将来宇宙輸送システム株式会社、金属3Dプリンターで国内最大規模となる推進薬タンクを製造。検討開始から1年で耐圧・気密試験を実施

将来宇宙輸送システム株式会社(東京都中央区、代表取締役 畑田康二郎 以下ISC)は、「毎日、人や貨物が届けられる世界。そんな当たり前を宇宙でも。」をビジョンに掲げ、宇宙往還を可能とする輸送システムの実現を目指すスタートアップ企業です。

この度、ISCが提携する英国の3Dプリンター製造会社であるWAAM3D社、クランフィールド大学、愛知産業との協業のもと、検討開始から1年で金属3Dプリンターによる推進薬タンクを製造し、耐圧・気密試験を実施しましたのでお知らせいたします。

なお、金属3Dプリンターで製造したタンクとしては国内最大規模となります。

金属3Dプリンターを活用したアジャイル型の開発

2022年5月に創業したISCは、「2028年を目標に、人工衛星の軌道投入を目指す」というチャレンジングな目標を掲げています。この実現のため、開発効率を飛躍的に向上させる手段として、金属3Dプリンター技術を活用したアジャイル型の開発を推進しています。

この取り組みの一環として、WAAM*装置を導入しています。従来の開発手法では、大型ブロック材の確保や専用加工機の準備に長いリードタイムが必要でしたが、WAAM技術の活用により、材料調達が容易となり、必要な形状を直接造形できるため、短期間での開発が可能になります。

また、金属3Dプリンターによる開発は設計変更への対応が柔軟で、修正を即座に反映し、新たな造形を迅速に実施できます。この特長を活かし、開発サイクルを短縮するとともに、設計の自由度を向上させることが期待されます。

* WAAM:Wire Arc Additive Manufacturing。アーク放電の熱を使い、金属ワイヤーを溶かして、溶接・積層する手法

金属3Dプリンターによる推進薬タンクを製造。開発開始から1年で実証

ISCでは、2024年3月にロケットの後部構造モックアップ製造を経て、4月よりFM(Flight Model)推進薬タンク開発に向けたプロダクト要件の策定、設計と製造プロセスの検討を進めてまいりました。


2024年7月には、英国の3Dプリンター製造会社であるWAAM3D社、WAAM技術の世界的知見を有するクランフィールド大学、さらには日本国内でいち早く、金属3Dプリンターに取り組んできた愛知産業株式会社と業務提携の契約を締結。業務提携を皮切りに国内最大規模となる推進薬タンクの製造を開始しました。

そして、この度、2025年2月4日(火)・5日(水)に金属3Dプリンターで製造した推進薬タンクの耐圧試験並びに気密試験を実施しました。

耐圧試験・気密試験を実施。目標値の達成を確認

耐圧試験においては目標とする0.76MPaに耐えることが確認できました。

続く気密試験においては目標とする0.69MPaにおいて、漏れ等がないことが確認できました。

機体構造などの製造を目指す

今回の耐圧試験・気密試験の結果を踏まえ、4社での協力のもと、金属3Dプリンターの活用を進め、実際のロケット機体で使用する推進薬タンクのほか、機体構造を作っていきます。

その他 参考画像

黒丸部分は、3Dプリンターでの製造に際し、積層時に発生したムラ。耐圧試験並びに気密試験において、漏洩(リーク)等は発生せず、所定の性能を満たしていることが確認できた

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会社概要

URL
https://www.innovative-space-carrier.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都中央区日本橋1丁目4−1 日本橋一丁目三井ビルディング5階
電話番号
-
代表者名
畑田 康二郎
上場
未上場
資本金
12億2000万円
設立
2022年05月