スナップえんどうの人気が高まり、出荷量も急増中
生活者には調理のしやすさが、生産者には栽培しやすさと安定した価格が人気の理由
「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」をビジョンに掲げ、全国の都市部を中心としたスーパーマーケットで「農家の直売所」を運営する株式会社農業総合研究所(本社:和歌山県和歌山市、代表取締役会長CEO:及川 智正、以下「当社」)はまさに旬を迎えているスナップえんどうの「今年の傾向と今後の予測」をまとめました。
農業総合研究所が全国のスーパーマーケットで展開している2,000店舗以上の「農家の直売所」の出荷データによりますと、昨年の11月から今年1月のスナップえんどうの出荷量はその前の年と比べて、125.0%と大きく伸びていることが明らかとなりました。昨今のスナップエンドウの人気が裏付けられた格好です。
生活者から見たスナップえんどう人気の理由
スナップえんどうが登場したのは1970年代と言われています。それまでサラダやお弁当で主に使われていたのが絹さやえんどうやいんげんですが、こうした豆類のなかでも、近年はスナップえんどうの人気が高まってきています。
生活者から人気の理由は「さやごと食べられる」という、味と食べやすさです。また、筋を取ってゆでるだけで調理が済むので、手間も少なくて済みます。このため、忙しい家庭にとっては、弁当の具材として助かる存在となっているのです。
生産者から見たスナップえんどう人気の理由
生産者に人気の理由①:収穫量
同じ収穫にかける時間でスナップえんどうは絹さやえんどうの3倍以上収穫できると言います。生産者の高齢化が進むなかで、収穫作業の軽減は生産者の大きな課題となっています。収穫作業の負担が少ないスナップえんどうは、生産者にとってもありがたい存在なのです。
生産者に人気の理由②:生産コスト
絹さやえんどうはおせち料理に欠かせない素材です。そのため、毎年12月に価格が高騰する傾向があります。ですが正月を過ぎると、反動で価格は急降下します。価格変動が小さいスナップえんどうのほうが、生産者の経営は安定します。
生産者に人気の理由③:寒さに強い
スナップえんどうは寒さに強いため、栽培しやすいことも人気の理由です。たとえば代表的な豆類であるいんげんの場合、いんげんは比較的温暖な気候を好むので、冬にいんげんを栽培しようとすると、温度調整が必要です。
ですが、昨今の原油高によって、暖房に要する費用は著しく上昇しています。そのため、生産者は冬のあいだは、同じ豆類でも、いんげんではなくスナップえんどうを好んでつくるようになっているのです。
実際、当社の「農家の直売所」の出荷データを見ますと、昨年11月のいんげんの出荷量は前の年と比べて183%と大幅に増えています。暖冬の影響で冷害が少なかったため、収穫が増えたと考えられます。
気温が下がってくる12月だと前年比63%、1月は22%と大きく減少しています。暖房コストが上昇しているため、いんげんの栽培を見合わせて、スナップえんどうに転じた生産者が多かったことも原因のひとつと考えられます。
生産者オススメの美味しい食べ方
今回調査にご協力いただいた生産者の宮迫隆憲氏(鹿児島県垂水市)は、スナップえんどうといんげんの料理方法について「スナップえんどうは、湯がいてバター醬油で炒めて食べたり、絹さやえんどうのように卵とじで食べると美味しいです。いんげんは天ぷらも美味しいですが、素揚げでお塩をつけて食べるのがオススメです」とコメントしています。
調査方法
調査期間:2023年11月1日〜2024年2月29日
調査方法:当社が全国2,000店舗以上のスーパーマーケットで展開する「農家の直売所」、及び産直卸での販売データ、及び、スーパーマーケット担当者や生産者への当社の担当者が直接のヒアリングを基に導出
会社概要
株式会社 農業総合研究所 (JPX 証券コード3541)
〒640-8341 和歌山県和歌山市黒田99番地12 寺本ビルⅡ4階
「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」をビジョンに掲げ、日本及び世界から農業が無くならない仕組みを構築することを目的とした産直流通のリーディングカンパニーです。全国約10,000名の生産者と都市部を中心とした約2,000店舗の小売店をITでダイレクトに繋ぎ、情報・物流・決済のプラットフォームを構築することにより、農産物の産地直送販売を都市部のスーパーで実現した「農家の直売所事業」と、生産者から農産物を買い取り、ブランディングしてスーパーに卸す「産直卸事業」を展開しています。
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