凸版印刷、環境発電で電子ペーパー表示
エネルギーハーベスティング技術で駆動する電子ペーパーを開発、無線通信規格「EnOcean」に対応した電池レスのIoT機器に「表示」を実現
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、環境発電(エネルギーハーベスティング)技術で駆動する電子ペーパー(以下 本製品)を開発、無線通信規格「EnOcean(エンオーシャン)」に対応した電池レスのIoT機器に「表示」を実現することに成功しました。IoT機器メーカーなどとの協業を視野に、2018年9月より本製品のサンプル出荷を開始します。
なお凸版印刷は、2018年6月20日(水)から22日(金)に開催される「第29回 設計・製造ソリューション展」(会場:東京ビッグサイト)の凸版印刷ブースにて、本製品を活用したIoT機器として、電池レススイッチのプロトタイプを展示します。
なお凸版印刷は、2018年6月20日(水)から22日(金)に開催される「第29回 設計・製造ソリューション展」(会場:東京ビッグサイト)の凸版印刷ブースにて、本製品を活用したIoT機器として、電池レススイッチのプロトタイプを展示します。
■ 開発の背景
インダストリー4.0やIoTが注目される中、製造・物流業界などにおいて、ICT技術を用いた情報の活用と可視化の重要性が高まっています。
「EnOcean」は、光や温度、振動などの微弱なエネルギーを集めて電気エネルギーに変換する「エネルギーハーベスティング技術」を使用した電池レスの無線通信規格です。電源の確保や電池交換といったメンテナンスが不要な特長を活かし、センサーやスイッチなどでの普及が急速に進んでいます。また電子ペーパーは、超低消費電力、紙のような見やすさ、薄型・軽量といった、他のディスプレイにはない特長を持っています。
凸版印刷はこの「EnOcean」と電子ペーパーの特長に着目。約20年間培ってきた電子ペーパーの製造・開発技術により、エネルギーハーベスティング技術を活用して発電した微弱な電力での表示が可能な電子ペーパーの開発に成功しました。これまで不可能とされてきた電池レスのIoT機器への常時表示を実現することにより、IoT機器の利便性向上に貢献できます。
■ 本製品の技術的な特長
・無線通信規格「EnOcean」に対応
広く普及している無線通信規格「EnOcean」に対応しており、既存のデータ通信インフラを活かしたシステム連携が可能なため、導入負荷を軽減できます。
・超微弱電力で表示を切り替え
電子ペーパーの特長である超低消費電力を活用し、エネルギーハーベスティング技術によって発電した微弱な電力でも表示の切り替えが可能です。
・セグメント型電子ペーパーを採用
電子ペーパーの中でも超低消費電力で、数字や文字、アイコンなど固定パターンの滑らかな表示が可能なセグメント型電子ペーパーを採用しています。
・電源なしで表示を保持
一度表示された内容は、次に書き換えるまで常時表示が保持されます。
■ 今回開発した「電池レススイッチ(プロトタイプ)」の仕様
表示画面 | 1.11inch セグメント型E Ink電子ペーパー |
消費電力量 | 200μJ程度(2インチ程度まで) |
外形寸法 | 全体:縦138mm×横84mm×奥行18mm 表示部:縦20mm×横20mm |
通信方式 | EnOcean 無線通信規格 |
凸版印刷は、本製品の開発ならびに協業先の選定を進め、2019年春に量産を開始する予定です。
また凸版印刷は今後も電子ペーパー製品を活用し、IoTによる工程管理や状態管理など各種センサー情報の可視化を想定した製品・サービスの開発を推進。国内市場はもとよりグローバル市場にも事業を展開していきます。
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以 上
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