CISAC・JASRACが共同会見を開催
デジタル社会におけるクリエイターへの対価還元に関する課題と取り組みを説明しました
冒頭、スウェーデンのポップ・グループ「ABBA」のメンバーでもある、CISACビヨルン・ウルヴァース会長は「音楽ストリーミングは、クリエイターの人生を一変させました。莫大な利益をもたらしましたが、それと同時に、作詞家・作曲家を正確に特定し報酬を支払う、そのための安定したシステムの開発という挑戦を突き付けています。これは、配信が音楽業界の主要な収益チャンネルになるにつれ、大きな優先事項となっています」と述べたうえで、「アジア・太平洋地域のCISAC加盟団体が集結したGDSDX(Global Digital Service Data Exchange)のような取り組みは、この問題の解決に貢献するとともに、他の地域への模範となります。 GDSDXプラットフォームは、より質の良い音楽メタデータ交換システム、さらにはクリエイターに対するより公平で効率的な対価還元に貢献することができます」と期待を寄せました。
続いて、CISACガディ・オロン事務局長は「GDSDXは、ストリーミング環境におけるメタデータ交換を改善する重要なプロジェクトであり、クリエイターや団体による集中管理システム全体にメリットをもたらすものです。 JASRACが旗振り役となってアジアからの参加団体‐KOMCA、FILSCAP、MÜST、WAMI‐が協力するこの取り組みは、著作者のメタデータの分野での国際協力の新たな地平を切り開きます。GDSDXプロジェクトは、ストリーミング・プラットフォームの利用曲目データと各著作権管理団体が保有する権利者メタデータ、それぞれを相互参照する新しいツールを提供します。これはウイン-ウインのパートナーシップであり、デジタルサービスとクリエイターのコラボレーションが成功したことを示すものです」と述べました。
最後にJASRAC伊澤一雅理事長は、「急速なデジタル化・ネットワーク化の進展によって、膨大な量の楽曲が真に国境を超えることになり、その数はこれまでのやり方では消化しきれない規模になっています。デジタル時代の著作権管理の要諦はメタデータにあり、GDSDXはJASRACが立てた一つの道筋です」と示したうえで、「テクノロジーの活用の取り組みはライセンス価値の向上につながり、ユーザーはもちろん、社会全体にメリットをもたらすと考えています」と述べました。また、「人口減少が進む日本において、文化芸術を産業の基盤に据えることが重要です。だからこそ、クリエイターへの対価還元の強化は社会共通の課題といえます」と強調しました。
会見で取り上げられたGDSDXの取り組みには、デジタル音楽配信事業者の皆さま‐Apple、YouTube、Spotify、TikTok‐から、賛同のメッセージを寄せていただきました(参考資料2)。
また、GDSDXに参加する海外の著作権管理団体、インドネシア(WAMI)、韓国(KOMCA)、台湾(MÜST)、フィリピン(FILSCAP)の代表が来日し、会見に参加しました。
(左から)
ベンジャミン・ン CISACアジア太平洋地域代表
チコ・ヒンダルト WAMI会長
イェニィ・ツァイ MÜST事務局長
チュ・ガヨル KOMCA会長
ガディ・オロン CISAC事務局長
ビヨルン・ウルヴァース CISAC会長
伊澤一雅 JASRAC理事長
パク・スホ KOMCA第一許諾局長
メイディ・フェリアルディ WAMI事務局長
マーク・サースデー・アルシソ FILSCAP事務局長
CISACとJASRACは、デジタル社会におけるクリエイターへの対価還元をより充実させるための取り組みを推進して参ります。
【参考資料】
1 CISAC・JASRAC 共同記者会見 資料(抜粋)
https://www.jasrac.or.jp/release/pdf/230419_1.pdf
2 デジタル音楽配信事業者(DSP)からのメッセージ
https://www.jasrac.or.jp/release/pdf/230419_2.pdf
■一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)について
JASRACは作詞家、作曲家、音楽出版社等の権利者から音楽の著作権の管理委託を受け、音楽を利用する方々に利用を許諾し、その対価としてお支払いいただいた著作物使用料を著作権者に分配しています。1939年に国内初の著作権管理団体として設立され、80年以上にわたり、著作権管理のプロフェッショナルとして音楽文化の発展に向けた努力を続けています。
団体名 :一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)
代表者 :理事長 伊澤 一雅
本部所在地:東京都渋谷区上原3-6-12
設立 :1939年11月18日
URL :https://www.jasrac.or.jp
事業内容 :音楽の著作物の著作権に関する管理事業、音楽著作物に関する外国著作権管理団体等との連絡及び著作権の相互保護、私的録音録画補償金に関する事業、著作権思想の普及事業、音楽著作権に関する調査研究、音楽文化の振興に資する事
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