまりを巡って 片山杜秀
平成美術ブックリスト
作品リスト
- 赤坂真理、立岩真也、片山杜秀の平成論
天皇小説の作家としても知られ、アート誌編集長の経験をもつ著者が、平成のアートを分析。水墨画や漢字かな混じり文にまで起源を遡りAKBに接続する、現代の国風文化としての漫画論。
(あかさか・まり/作家、パフォーマー/著書に『ヴァイブレータ』『東京プリズン』『愛と性と存在のはなし』など)
「とくにかわったことはなにも」立岩真也
「アートは、人が受動的であってよいことを示している」。独自のアート論を自らの経験にもとづいて展開。
(たていわ・しんや/社会学者/著書に『私的所有論』『ALS』『弱くある自由へ』など)
「恐るべき平成元年」片山杜秀
「歴史の大事」やその芽は、平成元年にことごとく起きていた!平成元年を振り返りながら、平成全体を総括し、日本社会を分析する。重厚な平成論。
(かたやま・もりひで/政治学者、音楽評論家/著書に『音盤考現学』『未完のファシズム』『皇国史観』など)
- 平成美術を深く知るためのブックリスト
ページ番号は、オリジナルの手書きフォント。
【商品概要】
書 名:『平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989–2019』
編 者:椹木野衣・京都市京セラ美術館 編
仕 様:B5変形判/232頁
価 格:3,500円(消費税10%込)/3,182円(税別)
ISBN:978-4-7907-1751-5
発 売:2021年2月20日
(奥付発行日:2021年2月28日)
発 行:世界思想社
Webページ:https://sekaishisosha.jp/book/b556700.html
【関連する展覧会】
展覧会名:「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989–2019」
会期:2021年1月23日(土)–4月11日(日)
会場:京都市京セラ美術館 新館「東山キューブ」
Webページ:https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20210123-0411
【会社概要】
法人名:株式会社 世界思想社教学社
創 業:1948年
代表者:代表取締役社長 上原寿明
所在地:〒606-0031 京都市左京区岩倉南桑原町56
事業内容:学術専門書・教養書の出版および大学受験参考書・問題集を中心とする教育図書の出版
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