核融合による次世代クリーンエネルギーを開発するHelical Fusion、世界初となる「核融合倫理」の構築に向けた共同研究を福岡大学と開始

核融合が人類と地球に与える影響、エネルギーを取り巻く我々人類のあり方について、哲学的・倫理学的な観点から検討の土台をかたちづくる

株式会社Helical Fusion

世界初のフュージョンエネルギー実用化を主導する「Helix Program」のもと、ヘリカル型核融合炉を開発する株式会社Helical Fusion(本社:東京都中央区、代表:田口昂哉、以下、「Helical Fusion」)は、この度、学校法人福岡大学(所在地:福岡県福岡市、大学長:永田潔文、以下、「福岡大学」)との間で、世界初となる「『核融合倫理』の構築」に関する共同研究を開始しました。
世界に先駆けた核融合の社会実装を進める日本から、「究極のエネルギー」の実現後およびその過程において課題となりうる哲学的・倫理学的論点の整理や議論を進め、フュージョンエネルギー(核融合)のスムーズな社会実装に貢献するとともに、その後の人類のあり方についての検討も試みます。核融合に関して本格的に哲学・倫理学的な研究を実施するのは世界でも例のない取り組みとなります。

共同研究代表者を務めるHelical Fusion代表取締役CEOの田口昂哉(左)と、哲学・倫理学専門の福岡大学 人文学部 林 誓雄 教授(右) (福岡大学にて)

研究の趣旨

フュージョンエネルギーは、地上で太陽を再現する技術です。地下資源に頼らず、海水などをもとに技術で莫大なエネルギーを生み出すことができることからも、これまでの人類とエネルギーのあり方を抜本的に変えるインパクトを持ちえます。1955年に開催された第1回原子力平和利用国際会議をきっかけに世界各国で核融合研究開発が本格化して以来、約70年にわたり、実用化に向けた取り組みが進められてきました。いまや、フュージョンエネルギーの社会実装を目指す企業は世界で50社を超え、日本でも、産業団体「フュージョンエネルギー産業協議会」に100を超える加盟団体*が名を連ねるまでになっています。その過程で、科学や工学の分野で膨大な知見が蓄積されてきた一方で、哲学や倫理学的な視点からの本格的な研究は行われていません。しかしながら、今後、核融合の社会実装に向けて人類社会が検討を進めるべき観点は数多くあります。核融合発電所の立地や規制といった既に共有されている課題にとどまらず、それらは全て「人類はエネルギーとどう付き合うべきなのか」というより上位の論点とともに議論を進めていく必要があります。これまでも、クローンやiPS細胞、AIなど、最先端の技術が生まれるところでは必ず「倫理(学)」が必要とされてきました。

本研究では、核融合という革新的な技術が人類と地球に与える影響と、エネルギーを取り巻く我々人類のあり方について、哲学的・倫理学的な観点から検討の土台をかたちづくることをねらいとしています。

*2025年10月時点(https://jfusion.jp/

 

研究代表者からのコメント

Helical Fusion 代表取締役CEO 田口昂哉

核融合は宇宙の根源的なエネルギーであり、人類にとって最後のエネルギー革命になるだろうと思っています。人類が初めて、自分が必要とするエネルギーを自分で作り出すことに成功し、エネルギーと人類との関係性が根本的かつ不可逆的に変わる可能性があります。私は元々大学院の修士まで倫理学を専門としていたこともあり、この技術が人類にもたらす影響についてあらかじめ考えを深めておく必要性を感じていました。単に技術を開発するだけでなく、それが社会・人類・地球に及ぼす影響について責任を持つ意味で、早くから哲学・倫理学的観点からの考えを深める必要があると考え、本研究の開始に至りました。林先生とのこれまでにない思索の旅を楽しみにしています。

福岡大学 人文学部 林誓雄 教授

人類は核融合で進化する。このさき,百万年続く人類と地球の共生が可能となる...。まさに夢のような話が,すぐ目の前に迫っているその一方で,エネルギーの爆発的増大とその利用は,われわれ人類の価値観や生き方に,大きな影響を及ぼすことに間違いはありません。エネルギーに満ち溢れた夢のような社会では,これまでの伝統的価値観や美徳など,もはや顧みられることもなくなるでしょう。そのような社会ではどのような事柄が,喫緊に解決すべき倫理的な問題・課題として浮上するのか。その問題を解決し,課題に取り組むためには,何をどのように考えればよいのか。田口CEOとの思索を深めつつ,「核融合倫理の構築」を目指します。

ご参考:林教授プロフィール

共同研究代表者を務めるHelical Fusion代表取締役CEOの田口昂哉(左)と、福岡大学 人文学部 林 誓雄 教授(右) (福岡大学にて)

背景

■フュージョンエネルギー開発の意義

世界の人口は2050年までに約17億人増加すると予測**され、生成AIの普及も背景とした世界的な電力需要の急増に対し、既存発電方法のみで応えることは厳しい見通しです。フュージョンエネルギーは、太陽の輝きと同じ原理を使ったCO2排出がなく効率性の高い発電方法であり、海水などから豊富に採取可能な燃料を用いることからも、世界的な課題を抜本的に解決する技術として期待されています。核融合プラント建設および電力市場は2050年までに世界で数百兆円規模にまで成長するとの試算***もあり、今後自動車産業のように日本が世界をリードする巨大産業を創出できる可能性がある一方、国際的な開発競争も激化しています。

**国際エネルギー機関(IEA)年次報告書 「2023年版世界エネルギー見通し」(World Energy Outlook 2023)

***FusionX/Helixos report Global Fusion Market Analysis: Electricity, Supply Chain & Construction (https://fusionxinvest.com/data-analysis/analysis/)

 

■日本から世界のエネルギー産業をリードできる唯一の技術「ヘリカル方式」

Helical Fusionが開発する「ヘリカル型核融合炉」は、岐阜県にある世界有数の国立専門研究機関「核融合科学研究所」をはじめ、日本で約70年にわたって蓄積されてきた研究の知見を引き継ぐものであり、プラズマ研究・炉設計と工学研究成果の両面から、実用化に最も近い技術です。

核融合炉を発電所として商用利用するためには、核融合反応を起こすことはもちろん、①定常運転(24時間365日運転可能な安定性)、②正味発電(外部へ十分にエネルギーを出せる)、③保守性(短期間で効率的なメンテナンス)という「商用核融合炉の三要件」をすべて満たす必要があります。現在、トカマク方式やレーザー方式をはじめとして、世界中で複数の方式を開発する50以上のプロジェクトがありますが、この三要件を「今ある技術」で実現可能な方式は、唯一「ヘリカル方式」を用いるヘリカル型核融合炉のみです。

Helical Fusionは、世界初の「商用核融合炉の三要件」を満たす核融合炉を2030年代に実現、世界に先駆けて商用化することで、真に持続可能で高効率なエネルギー源の実用化を目指しています。

Helical Fusionが2030年代に「実用発電」を達成する計画の「Helix KANATA」のイメージ

■今後の見通し

Helix Programでは、2030年代の「実用発電」を行う装置「Helix KANATA」の稼働に向け、直近2030年をめどに要素技術の統合実証を行う「Helix HARUKA」の開発を進めています。

 2040年代以降、商用炉の普及を進め、フュージョンエネルギーの社会実装を実現していきます。

株式会社Helical Fusion

株式会社Helical Fusion

■企業プロフィール
Helical Fusionは、日本生まれの「ヘリカル式」核融合炉で世界初の核融合エネルギー(フュージョンエネルギー)の社会実装を目指すスタートアップです。
核融合エネルギーは、高効率で安全・安定的な供給が可能かつCO2を排出せず、21世紀を生きる我々が直面する環境課題を抜本的に解決しうる技術です。
弊社は、国立研究所のスピンアウトベンチャーとして、日本で数十年かけた膨大な核融合研究の成果を引継ぎつつ、日本の技術力をフル活用して、世界初の核融合プラント実現を目指しています。
世界でも稀有な炉全体の開発・設計技術だけでなく、要素技術の開発力も高く評価されており、核融合用の先端技術(超伝導)では、文部科学省から20億円の補助を受けて開発を加速しています。
2025年には、経済産業省が運営するスタートアップ支援プログラム「J-Startup」にも選出されています。

■世界初の挑戦を実現するチーム
核融合に関する研究分野は多岐にわたりますが、商用化に向けては、全ての要素技術を統合し、核融合炉として動かすための「炉設計」の専門性が不可欠です。一方、この専門性を有する人材は世界的にも非常に稀有な存在です。

Helical Fusionは、世界最高峰の炉設計研究の歴史をもつ国立研究機関である核融合科学研究所の知見を引き継いで商用化を目指す会社です。

長年、世界の炉設計研究を率いてきた科学顧問の相良とともに、CTOの宮澤、副CTOの後藤はこれまで最前線で炉設計研究に取り組んできました。
さらに、国立研究所出身の核融合炉の安全設計のプロフェッショナルや、ビジネス面でも金融・エネルギー事業開発など豊富な経験を持つメンバーなど、世界初の核融合炉実現を確実に進められるコア人材が揃っています。
フュージョンエネルギー産業の最上流とも言える炉設計に強みを持ち、技術でもビジネスでも世界に勝てるチームです。

<概要>
・事業内容:商⽤核融合炉および関連技術の開発
・設⽴: 2021年10⽉
・Webサイト: https://www.helicalfusion.com
・Youtube:https://www.youtube.com/@HelicalFusion
<本件に関するお問合せ>
・担当:株式会社Helical Fusion 広報担当
・連絡先:contact@helicalfusion.com

<株式会社Helical Fusionのプレスリリース⼀覧 >
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/89262

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会社概要

株式会社Helical Fusion

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URL
https://www.helicalfusion.com/
業種
電気・ガス業
本社所在地
東京都中央区銀座 1-12-4 N&E BLD. 6F
電話番号
-
代表者名
田口 昂哉
上場
未上場
資本金
-
設立
2021年10月