マプリィ、リモートセンシングやGISを活用した森林境界の合意形成の手法を公開

株式会社マプリィ

2024年4月12日 16時07分

地理空間情報アプリプラットフォームサービス「mapry」を提供する株式会社マプリィ（本社：兵庫県丹波市、代表取締役：山口圭司、以下マプリィ）は、リモートセンシングやGISを活用した森林境界の合意形成の手法をWebメディア「森林テック」にて公開しました。

記事はこちら

背景

日本の森林の多くは小規模の面積で保有されており、森林整備が進めづらいという課題があります。効率的に森林を整備・活用するためには、森林境界を明確にして施業を集約化することが必要です。

しかし森林所有者の高齢化や公図の精度の問題から地籍調査が進まず、林地の半分以上の森林境界が不明になっています。林野庁・国土交通省は森林境界の明確化を効率的に進めるため、リモートセンシングを活用した測量や森林所有者の合意形成活動を支援しています。

森林境界の合意形成手順

リモートセンシングデータ・GISを利用した森林境界の合意形成は、簡単に説明すると以下の手順になります。

計画・準備
所有者の探索・周知
GISやリモートセンシングを利用した境界推定図の作成
森林境界案を作成（地元精通者への確認）
森林所有者の合意を得て森林境界を確定

このうち、3.の境界推定図の作成・5.の合意形成の際に弊社のWebGIS、リモートセンシング機器を活用いただくことで効率的に作業を進められます。

WebGIS「mapryGIS」の活用

mapryGISを使い、地籍図をGIS上に投影できます。GISの特性を活かし、オルソ画像や微地形表現図、樹種ポリゴンなどを重ねることで境界推定を行えます。

また、森林所有者への説明の際もGIS上に紐づけた現地の写真（境界の目印となる立木や沢など）を見せながらスムーズに合意形成を進められます。

歩行型LiDAR「mapryLA03」の活用

公図、オルソ画像、微地形表現図などを読み取っても境界推定が難しい場合は、リモートセンシングデータを使い樹種・植栽時期の違いを読み取ることが必要です。そこで活躍するのが林内を歩くだけで立木の資源情報を解析できるLiDAR機器、mapryLA03です。

mapryLA03で取得した樹高分布図や地形データを読み取り、境界推定にお役立ていただけます。また、歩行したルートの動画データも確認できるので、目視の境界確認や机上での合意形成にご活用ください。

GNSS受信機「R1」の活用

「R1」はiPhone/iPadを使ってこれまでの測量機器と同等の性能を発揮するGNSS受信機です。作成した境界推定図と現地の状況を照らし合わせるための現地調査にご活用いただけます。境界の基準となるもの（立木や沢）の座標値でを記録したり、高度な境界測量を実施できます。スマートフォンアプリ「mapry林業」と併用してご利用ください。