ブレンボ、2024年ロードレース世界選手権に参戦
9シーズン連続でMotoGP全選手にカスタマイズした製品を供給。Moto2では新型キャリパー、Moto3では新ソリューションが登場
2024年3月8日、イタリア・ステッツァーノ(BG)
まもなく開幕するMotoGP第23回大会に参戦する全22名の選手に対し、ブレンボは先シーズンに引き続き2024年も個別にカスタマイズしたブレーキシステムを提供します。MotoGPは、それまでの500㏄クラスに代わって2002年からスタートした最高峰クラスです。参戦する11チームが今年もまた、ブレーキキャリパー、カーボンディスク、ブレーキマスターシリンダー、クラッチマスターシリンダー、パッドなど、高性能、信頼性、安全性が約束されたブレンボの製品に勝利を託すことを決断しました。
2024年シーズン向けにブレンボは独自の技術ソリューションを幅広く取り揃え、各選手のライディングスタイル、サーキット、レース戦略にベストフィットするブレーキシステムのカスタマイズを叶えます。
間もなく始まるMoto GP新シーズンでは、APレーシングも参戦メーカー5社のうち3社(全22名中18名の選手)に最新のマルチプレートカーボン/カーボンクラッチ技術を提供します。APレーシングはブレンボグループの一員です。
MotoGPにおけるブレンボのブレーキングシステム ― 特徴と技術詳細
グリッドに並ぶ全ライダーが、2020年にブレンボが発売したMotoGP用キャリパー、GP4を使用します。GP4は無垢のアルミニウムインゴッドから切削加工されたモノブロックキャリパーで、ラジアルマウントと4ピストンが特徴です。
増幅システムがブレーキトルクの強化を可能にし、ブレーキレバーに同じ圧力をかけた場合により大きなメリットを得られます。
一方、アンチドラッグシステムのスプリング機構により残留トルクが減少し、パッドとディスクの接触によるマシンの減速を防ぎます。
ディスクについては、各チームに多彩なカーボンブレーキディスクを提供します。直径は5種類で、それぞれに3種類の素材仕様(フィン付き、ハイマス、スタンダードマス)があるため、これらの組み合わせによるソリューションの選択肢は計15種類です。
直径340 mmまたは355 mmのベンチレーテッドディスクは、シュピールベルク、ブッダ、もてぎ、チャーン、セパンなどのサーキットで採用される機会が増えると想定しています。シーズン中に多くのライダーが注目するであろう340mm径ディスクは、ハイマス(ハイエンド)とスタンダードマス(ローエンド)の2種類があります。
ディスクの厚さは直径にかかわらず8mm、重量は直径と適用される仕様によって異なり、1kg~1.4kgです。
MotoGP用ブレーキシステムの総重量は、フロントとリアで約5.5kgです。
カーボンディスクの動作温度条件は250°C~850°Cです。
ブレンボ、Moto2、Moto3に参戦
ポルティマオとヘレスで行われたテストを経て、ブレンボはMoto2およびMoto3においても、ブレーキングシステムのリーディングサプライヤーとしての存在感を確立しました。
2024年のMoto2に参戦する15チームとMoto3に参戦する13チームについて、その100%にキャリパー、およそ30%にスチールディスク、80%にパッド、90%にマスターシリンダー、30%弱にマルケジーニ製ホイールを供給する予定です。
ディスクについては、Moto2とMoto3の両クラスでサーキットの過酷さに応じてフィン付きスチールディスクまたはスタンダードディスクを選択することになります。どちらのクラスでも、動作温度は100°C~650°Cを維持する必要があります。
ディスクの重量はMoto3で約0.5kg、Moto2では、そういった小型ディスクの約3倍に相当する1.3kgです。
キャリパーについては、MotoGP GP4キャリパーから発想したフィン付きキャリパーのコンセプトをMoto2とMoto3において提案しています。
ブレーキングシステムの総重量はフロントとリアで、Moto2向けは約6kg、Moto3向けは約4.5kgです。
マルケジーニホイール
2024年シーズンは、11チーム中8チームがマルケジーニ製鍛造マグネシウムホイールを採用します。マルケジーニ製ホイールの前後輪にはY字型スポークが5本または7本配置されています。ブレンボグループの一員であるマルケジーニ製の軽量ホイールは、加速時や方向転換時に加え、コーナー進入時の制動、大きなバンク角(最大60°)でのコーナリング、フルスロットルでのコーナー立ち上がりといった、マシンが傾く非常に重要な場面でその軽さによるメリットを発揮します。
■ブレンボS.p.A. について
ブレンボは、高性能ブレーキシステムおよびコンポーネントの設計・開発・生産の世界的なリーディングカンパニーです。1961年にイタリアで創業して以来、乗用車やバイク、商用車の一流メーカーへ革新的なソリューションを提供し続け、過酷なモータースポーツの世界選手権においては600以上のタイトルを獲得しています。15カ国に32の生産・事業拠点と9つの研究開発センターを構え、約15,000名の従業員と共に、最高のドライブ体験を追求する全ての人々が信頼できるソリューションを開発し続け、2022年の売上高は36億2,900万ユーロに達しました。「Turning Energy into Inspiration(エネルギーをインスピレーションに)」をビジョンに、最先端のデジタル技術と持続可能なソリューションを通じて、モビリティ分野の発展と未来の形成に貢献します。
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