東京主要 5 区の賃貸オフィスの空室率は低下
賃料水準は横ばいで推移。短期的には空室率・賃料のトレンド反転は見込みにくい
新規供給と需要の動向:約 1 年ぶりに大型グレード A オフィスが竣工も空室率は小幅に低下
東京主要 5 区では、直近約 1 年間にわたってグレード A ビルの新規竣工がありませんでしたが、中央区の東京駅には至近の立地で 8 月に「東京ミッドタウン八重洲」と「ヤンマー東京ビル」が竣工しました。 アフターコロナを見据えて縮小するオフィス需要の影響は避けられず、いずれも竣工時点で満室稼働と はならなかったとみられます。
一方で、7〜9 月期のネットアブソープション※2は新規供給量を上回り、空室率は小幅ながら低下しました。全体として、需要は回復傾向にあり、 2022 年前半までは新規供給量が少なかったことに加え、これまで低調だった大型のテナントに動きが出始めたことから、一部で既存の大型の空室の埋め戻しが進んだことが寄与したものと考えられます。
出典:コリアーズ・インターナショナル・ジャパン
空室率と賃料トレンド: 2023 年にはさらに供給が増加、空室と賃料は軟調な推移が予想される
2023 年には前年を上回る規模の新規供給が見込まれます。2022 年末をはさんで、2023 年に竣工する物件のリーシング活動が活発化。これらの新規竣工ビルに移転が内定した企業の移転元で二次空室が発生するリスクは依然として高く、そのため、2023 年には空室率の再上昇が予想され、賃料も緩やかな下落傾向が続くと考えられます。
出典:コリアーズ・インターナショナル・ジャパン
エリア動向: 大企業が賃借する大型の区画に動き。移転、統合による大型の新規契約も散見
渋谷では、2022 年に入ってグレード A オフィスの空室率は 1%未満の水準が続いており、テック系企業を中心とする旺盛な需要がうかがえます。
賃料は概ね下げ止まり傾向にあり、新規竣工のあった日本橋・八重洲・京橋エリアは上昇しました。一方で、依然として大型の空室が残る品川エリアでは、下落が続いています。
出典:コリアーズ・インターナショナル・ジャパン
「東京オフィスマーケットレポート|2022 年第 3 四半期(7‐9 月期)東京主要 5 区・グレード A オフィス」 は、以下のリンクよりダウンロードいただけます。
https://www.colliers.com/ja-jp/research/tokyo-office-market-q3-2022
※1 グレート A オフィス:基準階面積が概ね 300 坪以上の主に賃貸に供されるオフィスビルから、弊社独自の基準で選定。
※2 ネットアブソープション(吸収需要):テナントの入居した空室面積の合計を算出し、需要面積の増加分を推計する指標で、[期初空室面積+期中新規供給面積-期末空室面積]により算出する。
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