ローデ・シュワルツ、PCIe 5.0/6.0ケーブルとコネクタのコンプライアンス・テストを高速化する初めての自動化ソリューションを発表
ローデ・シュワルツは、PCIe 5.0および6.0のケーブルとコネクタの適合性検証にともなう課題について、新しいR&S ZNrunベクトル・ネットワーク・アナライザ自動化スイート・オプションを通じた検証プロセスの自動化により、効率的に取り組めるようにしています。そのR&S ZNrun-K440オプションは、PCIe 5.0/6.0の内部および外部ケーブルとコネクタ対する、PCI-SIG仕様に従った自動コンプライアンス・テストのために設計されており、ユーザーによる作業時間を大幅に短縮します。このテスト・セットアップは、4つのテストポートを備えたR&S ZNB26あるいはR&S ZNB43ベクトル・ネットワーク・アナライザをベースとして、これに被試験デバイス(DUT)のレーン数に応じて複数のR&S OSP320オープン・スイッチコントロール・プラットフォームを組み合わせて、DUTの再接続や他のレーンの終端処理をいっさい繰り返すことなく、4ポート測定を続けて実施できるようにします。たとえばPCIe x8ケーブルには16レーンあるため、R&S OSP320プラットフォーム3台によるテストポート64個が必要ですが、PCIe x4ケーブルの場合はR&S OSP320プラットフォーム2台によるテストポート32個だけで十分です。
R&S ZNrun-K440ソリューションは、PCIe仕様に則したすべての測定を完全自動化します。さらに、同仕様が規定するPCIe評価指標の後処理にも対応しています。高機能なテスト・コンフィグレータにより、テスト項目をレーンごとに選択・解除できるため、研究開発や検証テストにおけるお客様のニーズや設定にもより柔軟に対応可能です。自動測定が終われば、合否判定をともなうテストレポートが作成されます。また、この自動化には新しい校正プロシージャを採用して、校正ステップと校正のための接続回数を大幅に削減しました。PCIeテスト仕様が求めるテスト・フィクスチャのディエンベディングの方法にも対応しています。
PCIeの発展にともない、テストに対するニーズもますます複雑に
PCIeは進化を繰り返すたびに、いっそう高まるスピードへの要求に応えるため転送速度を倍増させてきました。今や世界中のデータセンターが、大量の高速データストレージを接続するのに最新バージョンであるPCIe 5.0やPCIe 6.0ケーブルを使い始めています。そこでケーブルメーカー側も、いち早くPCIe 5.0/6.0ケーブルをユーザーに提供しようと生産を強化しています。PCIe仕様への準拠とシステム全体の適切な機能を保証するためには、研究開発での検証やコンプライアンス・テストから製造まで、そのすべてにおいて徹底したテストが必要です。
PCIeリンクは1、2、4、8、16組のいずれかのレーンペアを持ち、各レーンペアは1つの差動TXレーンと1つの差動RXレーンで構成されています。たとえばx8構成としてレーンペアが8つあるPCIe 6.0ケーブルでは、最大64 GB/sの転送速度を実現できます。そうした高速な相互接続の適合性を手作業で確認するのは手間がかかり、ミスも発生しがちです。すべてのスルー接続に加えて、ケーブル内部の近端および遠端の全クロストーク経路を評価するには合計256回もの4ポート測定が必要となるからです。しかも、従来の4ポートのベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)では、4ポート測定のたびにVNAを接続し直したうえで、測定しないレーンを適切に終端処理しなければなりません。ローデ・シュワルツの新しい自動化ソリューションなら、このようなプロセスが劇的に簡素化されます。
PCIe5.0/6.0システム全体の動作にとって、ある程度の制限マスクのばらつきは重要ではないため、統合リターンロス(integrated return loss:iRL)や統合クロストーク・ノイズへの寄与成分(component contribution to integrated crosstalk noise:ccICN)などの指標に基づいて合否判定します。PCI-SIG仕様に定義されているこれらの指標は、Sパラメータの測定結果から計算する必要があり、相当程度の後処理を要します。加えて、テスト・フィクスチャの特性に基づく校正やディエンベディングも課題となりますが、自動コンプライアンス・テストのためのR&S ZNrun-K440ソフトウェアは、これらすべてをカバーしています。
PCIeシステムにとっての重要性から、PCI-SIGは内部(筐体内)用と外部(筺体間)用の標準ケーブルを定義するプロセスを進めており、これには32 GT/sと64 GT/sの両速度における接続状態のケーブルアセンブリと篏合したケーブルコネクタに関する電気仕様も含まれます。これが規格化されれば、そのPCIeテストにもR&S ZN-run-K440で対応できるようにする予定です。
PCI-SIG Developers Conferenceで新ソリューションを紹介
ローデ・シュワルツは、2023年6月13~14日にカリフォルニア州サンタクララのサンタクララ・コンベンションセンターで開催されたPCI-SIG Developers Conferenceにおいて、PCIe 5.0 および 6.0 対応ケーブルとコネクタに対するコンプライアンス・テストのための新しい自動化ソリューションをPCI-SIGコミュニティの会員向けにデモンストレーションしました。新しいR&S ZNrun-K440オプションはまもなく発売予定で、これによりローデ・シュワルツのコンプライアンス・テスト・ソフトウェア自動化ポートフォリオがさらに強化されます。なお、IEEE 802.3bj/by/cd/ckに準拠の高速Ethernetケーブルアセンブリに対応したR&S ZNrun-K410とR&S ZNrun-K411オプションはすでにご利用いただけるようになっています。
R&S ZNrun ベクトル・ネットワーク・アナライザ自動化スイートについて、詳しくは https://www.rohde-schwarz.com/_63493-109824.htmlをご覧ください。
お問い合わせ:
欧州(本社):Christian Mokry(電話:+49 89 4129 13052、email:press@rohde-schwarz.com)
北米:Dominique Loberg(電話:+1 503 523-7951、email:Dominique.Loberg @rsa.rohde-schwarz.com)アジア太平洋地域:Sze Ming Ng(電話:+603 5569 0011、email:press.apac@rohde-schwarz.com)
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ローデ・シュワルツについて
ローデ・シュワルツは、より安全に“つながる”社会の実現に向けた基盤を整えようと取り組む先駆的企業のなかでも、特に技術指向のグループとして、試験・計測などを始めとする技術システムやネットワークおよびサイバーセキュリティにおけるトップレベルのソリューションを提供しています。設立から85年以上にわたり、世界中の産業界や行政機関のお客様の信頼できるパートナーとして歩んできました。そのローデ・シュワルツでは、2021年6月30日現在、全世界で約13,000名の従業員が活躍しています。2020/2021会計年度(昨年7月から本年6月まで)には独立した企業グループとして23.4億ユーロの売上を達成しました。本社はドイツ・ミュンヘンに構えています。
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