8割が博士進学に不安、最大の懸念は進学後の就職 博士学生と企業へのアンケート調査から進まぬ博士採用が浮き彫りに

博士採用にもLabBase

研究内容をもとに優秀な理系学生をスカウトできる採用サービス『LabBase(ラボベース)』を提供している株式会社POL(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:加茂倫明)は、博士後期課程に在籍する学生68名とLabBaseを利用して理系学生を採用する企業40社を対象に博士のキャリアに関するアンケート調査を実施しました。
博士の8割が博士進学に不安があったと回答し、中でも最大の懸念は進学後の就職でした。一方で、民間企業では博士の採用が進んでいないことがわかる結果となりました。
■調査サマリー
  1. 博士学生の8割が博士進学に不安があったと回答
  2. 博士進学する上で最も強く不安に思ったことは、博士号取得後の就職
  3. 理系学生を採用する企業の半数近くが博士学生の採用に消極的
《番外編》博士学生が選ぶ「博士を積極的に採用しているイメージのある会社」


■調査背景
今年10月、旭化成名誉フェローの吉野彰氏がノーベル化学賞を受賞しました。21世紀に入り受賞ラッシュが続く日本のアカデミアですが、一方で数十年後にはノーベル賞がとれなくなるとも言われています。その原因の一つに研究者不足があり、さらにそこには低い日本の博士進学率という課題があります。今回は、博士のキャリアの実態を掴むべく、学生と企業にアンケート調査を実施いたしました。

1. 博士学生の8割が博士進学に不安があったと回答
博士後期課程に在籍する学生68名に「博士に進学する上で不安はありましたか。」という質問をしました。その質問に対し、80.9%が「はい」と答えました。多くの博士学生が進学に不安を抱いていたことがわかります。



2. 博士進学する上で最も強く不安に思ったことは、博士号取得後の就職
「博士に進学する上で最も強く不安に思ったことはどんなことでしたか。」という質問に対しては、「博士号取得後の就職に関する不安」が40.0%で最多の回答となりました。それに続いて、「学費に関する不安」が23.6%、「博士号取得後に大学で研究を続けることへの不安」が12.7%、「卒業できるかという不安」が12.7%という結果となりました。
「博士号取得後の就職に関する不安」と「博士号取得後に大学で研究を続けることへの不安」を合わせた52.7%が博士号取得後のキャリアに不安を抱いていることがわかります。また、最多の回答となった「博士号取得後の就職に関する不安」からは、博士を採用する企業が少ないというイメージが学生の中で広く持たれていることが伺えます。


3. 理系学生を採用する企業の半数近くが博士学生の採用に消極的
LabBaseを利用して理系学生を採用する企業40社に対し、「博士の採用に積極的ですか。」という質問をしました。「積極的」が12.5%、「どちらかというと積極的」が42.5%、「どちらかというと消極的」が35.0%、「消極的」が10.0%という結果となりました。「どちらかというと消極的」と「消極的」という回答を合わせると45.0%となり、半数近くの企業が博士人材の採用に多かれ少なかれ消極的な姿勢であることがわかりました。
また、「博士のみの選考ルートはありますか。」という質問に対して、「はい」と答えた企業は12.9%でした。こういった面からも、企業の博士採用があまり進んでいないことが伺えます。

消極的な理由として下記のような回答がありました。
  • 社員の活躍を見ていて、学士、修士、博士の違いよりも会社とのマッチ度と本人の意欲に関わるものの方が大きいと感じるため。
  • 実績として学部卒・院卒でも優秀な方が多いため、特別博士課程の方へのルートを開拓しよう、という意欲がありません。
  • 修士と博士で期待するスキルに違いはなく、期待するスキルが同じであっても博士は年齢、給与共にあがってしまうため。
  • 博士学生だとしても、基本的には給与にプラスになるような制度が今のところないので、少々その点がネックです。
  • 年齢が大学新卒と離れていること。
  • 弊社においての開発研究は極小。満足できるポジションが弊社にはないのでは。。。
  • 柔軟性が低い、視野の狭い学生が多い印象がある。

《番外編》博士学生が選ぶ「博士を積極的に採用しているイメージのある会社」
「博士を積極採用しているイメージのある会社があれば教えてください。」という質問に対しては、下記のような回答が集まりました。化学、生物・農、薬学、医学の専攻では製薬会社が目立ちます。日系企業で企業名があがったのは大手企業のごく一部となりました。
■化学
旭化成、アステラス製薬、大塚製薬、住友化学、大日本住友製薬、田辺三菱製薬、東レ、豊田中央研究所、富士フイルム、三井化学、三菱ケミカルホールディングス、AGC、3M

■生物・農
アカリク、アステラス製薬、いであ、大塚製薬、栗田工業、協和キリン、シオノギ製薬、第一三共、中外製薬、日本工営、メタウォーター

■薬学
大塚製薬、田辺三菱製薬、中外製薬、テクノプロ・R&D社、テルモ、とめ研究所、日本新薬

■医学
協和キリン、住友化学、第一三共、武田薬品工業、テクノプロ・R&D社、トヨタ自動車、ボストン・コンサルティング・グループ、マッキンゼー・アンド・カンパニー、三井物産

■物理学
旭化成、インテル、オラクル、花王、グーグル、ソニー、トヨタ自動車、とめ研究所、パナソニック、日立製作所、マイクロソフト、マッキンゼー・アンド・カンパニー、NTT

■情報
豊田中央研究所、野村證券、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー、NTT

■機械
ソニー、トヨタ自動車、日産自動車、日本製鉄、日立製作所、三菱重工業

■電気・電子
資生堂、島津製作所、トヨタ自動車、パナソニック、日立製作所、ボストン・コンサルティング・グループ、マッキンゼー・アンド・カンパニー、丸紅、三菱電機、IBM、NEC、NTT


■博士を積極的に採用する企業が少ない原因
①博士の有効活用ができていない
日本は、米国などに比べ企業とアカデミアが分断されており産学連携が進みにくく、人材の流動性も低い状態です。そういったことが原因で組織内に博士の活用ができる人材がおらず博士を有効活用する体制が整っていません。

②学部修士と博士で採用ルートが異なり、個別対応が面倒
経団連主導の画一的な新卒一括採用が実施されてきたという背景から、民間企業の採用担当者は、学部修士と異なり個別対応が必要な博士採用に消極的です。別途採用ルートを設けることに工数がかかることを懸念している企業も多いです。

③能力よりも年齢が重視される
年功序列な組織文化がある日本では、測りにくいまたは理解しにくい専門性よりも依然としてわかりやすい「年齢」という指標で人材を評価する傾向にあることも否定できません。これは、博士の能力を適切に把握できておらず過小評価している企業が多いことも原因として挙げられます。

このような原因もあり、日本では民間企業での博士人材の採用・活用が進んでいません。LabBaseでは、就職活動で悩む博士学生さんや進学するか迷っている修士学生さんの進路相談にものっており、連日多くの相談が寄せられています。また、博士学生を採用する企業様への採用支援も少しずつ広がってきました。専門性が高く優秀な博士人材がアカデミアと民間企業の両方で活躍できるよう、LabBaseは博士学生のキャリア支援に力を入れていきます。


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https://compass.labbase.jp/articles/577


《調査概要》
学生アンケート
【調査期間】2019年10月21日〜2019年10月27日
【調査対象】博士後期課程に在籍する学生 68名
企業アンケート
【調査期間】2019年10月30日〜2019年11月1日
【調査対象】LabBase利用企業 40社
その他の詳細データに関しては参考資料をご覧ください。


□LabBaseについて
『LabBase』は学生がデータベース上に自分の研究内容やスキルを書きこむだけで、企業からのスカウトを受けられるという理系に特化したダイレクトリクルーティング型の就活サービスです。学生は研究を続けながら、自分の専門知識を活かせる企業を知ることができます。一方、企業側は一般的なナビサイトなどの就活サービスではリーチできない、優秀で専門性を持った学生に直接アプローチできます。
学生ページ:https://labbase.jp/
企業ページ:https://labbase.biz/

□会社概要
会社名 :株式会社POL
代表者 :代表取締役CEO 加茂倫明
設   立 :2016年9月23日
資本金 :518,130,500円 (資本準備金含む)
所在地 :〒100-0004 東京都千代田区大手町一丁目6番1号大手町ビル9階
コーポレートサイト:https://pol.co.jp/

□代表プロフィール
代表取締役CEO 加茂 倫明(かも みちあき)
灘中学校灘高等学校卒業。東京大学工学部3年休学中。
高校時代から起業を志し、国内外3社での長期インターンを経て、2016年9月にPOLを創業。
LabTech(研究×Technology)領域で研究者や理系学生の課題を解決して科学と社会の発展を加速すべく、研究内容をもとに優秀な理系学生をスカウトできる新卒採用サービスの『LabBase』、産学連携を加速する研究者データベース『LabBase X』、研究の未来をデザインするメディア『Lab-On』などを運営している。
 

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