「良質な睡眠」を目的とした新しい旅行「スリープツーリズム」の実証実験で滞在後も「寝つき」が有意に改善
〜「スリープツーリズム」が日常の睡眠への意識と行動変容のきっかけに〜
株式会社NTT DXパートナー(東京都新宿区、代表取締役社長 阿部 隆)は、株式会社MAE(富山県富山市、代表取締役 前田 大介)、株式会社ブレインスリープ(東京都千代田区、代表取締役 廣田 敦)、株式会社SOXAI(神奈川県横浜市、代表 渡邉 達彦)と連携し、MAEが手がける富山県立山町の美と健康の複合施設「Healthian-wood(ヘルジアンウッド)」にて、「良質な睡眠」を目的とした旅行の新しい滞在スタイル「スリープツーリズム」の睡眠効果を検証する実証実験を行いました。
ブレインスリープによる解析の結果、滞在中の「中途覚醒」の改善だけでなく、「寝つき」について滞在後まで改善状態が続くことが明らかになりました。主観評価においても滞在後の「睡眠の質」の向上が実感され、仕事や家庭などの社会的制約がある日常のなかでも、睡眠改善に向けた行動変容の定着が見られました。
本実証実験は、NTT DXパートナーが、ヘルジアンウッドが持つ魅力を引き出しながら、睡眠工学にもとづくツアー設計・研修プログラムの監修・検証プロトコルの設計・計測機器の選定・効果測定までを一気通貫で支援し、MAEが施設の特性を生かした睡眠体験コンテンツを担うことで実現しました。「施設の魅力づくり」と「科学的な効果検証」が実現された点が、本実証実験の特徴です。
1. 実証実験の背景と目的
厚生労働省※1によると、睡眠で十分に休養が取れていない人の割合は増加傾向にあり、睡眠不足は現代社会における重要な健康課題となっています。一方、世界に目を向けると、ウェルネスを目的とした旅行(ウェルネスツーリズム)市場は拡大を続けており、旅の価値も「見る・消費する」ことから「整える・回復する」ことへと移行しつつあります。こうした潮流をうけ、自然環境や体験プログラムを通じて睡眠を「学び・体験・改善」する「スリープツーリズム」への関心が世界的に高まっています。
※1 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド 2023」より https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf
温泉や養生、四季折々の食といった「眠りを整える文化」を持つ日本は、「スリープツーリズム」における独自の強みを備えているものの、一般的に、慣れない環境では初日の睡眠の質が下がりやすいこと(ファーストナイト効果)が知られており、旅先で確かな睡眠改善効果を得るには、夜の寝室環境だけでなく、朝から日中、就寝前までを見据えた一日を通じたプログラム設計と、科学的根拠にもとづく検証が欠かせません。
このような観点から、NTT DXパートナーは実証実験の企画立案から睡眠工学に基づく一日を通じた宿泊プログラムの監修、検証に必要なデータエビデンスの設計・取得まで、効果のある「スリープツーリズム」を一気通貫で支援してきました。そして、地域ならではの資源を生かした「スリープツーリズム」の可能性を探り、新たな滞在価値の創出をめざすMAEと連携したことで、本実証実験が実現されました。
2. 実証実験の概要

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施設名 |
ヘルジアンウッド (富山県中新川郡立山町) |
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試験方法 |
同一被験者による期間ごと比較試験(滞在前14日間/滞在中3日間/滞在後30日間を比較) |
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被験者 |
睡眠に課題のある男性10名(20〜50代) |
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測定項目 |
客観的指標:睡眠計測リングSOXAI RINGによる睡眠・心拍・活動量の測定 主観的指標:毎朝および週次のアンケート |
【各社の役割分担】

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企業・組織 |
役割 |
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NTT DXパートナー |
実証実験の企画立案(含むデバイス選定)/睡眠工学に基づく一日を通じた宿泊プログラムの監修/被験者募集・運営管理/現地での検証管理 |
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MAE(ヘルジアンウッド) |
睡眠体験コンテンツの設計・提供(“フレンチ薬膳”やハーブを生かした滞在プログラム) |
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ブレインスリープ |
検証全体設計(プロトコル策定/データ分析/IRB申請※2/被験者説明) |
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SOXAI(ソクサイ) |
検証用ウェアラブルデバイス(睡眠計測リングSOXAI RING)の提供/データ分析基盤の提供/検証データの分析サポート |
検証にあたっては、NTT DXパートナーが運営する睡眠課題解決企業間コミュニティ「ZAKONE」を通じて多様な睡眠計測デバイスを検証してきた知見をもとに、「日中と夜の両方を、被験者に意識させることなく日常のなかで計測でき」、「客観的な効果検証に足る精度を備える」ことを基準として、ブレインスリープおよびSOXAI(ソクサイ)の2社を選定しました。
※2 IRB(Institutional Review Board):倫理審査委員会。人を対象とする研究について、倫理的・科学的妥当性を独立・公正な立場から審査する委員会。
【プログラム設計のポイント】
本取り組みでは、NTT DXパートナーが持つ知見を生かし、以下3点を軸にプログラムを設計しました。
①データドリブンな設計
睡眠計測リング(SOXAI RING)によるデータをもとに、日中の活動が夜の睡眠にどう影響するかを可視化。主観的だけでなく、客観的にも納得感のあるコンテンツ醸成をめざしました。
②睡眠講演・エデュケーション
「なぜこのコンテンツをこの時間に実施するのか」を理解していただくことで、帰宅後にも学んだ知識を応用しやすいように、滞在初日に睡眠講演を実施しました。また、各コンテンツの設計理由を記載した「睡眠冊子」を配布し、ワークショップ開始前に説明をすることで、コンテンツへの理解を高めた上で、体験に臨んでいただきました。

③滞在後も継続する行動変容
滞在後も睡眠に関わる行動変容につながるように、セラピストによる滞在後のアフターフォロー、帰宅後も行動を継続させるためのサポートアイテムとして「アロマスプレー」「ボディマッサージオイル」「ハーブティー」をお渡ししました。特に「アロマスプレー」は自分で選んだ香りをブレンドしたもの、「ハーブティー」はセラピストが本人のその時のコンディションに合わせてレコメンドしたものであり、パーソナライズされたアイテムとなっています。


③イメージ(左:セラピストによる滞在中カウンセリング。本人のその時のコンディションを踏まえて、ヘルジアンウッドのハーブティーをレコメンド。右:好みの香りをブレンドして、滞在後も活用できる「アロマスプレー」を制作)
3. 実証実験の結果
※詳細はブレインスリープのニュースリリースをご覧ください(https://brain-sleep.com/blogs/news/1726)
結果①<滞在中>睡眠への意識・行動・リラックス度※3が向上し、中途覚醒時間※4・睡眠効率※5が有意に改善

※3 リラックス度:就寝前の心理状態(落ち着き・安心感など)に関する主観評価(10点満点、点数が高いほど良好)
※4 中途覚醒時間:入眠から翌朝の最終覚醒までのうち、覚醒していた時間の総和
※5 睡眠効率:就床時間に対する実際の睡眠時間(中途覚醒時間を除く)の割合
結果②:<滞在後>実生活でも寝つき(入眠潜時※6)の改善が約1か月持続

※6 入眠潜時:就床から入眠までに要した時間(寝つきの良さを示す)
結果③:<滞在後>主観評価で「睡眠の質」の向上を実感し、社会的制約下でも行動変容が定着
起床後および週次の主観アンケートでは、「睡眠の質」(10点満点)やOSA※7(4点満点、特に「起床時の眠気」「入眠と睡眠維持」)の評価が有意に向上しました。検証後の感想では10名中9名が「参加して何らかの価値を感じた」と回答しており、仕事や家庭などの社会的制約がある日常のなかでも、睡眠改善に向けた行動変容の定着が見られました。
※7 OSA:睡眠の質を主観的に評価する睡眠調査票(4点満点、起床時眠気・入眠と睡眠維持などを含む)
4. 今後の予定
今回の実証実験で得られた知見やエビデンスを基に、睡眠を切り口に宿泊施設や地域を活性化したい事業者・自治体や、効果検証の伴走支援を希望する事業者などと積極的に連携し、「睡眠」を通じて地域ならではの魅力を発信するとともに、展開地域・対象層の拡大を進めていきます。
5. 本件に関するお客様からの問い合わせ先
株式会社NTT DXパートナー
スリープテック事業部
E-mail:info.sleeptech@nttdxpn.co.jp
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