大手設備エンジニアリング企業の需要家併設蓄電池で需給調整市場への参加を実現
施設内蓄電池を活用し、三次調整力②を起点に複数市場への展開を推進
株式会社Sassor(本社:東京都渋谷区、代表取締役:石橋 秀一、以下「当社」)は、大手設備エンジニアリング企業に対し、需給調整市場に参加するための機能として、アグリゲーションプラットフォーム「ENES」をSaaS提供し、同社が保有・運用に関わる施設内蓄電池を活用した需給調整市場(三次調整力②)への参加を実現しました。
本取り組みでは、2025年秋以降、施設に設置された需要家併設蓄電池について、ピークカット、BCP(事業継続計画)、施設運用上の制約を考慮した運用設計、制御検証、市場参加支援を継続してきました。市場参加後、対象リソースにおける三次調整力②の市場指令に対して、現時点で応動成功率100%を継続しています。
また、ENESは三次調整力②への参加を起点に、一次調整力などの他区分商品や、容量市場への参加を見据えた運用設計にも対応します。需要家施設の制約を踏まえながら、複数の市場機会を組み合わせることで、産業用設備の収益化余地を広げます。
当社は今後、パートナーシップをさらに強化し、パートナー企業の施設ネットワークへの展開を進めることで、需要家併設蓄電池を活用した市場参加リソースの拡大を推進してまいります。
■背景
再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力需給の変動を吸収する調整力の確保が重要になっています。蓄電池は、需給調整市場や容量市場における調整力として期待される一方、需要家施設に併設された蓄電池は、系統用蓄電池とは異なる運用上の制約を持ちます。
需要家併設蓄電池は、施設の最大需要電力を抑えるピークカット、非常時のバックアップ電源としてのBCP、設備稼働スケジュール、契約電力、受電設備容量、既存EMSやBMSとの連携など、複数の条件を同時に満たす必要があります。そのため、市場収益だけを目的に単純な充放電を行うのではなく、施設価値を守りながら調整力として活用する運用設計が求められます。
当社は、需要家併設蓄電池のシミュレーション、遠隔監視・制御、需給調整市場への参加支援で培った知見を活かし、2025年秋以降、施設内蓄電池を新たな収益源として活用するためのSaaS提供と運用支援を進めています。
■本取り組みの特長
1. 施設内蓄電池による三次調整力②への参加
大手設備エンジニアリング企業が関わる需要家施設の蓄電池を対象に、需給調整市場(三次調整力②)への参加を実現しました。施設内に設置された蓄電池を、需要家側の電力利用を支える設備であると同時に、電力システムに調整力を提供するリソースとして活用しています。
2. 市場指令への応動成功率100%を継続
市場参加後、対象リソースにおける三次調整力②の市場指令に対し、現時点で応動成功率100%を継続しています。ENESは、蓄電池のSOC、充放電可能量、施設負荷、運用制約を踏まえ、需給調整市場の指令に対して安定的に応動できる制御を支援します。
3. ピークカット、BCP、施設制約を考慮した複合制御
需要家併設蓄電池では、市場収益の最大化だけでなく、契約電力の抑制、非常時の電源確保、施設ごとの稼働条件との両立が不可欠です。ENESは、ピークカットやBCPを含む施設側の価値を損なわないよう、複数の制約条件を考慮した運転計画と制御を行います。
4. SaaS提供によるパートナー企業の市場参加を支援
当社は、需給調整市場参加に必要な計画作成、供出可能量管理、遠隔監視・制御、実績管理、レポーティングをSaaSとして提供します。パートナー企業は、自社の施設ネットワークや顧客基盤を活かしながら、需要家併設蓄電池を収益化する運用モデルを構築できます。
5. 一次調整力などの他区分商品・容量市場への展開を見据えた運用設計
ENESは、三次調整力②での参加を起点に、一次調整力などの他区分商品や、容量市場への参加も見据えた運用設計を支援します。商品ごとに異なる応動時間、継続時間、計測、通信、アセスメント要件を踏まえ、施設制約と市場要件を両立する制御ロジックを整備します。
■需要家併設蓄電池が生み出す新たな収益化モデル
需要家併設蓄電池は、従来、ピークカットやBCPを主目的として導入されることが多い設備でした。一方で、需給調整市場や容量市場への参加が可能になることで、施設の電力コスト削減やレジリエンス向上に加え、調整力提供や供給力価値による新たな収益機会を組み合わせることができます。
当社は、需要家施設における電力利用の制約を踏まえながら、蓄電池を市場参加リソースとして活用するための運用ロジックを提供します。三次調整力②での運用実績をもとに、一次調整力などの他区分商品や容量市場への展開も視野に入れることで、産業用設備を単なるコスト削減設備にとどめず、複数市場に参加する収益化資産として活用することが可能になります。
■今後の展望
当社は今後、需要家併設蓄電池を対象とした需給調整市場参加SaaSの提供を拡大し、三次調整力②に加え、一次調整力などの他区分商品や、容量市場、JEPX(日本卸電力取引所)での活用も見据えた機能強化を進めてまいります。
また、ピークカット、BCP、施設制約、市場指令への応動を統合的に扱うENESの制御技術をさらに高度化し、需要家施設に眠る分散型エネルギーリソース(DER)を、電力システムの安定化と事業収益の両方に貢献する資産として活用できる環境を整備してまいります。
■株式会社Sassorについて
Sassorは、AIによるエネルギーリソースの最適制御技術を核に、アグリゲーションプラットフォーム「ENES」の開発・提供を行っています。「ENES」は、蓄電池等の分散型エネルギーリソース(DER)を最適に制御することで、卸電力市場や需給調整市場における収益創出から、需要家様の電気料金削減(ピークカット)さらには事業継続計画(BCP)まで、多様な価値を創出します。また、電力情報サイト「グリッド研究所」を通じて、電力系統情報などのデータ提供も行っています。今後も、蓄電池を活用した収益性向上や再生可能エネルギーの普及を支援する技術提供を通じ、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
【Sassor会社概要】
会社名 : 株式会社Sassor (サッソー)
代表取締役 : 石橋 秀一(いしばし しゅういち)
設 立 : 2010年9月30日
所在地 : 東京都渋谷区桜丘町 4-17
URL : https://www.sassor.com
事業内容 : AIを活用した電力アグリゲーションサービスの開発・提供
【本件に関するお問い合わせ】
株式会社Sassor (サッソー)
担当:矢嶋
お問合せ先(E-mail):sales@sassor.com
