「こんにゃくセラミド」植物性スフィンゴイド塩基の高い体内吸収性を確認

セラミドの機能性における北海道大学等との共同研究成果

株式会社ダイセル

株式会社ダイセル(本社:大阪市北区、代表取締役社長:小河義美)は、国立大学法人 北海道大学(本部:札幌市北区、総長:寳金清博)との共同研究、ならびに国立感染症研究所(細胞化学部、主任研究官:酒井祥太)、国立大学法人 岩手大学(農学部動物科学科、教授:西向めぐみ)から研究協力をいただき、当社の機能性食品素材である「こんにゃくセラミド」の植物性スフィンゴイド塩基が体内への高い吸収性を示す研究成果を得ました。
当社と北海道大学は、2016年4月に同学内の「次世代物質生命科学研究センター」内に共同で設置した産業創出講座を中心に、当社の「こんにゃくセラミド」が持つアルツハイマー病予防効果に関する研究に取り組んでまいりました(*1)。そして、このたび北海道大学、国立感染症研究所、岩手大学と共同で実施した機能性食品として利用可能な非哺乳類型スフィンゴイド塩基の種類による代謝吸収率の違いに関する研究において、ラットに経胃投与した際、小腸からリンパ液への吸収性は「こんにゃくセラミド」の主要構造である植物性スフィンゴイド塩基が最も高いことを確認いたしました。

■ 研究内容と成果

非哺乳類型スフィンゴイド塩基の消化管吸収率を評価するにあたり、こんにゃく由来の2種類、タモギダケ由来の1種類、ホタテ由来の2種類のスフィンゴイド塩基を用いて、腸管吸収ラットモデルで試験を行いました。ラットの胃へ各スフィンゴイド塩基を投与した後、リンパ液を回収してスフィンゴ脂質量を分析したところ、「こんにゃくセラミド」を構成する植物性スフィンゴイド塩基18:2(4E, 8Z);2OH及びその代謝産物が最も高濃度で吸収されていることが明らかとなりました。
 

リンパ液中の各スフィンゴイド塩基とその代謝産物の積算濃度リンパ液中の各スフィンゴイド塩基とその代謝産物の積算濃度


植物性スフィンゴイド塩基18:2(4E, 8Z);2OHは「こんにゃくセラミド」において最も多く含まれている構造のものであり、この成果から「こんにゃくセラミド」を摂取した場合も同様に高い吸収率が期待できます。この研究成果は、2021年3月1日公開の『Lipids in Health and Disease』誌(*2)に掲載されております。

当社は2002年より「こんにゃくセラミド(こんにゃく芋粉抽出物)」を食品素材として健康食品メーカーや化粧品メーカーなどに販売しております。

当社は今後も、皆様の「美と健康」に貢献する健康食品素材の開発を進めてまいります。

<参考資料>

こんにゃくセラミド
経口摂取することで消化管において植物性スフィンゴイド塩基などに分解、代謝吸収され、リンパ液や血液の循環器系で体内をめぐることで肌バリア機能を改善し、全身のうるおいを保つ効果を発揮することが知られており、美容サプリメントや飲料などに使われております。またマウスモデルにおいて認知機能改善効果も示されております。当該原料は、こんにゃくを製造する過程で取り除かれる「飛び粉」と呼ばれる未利用資源を活用したアップサイクル(*3)素材です。

スフィンゴイド塩基
炭素数12を超える炭化水素鎖のC1位とC3位に水酸基、C2位にアミノ基を持つ長鎖アミノアルコールであり、スフィンゴ脂質の主要骨格です。生物種によって多種多様な構造が知られています。体内では代謝物に変換され、皮膚バリア機能の形成や抗炎症、免疫機能、細胞分化など生体機能に重要な働きを持つことが知られています。

(*1)2019 年には「こんにゃくセラミド」にアルツハイマー病発症の予防効果があることを発見いたしました。
(*2)英国のバイオメド・セントラル社によって刊行されているオンライン学術雑誌。本研究による論文は、次の URL よりご覧になれます。https://lipidworld.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12944-021-01448-2
(*3)単純な未利用資源の活用=リユースとは根本的に異なり、廃棄物から有用なものを取り出し、もとの資源よりも高い付加価値を生み出した素材です。

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会社概要

URL
https://www.daicel.com/
業種
製造業
本社所在地
大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪タワーB
電話番号
06-7639-7171
代表者名
小河義美
上場
東証プライム
資本金
362億7544万円
設立
1919年09月