【千葉県市原市】歴史遺産2件を市の文化財に指定
市原市教育委員会は令和6年3月28日付けで、「御林(おはやし)跡(あと)遺跡103号遺構出土蔵(ぞう)骨器(こつき)(短頸(たんけい)壺(こ)・椀)」と「鶴峯八幡宮所蔵 阿弥陀如来」の2件を市指定文化財に指定しました。
阿弥陀如来懸仏は5月1日(水)から、灰釉蔵骨器は6月1日(土)から、市原歴史博物館(市原市能満1489)の常設展示において、新指定物件としてお披露目します。
市原歴史博物館公式ウェブサイト: https://www.imuseum.jp/index.html
1 御林跡遺跡103号遺構出土灰釉蔵骨器(短頸壺・椀)
国分寺台地区の区画整理事業に伴い、昭和59年から63年度にかけて御林跡遺跡の発掘調査を実施した際に、平安時代の火葬墓である103号遺構の中に安置された状態で出土しました。
椀は9世紀前半、短頸壺は9世紀中葉頃に、愛知県猿投(さなげ)窯(よう)で焼かれたもので、国府の官人や国分寺の僧侶など、身分の高い人物の墓に用いられたと考えられます。
古代陶器の優品であることに加え、当時の仏教文化のあり方を考えるうえでも重要な資料です。
2 鶴峯八幡宮所蔵 阿弥陀如来懸仏
鶴峯八幡宮(市原市中高根1223) の社殿の中から、令和3年9月6日に見つかりました。
建治三年(1277年)の銘から、県内最古の作例であることが判明しました。他にも「与宇(よう)呂(ろ)保(ほ)」と思われる地名や奉納に関わった人々の名前など、重要な情報が多く刻銘されています。
工芸品として優れていることに加え、石文(せきぶん)としても第一級の価値があることから、本市の中世文化を考察する上で極めて重要な資料と言えます。
※懸仏…鏡と仏像が一体化したもの。神仏習合の思想に基づいて制作され、神社や寺院に奉納された。
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