EdgeCortix、フィジカルAI向けに設計されたスケーラブルかつ電力効率に優れたAIチップレットプラットフォーム「RAIDEN」を発表
1ダイ構成から4ダイ構成のフラッグシップモデル「RAIDEN X4」まで、電力効率に優れたアーキテクチャを柔軟にスケール可能。RAIDEN X4は、用途に応じて最適化可能な電力設計に加え、最大3.36 PFLOPSのFP4 AI演算性能、256GBのメモリ、1.54TB/sのダイ間帯域幅、さらに最大6.4Tb/sのチップ間スケールアウト接続を実現。すでに顧客製品への採用も決定
フィジカルAIの実装においては、システム全体に関わる大きな課題が存在します。現実世界を認識し、推論し、行動するマシンは、単にAIアクセラレータを追加するだけではスケールできません。AIモデルやアプリケーションワークロードの進化に対応し続けるためには、演算性能、メモリ容量、メモリ帯域幅、接続性、そしてソフトウェアが一体となってスケールする必要があります。
本日、電力効率に優れたAI処理技術を専門とする日本発のファブレス半導体企業であるEdgeCortix株式会社(EdgeCortix Inc. 本社:神奈川県川崎市、創業者兼CEO:サキャシンガ・ダスグプタ、以下「EdgeCortix」読み方:エッジコーティックス)は、この課題に応えるために設計された次世代スケーラブルAIチップレットプラットフォーム「RAIDEN™」を発表しました。RAIDENは、EdgeCortixが培ってきた電力効率に優れた設計を新たな性能領域へと拡張し、集中型データセンターの外で展開されるフィジカルAIの要求に対応します。

RAIDENは、1ダイ構成から4ダイ構成のフラッグシップモデルまで、共通のハードウェア/ソフトウェアプラットフォーム上で柔軟にスケール可能な、電力効率に優れたアーキテクチャを採用しています。最大構成(RAIDEN X4)では、最大3.36 PFLOPS(3,360 TFLOPS)のFP4 AI演算性能、最大256GBのメモリ容量、548GB/sのメモリ帯域幅、最大1.54TB/sのダイ間帯域幅を実現する設計です。さらに、用途に応じて設定可能な電力構成に加え、単一パッケージの枠を超えたスケーリングを可能にする最大6.4Tb/sのチップ間スケールアウト接続を備えています。
RAIDENはすでに顧客製品への採用(デザイン・ウィン)を獲得しており、その対象は、次世代の航空宇宙・防衛システム、ロボティクスプラットフォーム、高性能エッジAIサーバーなど、要求の厳しいフィジカルAIアプリケーションにわたります。
ひとつのアーキテクチャで、1ダイ構成から4ダイ構成まで
RAIDENは、集中型データセンターの外側で、機械やセンサー、実際の運用環境により近い場所に配置される高性能AIシステムという新たな領域「シックエッジ(Thick Edge)」におけるフィジカルAI向けに設計されています。
性能クラスごとに異なるアーキテクチャを構築するのではなく、RAIDENはモジュール型チップレットアーキテクチャにより、1ダイ構成(X1)、2ダイ構成(X2)、4ダイ構成のフラッグシップモデル(X4)へとスケールします。
3つの構成すべてで、EdgeCortixの最新DNA-X®アクセラレータアーキテクチャとMERA™ソフトウェアスタックを採用しています。演算性能、メモリ容量、メモリ帯域幅、ダイ間帯域幅がプラットフォームとともにスケールすることで、顧客は異なるAIアーキテクチャやソフトウェア環境へ移行することなく、さまざまな性能、消費電力、導入要件に対応できます。
この共通アーキテクチャは、顧客が既存のソフトウェア資産やアプリケーション環境を維持しながら、異なるRAIDEN構成へ移行できるよう設計されています。
X1およびX2構成の詳細仕様と導入ポジショニングについては、RAIDENのローンチプログラムの今後のフェーズで発表する予定です。
4つのダイでワークロード全体を実行する1つのAIシステムを実現
プラットフォームの最上位に位置するRAIDEN X4フラッグシップは、4つのコンピュートダイを個別に動作するアクセラレータの集合体ではなく、緊密に統合された1つのシステムとして動作するよう設計されています。
RAIDEN X4フラッグシップ構成は、以下の機能・性能を実現します。
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最大3.36 PFLOPSのFP4 AI演算性能
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最大256 GBのメモリ
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548 GB/sのメモリ帯域幅
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最大1.54 TB/sのダイ間(DNA-X間)帯域幅
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最大6.4 Tb/sのチップ間スケールアウト接続
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さまざまな性能・導入要件に対応する構成可能な消費電力設定
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各ダイに内蔵されたマルチコアホストプロセッサと、自己完結型システム設計を可能にする高速システム接続機能
マルチモーダルAI、生成AI、エージェンティックAIのモデルが、フィジカルAI領域の多様なアプリケーションに広がるなかで、システムには、より大規模なモデル、より長いコンテキスト、複数の同時実行ワークロードを処理しながら、ますます厳しくなるリアルタイム性能要件にも、実用的なシステム消費電力の範囲内で対応することが求められています。
RAIDENのスケーラブルなチップレットアーキテクチャは、共通のプラットフォームを通じて、こうした幅広い要求に対応するよう設計されています。共通のソフトウェア環境を維持しながら、1ダイから4ダイまで、ヘテロジニアス演算、メモリ、接続性をスケールさせることができます。さらにシステムレベルでの拡張が必要なアプリケーションに向けては、RAIDENの高速チップ間接続が最大6.4 Tb/sのスケールアウト帯域幅を提供し、単一のマルチダイパッケージを超えたアーキテクチャ拡張を可能にします。
このアーキテクチャは、高度なフィジカルAIワークロードをますます制約するシステムレベルの妥協を軽減するよう設計されています。具体的には、内部・外部メモリ間でのモデルやデータの入れ替え、過度な量子化、AIワークロードと非AIワークロードの分割、さらには単一のフィジカルAIパイプラインを複数の独立したコンピューティングシステムに分割する必要性などです。
認識・推論・行動するAIのために専用設計
フィジカルAIに必要なのは、ニューラルネットワーク推論だけではありません。RAIDENの中核を担うのは最新のDNA-X®アーキテクチャです。このアーキテクチャはシステムを統合された1つのプラットフォームとしてスケールさせながら、ワークロード全体を実行できるよう設計されています。
従来世代から受け継ぐランタイム再構成機能を維持しつつ、新たにマイクロコードでプログラム可能なマトリクスエンジンおよびベクトルエンジンを導入しています。この革新により、標準的なニューラルネットワーク推論を超えて柔軟性を拡張し、認識、推論、アプリケーション処理、制御といったワークロードを、共通のスケーラブルなプラットフォーム上で連携して実行するために必要な機能を提供します。
MERA™ソフトウェアスタックがRAIDENファミリー全体に共通の開発・導入環境を提供します。モデル、ツール、ソフトウェアへの投資を異なるプラットフォーム構成間でも継続活用できます。さらに、同じソフトウェアスタックがEdgeCortixの製品世代をまたいで利用できるため、現在SAKURA-II上で行われている開発成果を、ゼロから再構築することなくRAIDENへ引き継ぐことができます。
EdgeCortix創業者兼CEOのサキャシンガ・ダスグプタ博士は、次のように述べています。
「フィジカルAIの競争は、単により高速なアクセラレータを開発するだけでは勝てません。コンピューティング、メモリ、帯域幅、接続性、そしてソフトウェアが一体となってスケールするプラットフォームが必要です。さらに、現在導入するハードウェアが、数年後にお客様が採用するAIモデルにも対応できることが重要です。RAIDENは、まさにそのために開発しました。インテリジェントマシンに搭載される1ダイ構成から、最も要求の厳しいフィジカルAIワークロードに対応する4ダイ構成のフラッグシップモデルまで、ひとつのアーキテクチャとひとつのソフトウェアプラットフォームでスケールします。そして何より重要なのは、すでにお客様がRAIDENの採用を前提とした製品設計を進めていることです。」
RAIDENは、EdgeCortixが掲げる「Powering AI That Acts™」というビジョンを、従来のエッジAI推論から、より広範なフィジカルAIシステムへと拡張します。その対象は、ロボティクス、自律システム、スマートマニュファクチャリング、通信、航空宇宙・防衛、エッジAIインフラストラクチャなど、多岐にわたります。
すでに顧客がRAIDENを前提とした設計を開始
RAIDENはすでにアーキテクチャの段階を超え、複数の顧客プログラムで導入が進んでいます。川崎重工業株式会社は、複数の次世代AI対応航空宇宙・防衛製品向けにRAIDENベースのソリューションを採用しました。これらの製品では、厳しいシステム制約下でコンピューティングプラットフォームを動作させると同時に、長期にわたる製品ライフサイクルの中で進化し続ける複雑なAIワークロードに対応することが求められます。
米国に本社を置くエンタープライズハードウェアプロバイダーのUnigen Corporationは、RAIDENをベースとしたサーバープラットフォームを開発しています。これは、現在SAKURA-IIを搭載したモジュールおよびサーバーシステムを提供しているEdgeCortixとの既存の協業を、さらに拡大するものです。
これらの顧客との取り組みは、RAIDENのアーキテクチャが対応する領域の広さを示しています。インテリジェントマシンや自律型マシンに直接搭載されるAIから、オンプレミスおよびエッジAIインフラ向けの高性能マルチダイシステムまで、幅広いユースケースに対応します。
今後、プログラムの進展に合わせて、さらなるRAIDENの採用事例、アプリケーションカテゴリー、エコシステムパートナーを発表していく予定です。
提供時期およびRAIDENアーリーアクセスプログラム
顧客向けサンプルの提供開始は2027年初頭を予定しており、2027年後半に量産開始を計画しています。RAIDENアーリーアクセスプログラムは現在、参加受付を開始しています。対象となるお客様およびエコシステムパートナーは、RAIDENの開発段階からEdgeCortixと連携できるほか、顧客向けサンプルについても、優先的にご案内する機会があります。本プログラムは、これまでに獲得したデザイン・ウィンを背景に、すでに多くのお客様から高い関心を集めています。
RAIDENアーリーアクセスプログラムへのお申し込みはこちら: https://www.edgecortix.com/ja/raiden-early-access-program
RAIDENの詳細はこちら:https://www.edgecortix.com/ja/products/raiden
EdgeCortixの次世代チップレットソリューション「RAIDEN」は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助事業「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」(JPNP20017)において得られた成果を活用しています。
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EdgeCortix(エッジコーティックス)について
EdgeCortixは、エッジおよびフィジカルAIアプリケーション向けに、組込み機器からオンプレミスシステムまで対応する、電力効率に優れたAIコンピュートを提供するファブレス半導体企業です。日本の神奈川県に本社を置き、米国およびインドにも事業拠点を展開しています。
特許取得済みのハードウェア・ソフトウェア協調設計アプローチに基づき、先進的なシリコンおよびソフトウェアプラットフォームを開発しています。Dynamic Neural Accelerator®(DNA)アーキテクチャとMERA™ソフトウェアスタックは、SAKURA-IIシングルチップアクセラレータからRAIDENマルチダイ・チップレットプラットフォームまでスケールする、ひとつのランタイム再構成可能なプラットフォーム上で、推論、生成AI、エージェンティックAIのワークロードをサポートします。
EdgeCortixのソリューションは、リアルタイム性能、電力効率、適応性が求められる、ロボティクスおよび自律システム、航空宇宙・防衛、インテリジェントマニュファクチャリング、通信、エッジAIインフラストラクチャの各市場で活用されています。
詳細はhttps://www.edgecortix.com/ja/ をご覧ください。
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