ICRCが「気候・環境移行基金」を開設:人道セクターの“進化”をサポート

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紛争の影響を受けている国に住む人々は、同時に気候変動の影響を最も受けやすい人々でもあります。

紛争、食料不安、加速する気候変動が相まって、避難民を生み、緊張を高め、大規模な人道ニーズを呼び起こします。私たちは、サハラ砂漠南部に広がるサヘル地域やアフリカ北東部に位置する「アフリカの角」など多くの活動地でそうした状況を目の当たりにしています。

一方、私たち赤十字国際委員会(ICRC)のような人道支援組織が救援活動を行う際に、温室効果ガスを発生させたり、(時には有害な)廃棄物を出したり、水などの天然資源を消費したりして気候や環境の問題に拍車をかけていることも事実です。

2021年、ICRCと国際赤十字・赤新月社連盟は、人道セクターを横断する幅広い協議プロセスを経て、「人道団体のための気候・環境憲章」を採択しました。(気候・環境憲章については:https://jp.icrc.org/information/icrc-ifrc-climate-environment-charter/

この憲章に沿って、ICRCは以下の3つの組織目標を掲げています。

  • 2025年までに、すべての事業計画において気候と環境のリスク要因を考慮する。
  • 2030年までに、ICRCの温室効果ガス排出量を2018年比で少なくとも50%削減する。
  • 2025年までに、環境の保護についても謳っている国際人道法への国家および紛争当事者の認識を高め、理解を促進し、履行強化を図る。それらは、ICRCによる二国間および多国間レベルの対話や出版物、法的手段をもって実施される。

 
こうした目標を達成するため、私たちは「ICRC気候・環境移行基金」を2022年1月17日に立ち上げました。開設に伴い、ICRCのペーター・マウラー総裁は次のように述べています。

「気候変動を受けて賢明に行動でき、適応力を備え、持続できる組織に移行するうえで、この基金は重要となってくるでしょう。移行プロセスの加速に必要な多くの取り組みを支援するために、公的機関、民間企業、慈善団体から追加資金が寄せられる見込みです。私たちの目指すべき姿は明確です。それは、気候変動対策を強化するために、人道セクターの進化をサポートし、こうした取り組みの先駆けとなることです」。

現場に必要不可欠な人道支援をサポートする新しい資金調達モデル

「ICRC気候・環境移行基金」は、以下の二つの段階を経て変革を実現します。

第一段階は2022年1月から始まり、焦点はICRC施設の脱炭素化です。まずは、発電機用の燃料を最も消費する7カ国のインフラをグリーン化します。先行投資された1530万スイスフラン(約19億円)をもって、20年間で最大14万トンのCO2排出を削減し、同期間で3000万~5000万スイスフラン(約37億3000万~62億2000万円)を節約できる見込みです。
 
節約分は、人道支援に充てる予定です。中期的には、世界各地を拠点とするICRC代表部も参加して、さらなるCO2と支出金の削減が期待されます。

第二段階は2023年より開始し、より広範な気候・環境関連活動を実施します。例えば次のような取り組みです:気候や環境に与えるリスクを踏まえてICRCの事業や現場活動を展開する、環境に最大限配慮しつつ現場活動が持続できるようにする、紛争と気候変動という複合的被害にコミュニティーが適応できるよう支援する、など。これらの活動が国際赤十字・赤新月運動(以下、赤十字運動)のパートナーと共同で行われる場合、パートナーは基金の直接的な恩恵を受けることになります。

こうした取り組みも含めて、2030年までに目標を達成するために必要な資金は、2022年中に計上される見込みです。リサーチと基金設計のための初期資金は、ロンバー・オディエ財団が提供してくれました。

また、同基金の開設以前に、ICRCのための財団(1931年設立)、リヒテンシュタイン公国政府、およびスイス開発協力庁が約300万スイスフラン(約3億7000万円)の寄附をICRCに対して確約しました。

長期的視野に立った計画であることから、「ICRC気候・環境移行基金」は1年単位ではなく、複数年を一括りとして組み立てられる予定です。資産構成は、ICRC自らが元手として投じた貸付金に加えて、公共、民間、慈善団体からの援助金です。2022年に返済と補充のメカニズムを検討し、2023年の実施を目指します。また、この基金を民間投資の対象として開放することも念頭に入れています。

本プロジェクトには、他にも多様なコラボレーションの形が潜在します。赤十字運動のパートナーをはじめ、エネルギー分野に携わる民間企業や、環境に配慮した持続可能性を研究する専門家、学術界、非営利団体など、あらゆる分野からの協力を私たちは求めています。既に、知見を共有する仲間として、赤十字・赤新月気候センターやNPOのClimate Action Acceleratorも名を連ねています。

ICRCと新しい資金調達モデルについて:

「ICRC気候・環境移行基金」は、私たちが開発している一連の革新的な資金調達手法の一つです。狙いは、、、

  • 人道的な目的に用いる資金の代替財源を確保し、財源の裾野を広げること。
  • 人道、開発、民間の各セクターが協働し、パートナーシップを打ち立て、新たな働き方を提示すること。


 このたび開設した「ICRC気候・環境移行基金」は、「人道インパクト投資」における学びと成功に基づいています。ICRCは2030年までに、この画期的なスキームの運用益の5%(年間1億5000万スイスフラン/約186億6000万円)を活動支援などにあてるという大きな目標を掲げています。

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会社概要

赤十字国際委員会

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URL
https://jp.icrc.org/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都港区赤坂1-11-36 レジデンスバイカウンテス320
電話番号
03-6628-5450
代表者名
榛澤 祥子
上場
-
資本金
-
設立
1863年02月